Data.17 リベンジ!アンデッドケイブ<STEP2>
「ステータス!」
私の一声で目の前にステータスウィンドウが表示される。
◆ステータス詳細
―――基本―――
ネーム:マココ・ストレンジ
レベル:19
レイス:人間
ジョブ:戦狩人
―――装備―――
●武器
超電磁ブーメラン:☆30
目覚めのブーメラン:☆15+1
●防具
牛角のカチューシャ:☆2
質素なシャツ:☆1
質素なズボン:☆1
白革のグローブ:☆7
蜘蛛の腕輪:☆8
村人のクツ:☆1
―――技能―――
●任意
【塵旋風】Lv4
【ブーメ乱舞】Lv4
【猛牛ブーメラン】Lv2
【回帰する生命】Lv1
●常時
【ブーメラン術】Lv11
【解体】Lv8
【回復魔術】Lv1
【腕力強化】Lv5
そうそう、私にも壊れた『質素なクツ』に代わる新装備があった。
といっても、アチルが装備していたこともある低レア装備の『村人のクツ』だけど。
モンスターの皮からクツを作れないかな……とも思った。
でも、私たちがドラゴンゾンビを討伐する際に、雷の守護者の魔力枯渇で村の電磁包囲網を解かなければならない事態に陥る事を考えた。
そうなるともしもの時、村を守るのは農具を武器とした村人たちだ。
モンスター皮の装備は、念のために村の人たちに使ってもらおう……という事になった。
さーて、レベルは私自身が1つ。
それに【塵旋風】が1つ。
流石にアレだけ雑魚を狩れば上がるようね。まだレベルも低いし。
次に今使った【猛牛ブーメラン】が1つ。
適当には使えないけど、使わないとレベルが上がらないのが難儀ね。
後は【回復魔術】以外の常時スキルがそれぞれ1つずつ上がってるわ。
うーん、回復は何度も思うけど上がらない。
そもそも今は蘇生一回で魔力がギリギリだし、レベルが上げやすそうな単体回復スキルを覚えても、もしもの時を考えると使えない。
まあ、仕方ないって事ね。保留っと。
でも、いつか覚えたいなぁ。スキルの書とかどっかにあるのかなー。
「マココさん! やっぱり私も前回の探索と比べると、格段に強くなってますね。死して蠢く者の洞窟内部で見ると、より感慨深いです」
そう言いながら、アチルはこちらに自分のステータスウィンドウを見せる。
◆ステータス詳細
―――基本―――
ネーム:アチル
レベル:16
レイス:人間
ジョブ:X射手
―――装備―――
●武器
ロットゥンクロスボウGT:☆22
●防具
朽ちきったローブ:☆4
ブラックボーンシールド:☆18
白銀の装甲片:☆15
村人のシャツ:☆1
村人のスカート:☆1
古革のブーツ:☆3
―――技能―――
●任意
【弾丸豆のなる木】Lv4
【高速連続射撃】Lv2
●常時
【弓術】Lv2
【クロスボウ術】Lv10
【視力強化】Lv6
【木魔術】Lv5
アチルは今は使っていない【弓術】以外のレベルが全て1ずつ上がっているようだ。
にしても『X射手』ってカッコいいジョブだ。『X』の部分が最高よね。
「ここでマココさんに譲ってもらって使い始めたクロスボウも、結構手に馴染んできました。距離があっても外しにくくなりましたし、いいですね、強くなるって。戦う力があるのは素晴らしい事です」
彼女らしい言葉だ。
まあ、私もそれにほぼ同意ね。強くなるって楽しい事よ。
「じゃ、宝箱を開けて魔石を拾って次に行くとしましょう」
「はい!」
私たちは立ち上がり、部屋の中央にある魔石を拾った。
そして、近くにある銅の宝箱を開ける。
銅というのは金、銀の下のレアリティである。つまり上から三番目。
でも、ノーマルよりかは全然レアだから、運が良いと思ってありがたく頂きましょう。
――ブロンズドロップ獲得『鉄包帯のはらまき』!
