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温室・・・

まだ連日投稿記録更新中


 やはり温室みたいね。

 遠くからじゃ分からなかったけど、結構大きな温室ね。

 全体をガラス張りで、中が綺麗に見える。中には花が並んでいるわね。

 

 「立派な温室ですね」


 私がそう言うとアレン様は、嬉しそうに笑った。


 「そう言ってもらえて嬉しいよ」


 私達は温室の中に入った。

 温室の中は、バラの花で一杯だった。

 見た感じから、ここの温室はバラを育てる為に建てられた印象を受ける。

 

 「ここの温室にはバラの花しかないのですか?」

 「そうだよ。ソフィアが好きだって言っていたからね、こうして育てているんだ」


 私が言ったからってここまでするか、流石は王子様スケールが違うわね。

 他の令嬢にも同じ事をしていると思うと末恐ろしい子供ね。

 

 「気にいってくれた?」

 

 私がバラを見ていると、後ろからアレン様が話かけてきた。


 「えぇ、とても綺麗で素敵な場所ですね」

 「良かったら何本か持っていく?」

 「いえ、こうして綺麗に咲いているのですから、このままにしておきましょ」

 「ソフィアがそう言うならこのままにしておくか・・・あっそうだ。ソフィアに渡したい物があるんだ」

 「渡したい物ですか?」

 「うん、だからそこで待ってて」


 そう言ってアレン様は温室の奥の方に行ってしまった。

 『なんだろう、渡したい物って?』私は気になっていた、花なら正直要らないんだけどな。

 少しの間待っていると、奥の方からアレン様が戻ってきた。

 戻ってきたアレン様は右手に何か光る物を持っていた。

 アレン様は右手に持っている物を、私に渡してきた。


 「はい。ソフィア」


 アレン様が持っていたのは、手の中に収まるくらいの大きさのガラス瓶で中にはピンク色の液体が入っていろ物だった。

 

 「これは何ですか?アレン様」

 「これはバラから作った香水だよ」


 嬉しそうに答えるアレン様。

 

 「香水ですか?どうして急に?」

 「バラの香りが好きだって言っていたろ、だから香水にしたら喜ぶと思って」

 「ここのバラを使ったのですか?」

 「うん、そうだよ」


 一体どれくらいのバラを使ったのだろう、恐くて聞けないわね。

 『ここは素直に受け取っていいのかな?」。

 

 「私なんかがこのような物貰っていいのでしょうか?」

 「ソフィアの為に作ったものだから受け取ってほしい」


 いつものとは違う強い口調でアレン様が答える。

 

 「アレン様がそう言うならありがたく頂きます」


 私は、アレン様から香水を受けとった。

 さっきまではアレン様の手で隠れていてよく見えていなかったが、この瓶すごい細工が施されている。

 『香りはどうかな?』私は瓶の蓋を取り、香りを確認した。

 鼻孔を優しく刺激するバラの香りは、花から直接漂う香りとはまた違う良さをもった香りをしていた。

 

 「どう?気に入ってくれた?」

 「えぇ、とても。バラの香りもいいし、しかも綺麗な細工の瓶で使ってしまうのが勿体無いくらいです」

 「気にいってもらえて良かったよ」


 その後、温室を出て私達はアレン様の部屋に行くことになった。


 ゲームでは結構見た部屋だけど、こうして直接見ると少し違って見えるわね。

 私は、アレン様の勧めでソファーに座った。

 アレン様は扉の前で使用人の方と何か話ている。

 

 「ソフィア何か飲みたいモノはある?」

 「それでしたら、紅茶をお願いします」

 「紅茶だね、わかったよ」


 アレン様はまた使用人の方と話している。

 おそらく紅茶を持ってくるように言っているのだろうけど、でも少し長いわね。

 『おっ話が終わったみたいね』、アレン様は使用人と話し終わってこちらに向かってくる。

 

 「今、使用人が紅茶を持ってくるから少し待ってくれ」

 「はい、お気になさらず」

 「それでソフィア言いにくいんだが・・・その・・・」

 

 どうしたのだろ、こんなに歯切れの悪いアレン様は珍しいわね。


 「どうしたのですか?」

 「もう一人ここに客が来ることになってしまって・・・」

 「でしたら、私は失礼したほうがいいですね」

 「いや、その客はソフィアにも会いたいらしくて・・・」

 「そうなのですか・・・なら私は残ったほうがいいというわけですね」

 「あぁそうして貰えると助かる」


 『どうしたんだろうアレン様いつもみたいな覇気がないわね。あまり会いたくない人が来るのかしら?』。

 先ほどまでとは明らかに、暗い表情をしている。


 「アレン様ちなみに、どなたが来られるのですか?」

 

 私の質問にアレン様が答える前に、扉からノックが聞こえた。

 もうお客様が来たのだろうか、それとも紅茶かな?。

 その答えはすぐに分かった。

 扉を開け、部屋に入って来たのは私達と同じくらいの女の子だった。


 『どこかで見た事がある顔ね。どこだったかな』。

 

 

 

今回も読んでいただきありがとうございます。


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