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06 王子の恐怖

「弱すぎです、なんですかその無駄な動き。良いでしょう立ちなさい。マシな剣術になるようにみっちり矯正して差し上げましょう。」


 あの女、怖い・・・!

 俺は王子だぞ?

 最初はちょっと面白そうだからカレンとか言う女のパーティーでからかってやろうと思ったのに倒された。

 あれは近づいたと思った瞬間、天地が逆転していた。

 次に父上に言いつけて罰してやろうと思ったら父上に気に入られていた。

 お前の妃に迎えたいわ!と言っていた。

 絶対嫌だ。

 警備兵共を相手に稽古していたらいきなり現れて見学するとか言うから文句を言ったらまた痛めつけられた。

 片手で腕を掴まれてるだけのはずなのに全く動けなかった。

 それどことか動かすだけで体が悲鳴を上げた。

 その後の試合で全く見た事無い構えなのに、一部の隙の無い構えを披露して見せた。

 隙が見えたと思って攻撃したらほとんど動かず避けられてカウンターを喰らった。

 もうわけがわからない。


「さっさと立ちなさい愚図、まずは立ち方からの稽古です!剣を振るうなんて千年速い!!」


 立ちあがったらバシッと尻を叩かれた。

 ただ立っているだけでビシバシ叩いてくる。

 礼儀の先生でもここまで厳しくしないぞ?!

 体に手を添えてこうですってしっかり教えてくれる!


「立ち方を甘く見ないでください?これは基礎以前の問題ですよ?」


 そう言って間違っているらしいとこをビシバシ叩く。

 確実に体中が真っ赤になってるな。

 もう泣きたい。


「よし良い姿勢になりました。そのままの姿勢で立ち続けなさい。」


 かなりきついんですが・・・?

 このただ立っているだけがなんでこんなに辛いの?

 息するのも辛いよ?


「あ、アイリス嬢?この特訓は礼儀作法ですかな・・・?」

「何を言っているのですか?剣術においての奥義に至る為の特訓ですよ?」


 剣術の奥義?

 何言ってるんだこいつは!!

 ただ立っているだけで奥義なんて覚えれるか!


「奥義・・・というと?」

「奥義とは完成された基礎の事。今はその基礎に至る為の姿勢作りです。」


 よくわからない・・・。

 けど・・・。


「これで強くなるんだろうな・・・?」

「知りません。これを身につけるだけならば、まぁ私の足元程度にはなれますね。」


 足元程度だと・・・?

 いやまて?身につけるだけならば?

 良いだろう!貴様の言う奥義とやら極めてやる!その上でさらに上に立ち、完膚なきまでに叩きのめしてやる!


「腰が曲がった!!やり直し!!!」


 バシンという音が響いた。

 絶対いつか泣かせてやる・・・!!


 けど父上・・・女って怖いのですね・・・。

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