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私の普通な日常
あたたかな風が吹いた。
太陽の陽だまりが心地よい。私は風を感じながら坂道を登っていく。
坂道には桜並木がある。
桜は満開であり、風とともに桜が散っている。
(春真っ盛り…言葉合ってるのかな。今日も1日が始まる。平穏な私の日常。)
― 今日は風が強い。今日で桜がすべて散ってしまいそうだ。
そう思うと、風の中から鈴の音が紛れて聞こえてきた気がした。
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私は、柊木 ありす。
今年で25歳になる。
ちなみに現在彼氏はいない。強調していうが彼氏いない歴1年だ。
ありすときくとある物語が出てこないか。
不思議の国のアリス。
幼い頃、私はこの話が大好きだった。同じ名前の女の子が、異世界で冒険していくというストーリーが幼い頃の私にとって羨ましく、ドキドキしたからだ。あの頃は、異世界があれば行ってみたいそう思っていた。
社会人として働いている今の私は、異世界というのは信じてはいない。
信じてはいないが…次の日が仕事だ、嫌だ、行きたくないと思うと、異世界への入り口について携帯で検索している自分がいるのも事実だ。