パーティーの終わり・・・
間に合った。
部屋に戻った私は、アレン様からもらった手紙を読もうとしていた。
手紙をもらったのはいつぶりだろう、私の記憶に残っているのは中学の時にもらったのが最後かもしれない。
私は懐かしい気持ちになりながら、手紙を開封していた。
手紙の内容は、しばらく私の家に遊びに来れない事、遊びに行く時はまた手紙を出すと書いてあった。
まぁ他にも花の事とか、お菓子の事とか書いてあったがそれほど重要な事ではないかな。
これで、しばらく私の平和な日常が帰ってくるわね。
心なしか、今日の紅茶いつもより美味しく感じるわね。
「お嬢様、どうかされたんですか?いつもより嬉しそうですが?」
流石はエマ。私が喜んでいる事をすぐにわかるなんて、やるわね。
「そう見える?」
「はい。大変嬉しそうに本日は紅茶を飲まれているので・・・アレン様からの手紙が余程、嬉しかったのでうすね」
「えぇ、そうなの。しばらくアレン様はココには来れないそうよ、やっといつも日常が帰ってきたと思うと嬉しくてね」
私は満面の笑みでエマに答えていた。
エマも私と同じで笑顔かと思ったけど、エマの表情は何だかポカーンとしていた。
「そっち、なのですか?お嬢様」
どうしたのだろうエマは?。
「そっちとは?」
「いえ、私はてっきり手紙の内容は愛の言葉が書かれているものかと思っておりまして・・・だからお嬢様は喜ばれているんだと・・・」
『あ~なるほど、そういう事ね』、まっ普通は異性から手紙をもらって喜んでいたらそう思うのも頷けるわね。
でも、残念ながらそれは普通の女の子の話。私は元男だからそんな事では喜ばない。
「エマは乙女なのね。手紙には愛の言葉なんて書かれてはないわよ」
「そうなのですか?」
「うん。何なら見てみる手紙?」
「いえ、お嬢様の手紙を読むなど出来ません」
「いいわよ。私が許可するわ。はい手紙」
私はそう言って手紙をエマに渡した。
エマは少し戸惑っている様子だったが、何か覚悟でも決まったのか真剣な表情になったエマは手紙を読み始めた。
私はエマが手紙を読んでいる間、私はティータイムに戻った。
エマが手紙を読み終えたみたいだ。
「お嬢様、本当にこの手紙をお読みになられました?」
エマが不思議な事を尋ねてきた。
「ちゃんと読んだわよ」
「そう・・・ですか。お嬢様は鈍感なのかもしれませんね」
「うん?なにか言った?」
「いえ、なんでもありません」
「そう」
何だかモヤモヤするわね。
それから3日間、私は平和な日々を送っていた。
しかし、今日アレン様から手紙が届いた。
まだ手紙を読んではいないが、書かれている内容は大体想像がつく。
『どうせ、明日遊びに行くよって内容だろう』。
私は内容を確かめるべく、手紙をよんだ。
手紙の内容は私の想像していたものとは、少し違っていた。
明日、会おうと言うのは合っていたがアレン様がココに来るのではなく、私が王宮に来てくれという内容だった。
私は手紙の内容を父に伝えたところ、明日王宮へ向かうための馬車を用意してくれることになった。
私はてっきり父が反対してくれると思ったのに、まさかの賛成だった。
しかも、馬車まで用意してくれるとわ。
娘が可愛くないのか、この親は。
諦めて明日、王宮に行くか。
久しぶりだな、こんなにも朝起きるのがイヤなのは。
心と体が王宮に行くことを拒否している。
しかし、アレン様に招待されたのでは行かないといけない。
もし行かなかった、私が今まで積み重ねていた好感度が下がってしまう。
それは、ダメ。私の破滅フラグを回避する為にも好感度は高いほうがいい。
私は嫌がる体、嫌がる心を抑え王宮に向かう馬車に乗り込んだ。
今回で3回目になる王宮、何回見てもすごい建物ね。
王宮に着いた私は、使用人の方に迎えられ応接室で待つように言われた。
私が紅茶を一杯飲み終わったころに、アレン様が応接室に入ってきた。
「今日は来てくれてありがとうソフィア」
応接室に入ってきたアレン様は笑顔で話てきた。
「いえ。本日お招きいただきありがとうございます」
「ハハッ、ソフィアは真面目だね」
「そうでしょうか?」
「うん。・・・今日はソフィアに見せたいものがあってに僕についてきてくれるかな」
「見せたいものですか?一体なんでしょう。楽しみです」
何だろう?アレン様が私に見せたいものって。王宮でしか見れないものだよねきっと。
二人で応接室を出た。
私はアレン様の後ろを歩くかたちで進んだ。
目的地はどこなんだろう?私の知らない場所に向かっていると思う。
しばらく、歩いたところ外に出た。すると、目の前に温室のようなモノが見えた。
まだ、距離があって確信は持てないが。
おそらく、アレン様はあそこに向かっているようだ。
『なんだろアレ?』。
評価&ブクマをよろしくお願いいたします。




