プロローグ2 彼女と俺の放課後
[裕之SIDE]
いつものように部活に向う。
あれから2週間、ずっと部活を休んでる。
こんなに足取りが重いのは、初めてだ。
何度も出てくるように催促があったが、無視していた。
はっきり言って、そんな気分じゃない。
今日は、3年の引退と、時期部長と幹部メンバーの発表だ。
誰が何になろうと知ったことじゃない。
今更どうでもいい。
いつものようで、いつもじゃない毎日。
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・裕美がいない・・・
3歳の時に、隣に引越してきた裕美に一目惚れしてから、ず~と一緒に過ごしてきた。
保育園では、ませたクソガキ共をせっせとバレないように一掃していた。
空手をならったのも、裕美を不穏な輩から守るためだ。
水泳は喘息持ちの修一に付き合っただけだけどさ。
後から祐美も水泳習い初めて、水着姿が可愛くて可愛くて可愛いかった。
中学の部活に入ってスイミングクラブは止めたけど、裕美は続けていた。
その頃の裕美は、水着姿の体に凹凸がではじめていて、視線に困ることもしばしばあった。
それ以上に俺のいないところで、クソ虫が湧いて出てくるのじゃないか?気が気でなかった。
祐美も弓道部に入って、スイミングクラブを卒業して、心からホッとした。
弓道部は月水金の週3日だったが、学年によって階が違うため、校内で会うことはめったになかったので、放課後に部活で会えるのが、待ち遠しかった。
部活のない日は友達と下校するが、部活のある日は裕美と一緒に下校した。
修一?
あいつは、科学部とかで、フラスコとかビーカー持ってよくわからない実験していたな。
隣だけど下校は別々が多かった。
幼馴染だけどさ、オツムのレベルが違うせいか、年々話がすれ違うようになってたな。
あんなにワクワク・ルンルンして小走りしていた弓道場への道が遠い・・・
足が重い。
もう帰りたい。
・・・・・・でも、今日は3年の先輩の引退日。
裕美が入るまでの1年間、俺は本当に頑張って先輩にいろいろ教わった。
特に部長は親が弓道の師範とかで、レベルが他と違っていた。
裕美にカッコイイところを見せたくて、部長に頼み込んで部外練習もしてもらっていたのだ。
いつものようでいつもと違う練習がはじまった。
誰も裕美のことは言わない。
初めからいなかったようだ。
俺も何も言わず、淡々と弓を引く。
2週間ぶりに引く弓は少し重くブレを誘う。
それでもしばらくすると、勘を取り戻すように当たってくる。
ただ無心で弓を引く・・・
練習も後半になり、3年生全員対後輩選抜による競技が始まる。
やる気は全くないが、選抜メンバーに選ばれてしまった。
昨夜は、退部届を書いて、今朝、顧問の先生に渡したというのに・・・
先生は、「今は受理できない、預かっておくから、ゆっくり考えろ」という。
考えろと言われても、やる気が起きない、ただそれだけだ。
競技が始まり、俺の番になると、ただ機械的に準備をし、弓を構えて打つ。
空虚なまま、ただ矢を打つ。
それなのに、なぜかよく当たる。
裕美にカッコイイところ見せようと頑張っていた時より、成績が良いのはなぜだろう?
・・・ありえない・・・
当たるほど、ため息がでる。
競技の結果は3年の勝ちだ。
なんたって、部長が次々と高得点を叩きだしたからだ。
まあ、よほど他の3年が崩れないかぎりは、華を持たせる意味でも、3年が勝つに決まっているけどさ。
それよりも、困ったことは、副部長に選ばれてしまったことだ。
絶対、顧問と部長と新部長の差金だろう?
やめますと、言い出せなくなってしまった・・・
裕美がいれば、きっと満面の笑顔で拍手をしてくれただろう。
そして俺は、最高の気分で、挨拶をしただろう。
・・・・・・「はぁぁ~」ため息しか出ない。
何でこんなことになってしまったのだろう???