マーフィスの殿下、性格改造計画・・・?
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「私の友人は、こう言ってました。複数の女性と接するなら強気で対応しろと言っていました」
「ちょっと待てマーフィスその強気で、とは一体どう言う事を言っているんだ?」
殿下は私の話を聞いて不思議がっていた。
まぁ当然だろう。
私も友人から話を聞いた時は、殿下と同じ言葉を友人に言った。
「簡単に言うと、自分に自信を持って失敗を恐れずに積極的な行動をする事だそうです」
「マーフィス。それだと余計に女性に嫌われないか?」
確かに、私も最初はそう思った。
しかし、現実に友人はそのやり方で上手くいっている。
「殿下の心配は、もっともだと思います。しかし、殿下。今の殿下の状況を考えますと、生半可な対応では現状の打破は難しいのではないですか?」
殿下は深く考えているのか、下を向いている。
「そうだな。確かに今の状況を打破できる方法が分からない今、その方法を試してみるもいいかもしれない。ちなみに、マーフィス。私はどのようにすればいい?」
「そうですね。とりあえずはドルトムン様とクロフォード様と会うのはしばらく止めた方がいいですね」
「どうしてだ?それだと、解決できないではないか」
おそらく、殿下はドルトムン様と会えなくなるのがイヤなのだろう。
しかし、ここは我慢していただくしかない。
「はい。殿下の言う通り、すぐに解決はしません。時間をかけゆっくりと解決に向かいます」
「僕はすぐに出来ると思っていたのだが?」
「確かに、殿下のお気持ちは分かります。しかし、この方法だとどうしても時間が必要なのです」
そう、この方法は時間が掛かるし。
そして、殿下の頑張りも必要だ。
「わかった。僕から頼んでおいて我儘を言いすぎた、すまないマーフィス話を続けてくれ」
殿下の瞳から、強い意志を感じる。
「まずは、計画の流れから説明していきます」
「計画?何か壮大な話になったな」
「殿下。前もって言っておきますが、この計画をやるのなら途中で止める事は出来ません」
「おぉ」
動揺したように頷く殿下。
「計画を説明します。まず、先ほど言ったように殿下にはしばらくドルトムン様とクロフォード様と会う事は止めていただきます。そしてここからが重要なのですが、これからは他の令嬢方と沢山会っていただき仲良くなってもらいます」
「ちょっと待てマーフィス。それだとソフィアやクロフォードに変な誤解が生じるのではないか?」
「はい。誤解すると思います。しかし、それが目的なのです」
「どう言う事だ?」
「まず、今の殿下の状況を解決する為にドルトムン様、クロフォード様に今の殿下の気持ちを正直に伝えた場合、さらに状況が悪化し泥沼化する恐れがあります。ですので、お二人にはまた別の勘違いをしてもらいます。そうする事によって解決になると私は思います」
「ちなみに、どういう勘違いをさせるんだ?」
「はい。本来の殿下は女性に対して普段からあの対応が普通だと思わせるのです」
私の話がうまく伝わっていないのか、殿下は首を傾げている。
「殿下、簡単に言うと殿下は女性に対して軽薄な人だと思わせるのです」
「おい!確かに、それなら僕のあの対応も軽薄なものでの事だと思ってくれるだろうが。それだとソフィアに嫌われてしまうだろ」
そうなのだ、この方法はそのリスクがある。だけど・・・。
「殿下!でも、今の状況を何もせずになぁなぁにしているとドルトムン様は殿下はクロフォード様を好きなんだと思われたままになり、ドルトムン様は殿下と距離を置く事になりませんか?」
「確かにそうかもしれないが・・・しかし、嫌われるともっと距離を置かれるのではないか?」
「殿下。一つ言いますが嫌われるかどうかは、殿下次第です」
「ん?どう言う事だ?」
私は友人が言っていた事を思いかいしながら、話を続けた。
「軽薄な態度でも、色々あるという事です殿下」
「色々か・・・例えばどう言う事だ?」
「そうですね。例えばスキンシップ多めにしたり、フレンドリーに接したりとかですかね。ですが、大事なのは、超えてはいけないラインを作りそれを守る事です。そうすれば、他人が殿下を見たときに節度ある遊びをしていると思うでしょう」
「なるほど、それならソフィアに嫌われないかもしれないな」
「はい。上手く事が運べば大丈夫だと思います」
そう。あとは殿下次第だ。
「わかった。マーフィスの言う通りしよう。それで今からどうする?」
「そうですね、細かい内容は後で詰めるとして。今日はドルトムン様とクロフォード様には帰って頂きましょう。殿下は急用で戻れないと言っておきましょう」
「よし、わかった。二人の事はマーフィスに任せる僕はここで待っている」
「わかりました。では、行ってまいります」
こうして、殿下とマーフィスの計画が動き始める事になる。
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