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Bonus stage!

反響があったので。

 漫画研究部で、緊急部会が行われた。

 活動内容は特になく、基本的にどこで活動してても、提出物をちゃんと出しとけばいいよというスタンスなのでそんなに一同会することはあまりない。学年事にはよく集まるようだけども。

 だけれど、今日この度部長浅井先輩……間違えた山椒先輩(漫研にはPNで呼ぶ習慣があるのだ)のお願いにより、緊急召集がかかったのだ。


 漫研には13人が在籍しており、山椒先輩を筆頭に商業紙に掲載された人もいるくらいに優秀な部活だったりする。結構バカにされるけど。


「さて、早速だが召集した理由を話す。一刻も争うことだからな」


 山椒先輩が一枚の小さな紙を出す。どうやら、レシートのようだ。


「読んでみてくれ」


 それはどこかの園芸店のもので、どうやら如雨露とスコップとマリーゴールドとミントを買った誰かさんが落としたもののようだ。

 思えば、今日水やり当番だったので行ってみると、来年の新入生用にととっておいたスペースにマリーゴールドひっそりと植えられていた気がする。

 誰が植えたんだろうかと少しムカついてしまったが、花には罪がないし、花壇のなかで花同士ある程度ブロックしてるので大丈夫であろう。


 しかし、なぜこんなことで?


 疑問に思って先輩たちを見てみると、全員真っ青の顔をして、そのレシートを眺めていた。


「な、なんだと……うそだろ!?」

「あああああああ、私のアジュガちゃんが、アジュガちゃんが!!」

「クリスマスローズー!行かせてくれお願いだ今から植え替えるううううう」

「おれのエンジェルスイヤリングアメジストは、強い子だからっ!強い子だから!!」

「こんなの、いやよ!ヒューケラ植えてやっといいバランスになったのよ!?それを棒にふるき!?」


 三年の五人先輩たちが騒ぎ始める。部長を含めた2年の四人の先輩は今だ口を開かない。僕達一年生四人は何故ここまで錯乱してるのだろうか解らず、困ったように視線を交わらせる。


「いいか、コウメイたちのミヤコワスレや俺のベルオブウォーキングも危機に晒されている。そして、一年。お前たちのシラーシベリカも危機にさらされてるんたぞ」


 俺らの心がひゅっと縮こまるのがわかる。美しく咲き誇る俺達のベリカ嬢が、危機にさらされてるだと?


「ミント植物テロ、お前らは知ってるか?」


 副部長のコウメイ先輩が開いて見せてくれたパソコンには、信じられない光景が写し出されていた。それは、誰かの庭が一面なにかの植物に覆われてしまっているのだ。


 ミント植物テロ……


 そうだ、このレシートにはミントと記載されていた。もし、もし、マリーゴールドだけではなく、他にもあの花壇に植えられていたとしたら。


 そして、このレシートのミントだとしたら。



「ベリカ嬢おおおおおおお!!!」

「落ち着け!コメヤ!!まだ間に合うかもしれない!!」

「ユリズキ!俺、敵に水撒いちまったかもしれない!!」

「なんだと!!」

「あわわわわっ、どうしよう!可愛い可愛いベリカちゃんが!」

「誰だこんなことしたやつ!!私が殴り倒してやる!」



 その日、最終下校が過ぎるまでミントが植えられた形跡や変な種がないか念入りに土を掘り返す漫研たちの姿があった。



「瑠璃姉さん、何をつくってんだ?」

「昨日園芸店に行ったら安くミント売っててね!グレープフルーツを搾ってお姉さん特製のミントソーダ作るのよ、葵衣」

「わーい!俺姉さんの弟で良かったぜ!」

「もうっ!!」


 どこかでこんな会話をしている姉弟のことは、もちろん漫研全員知るよしもなかったのだ。





わざわざ園芸店に問い合わせたら、

タネではないことを教えてもらったオチ


次は小ネタ。

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