――ノーマルドロップ獲得『鉄包帯のはちまき』
あの敵を串刺しにせんとする巨大な怪物から、なかなか可愛げのある物が出てきた。
こういう遊び心もたまには悪くない。
「わぁ! なんかかわいい……かわいい? うーん、ちょっと色が地味ですね……。でも、性能は良さそうです! マココさんは私のせいでまだ防具揃ってませんし、これは全部使ってください」
「そう? じゃあ、ありがたくもらいますか」
私はそれを手に取り、まず性能を確認する。
◆防具詳細
―――基本―――
名前:鉄包帯のはらまき
種類:腹巻
レア:☆10
所有:マココ・ストレンジ
防御:23
耐久:20
―――技能―――
【腐食耐性】Lv2
※残りスキルスロット:1
―――解説―――
鉄製の包帯で出来た腹巻。
なぜか柔軟性も良く、肌触りも悪くない。
◆防具詳細
―――基本―――
名前:鉄包帯のはちまき
種類:鉢巻
レア:☆6
所有:マココ・ストレンジ
防御:16
耐久:14
―――技能―――
なし
※残りスキルスロット:1
―――解説―――
鉄製の包帯で出来た鉢巻。
激しい動きでも解けにくく、着け心地は良い。
スキルより素のスペックを重視した装備だ。
今の私には結構ありがたいわね。
早速装備してみた。
うーん、地味な色で落ち着いたデザインの『質素な服』の上に、鉄特有の光沢を放つ『鉄包帯のはらまき』。
そして、おでこに『鉄包帯のはちまき』……。
完全にオシャレを考えず、今の最強装備を着けておくプレイスタイルだ。
てか、このゲームでオシャレって大変そう。
他プレイヤーの間では生産とかやってるのかな?
私は基本、生産職に興味ないけど。
「うん! マココさんの弱点であった防御の低さを補えて、とてもいい装備バランスになったと思います。良い感じです!」
「ありがとう」
ここで見た目のことを言わず、性能を褒めてくるのがアチルらしい。
まぁ、これを似合ってると言われても喜べないからね……。
「さぁ、張り切って11Fに行くとしましょう」
「了解です!」
私たちは中ボスであるアイアンマミー撃破と同時に出現していた先に進む魔法円に乗った。
ちなみに一気に出口に帰れる転移魔法円も一緒に出現している。
この階層で帰りたいで一旦帰りたいときに便利な物ね。
でも、今回の目標は完全攻略のみ。
私たちは魔法円を起動させ先に進んだ。
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◆現在地
死して蠢く者の洞窟:地下11F
「うわぁ……暗いですね」
「うん……これはちょっと怖いかも……」
かなりダンジョンの雰囲気が変わった。
魔法円の周りには誰が置いたのか、いつから燃えているのかわからない燭台が数本立っている。
でも、その燃える火で照らされているところ以外は今までの階層より暗い。
一応、壁のところどころが青白く発光しているので見えないことはないけど、他の灯りも欲しいところだ。
「あ、マココさん。ここに何本かいい感じの木片が転がってますよ」
本当だ。
アチルの指し示す場所には、松明にするのに良さげな木片が何本かあった。
初心者に優しい作りで助かったわ。
私は木片をいくつか拾い、その内2つに火をつけた。私とアチルの分だ。
「……私が前を歩くわ。アチルは後ろを警戒しつつ、ついて来て」
「り、了解です」
前も思った気がするけど、ホラーゲームは苦手だ。
本当は前に出たくないけど、このパーティ構成だと私は間違いなく前衛なのだ。
役割を放棄するわけにはいかない。
防御力は新装備で上がっているから、落ち着いていこう。
「アチル、何も見えない?」
「はい、今のところ視界の範囲内には何もいません。といっても、光の届く範囲ですけど……」
「十分よ。ありがとう」
目の良いアチルに頼りつつ、私はじりじりと前に進んだ。
5F突破で1つ目標をクリアしたので今回は確認回っぽくなりました。
次回からは雰囲気の変わったダンジョンを突き進んで行きます!




