アルヴァンティア6
20××年.05月05日.土曜日.03時02分.異界の暗い森
目が覚めた時、僕の目には真っ暗な空間の中に液晶の画面が浮かんでいる光景が飛び込んできた。
なんだろうと思ったけれど、今はアルヴァンティアのコックピットの中で、アルヴァンティアは待機状態だと言う事を思い出した。
完全に寝床と化しているコックピットだけれど、座席のクッションが良いのか、今の所は筋肉痛にはなっていない。
『おはようございます。ハル様』
「…ん?あぁ、おはよーメイ」
『ハル様の体内魔力は八割程回復しています。しかも先日の総マナ量より増加していますね』
どうやら昨日の苦労は無駄ではなかったかみたいで、昨日より二割程マナが増えているらしかった。
魔力に慣れている人は自身の身を守る為に体内のマナが減ると気絶するらしい。
その点、魔力なんて知らない世界から来た僕は気絶できない。
だからその分マナを消費する。
そうすると体内のマナが増えるのも早いらしい。
なんか難しくて半分くらいしか頭に入ってこなかったけれど、忘れたらまたメイに聞こう。
八割ほど回復したらしいので僕はアルヴァンティアを待機状態から起動状態へとシフトさせる。
「いくぞ!アルヴァンティア!」
待機状態、つまり片膝を地面につけた騎士のような状態で待機していたアルヴァンティアの全身が足元から青く染まっていく。
そして各部位の一部が黒く染まり、金属の巨人はゆっくりとその巨体を持ち上げた。
首が持ち上がり正面を向く。
そして緑色の光が瞳に灯る。
『アルヴァンティア。正常に起動しました』
メイのアナウンスのようなものがコックピット内に響き渡るけれど、僕は興奮でそれどころではなかった。
「か、かっこいい………」
誰かがみたら、僕の目がキラキラしすぎている事に引いたかもしれない。
要するに僕もまだガキンチョなのだ。
僕は取り敢えず、朝になったらこの暗い森の中を調べてみる事にした。
今はまだ夜中なので外は暗い。
アルヴァンティアは暗視もできるけれど、夜はオオカミも黒いから見えづらいだろうし結構危険だと思ったから朝にする事にしたのだ。
僕はチュッパチャプスの切り干し大根味を口の中で転がしながらぼーっとする事で朝までの時間を潰した。
でも、ずっとぼーっとしていたわけではない。
切り干し大根味を舐め終わってからはアルヴァンティアの機能を把握しようと色々とコックピットを弄っていた。
その結果、空中に投影できる透明なスクリーンがあると分かった。
ブォン…
目の前の視界を邪魔しない程度の場所に表示されたスクリーンには、まん丸のダーツの的のようなものが表示されていた。
真ん中の中心の丸は青くて、周囲にちらほらと赤い点が映っていた。
「メイ。これはレーダー?」
『その認識で間違ってはいません。他にも熱源探知があります』
どうやらこのレーダーは魔力を持つ生命に反応するタイプのようで、反応している赤い点は黒いオオカミらしい。
オオカミは時折、レーダーを横切るが、アルヴァンティアには近寄ろうとしていない。
むしろあえて避けているように見える。
「なんで近寄ってこないの?」
桐矢 礼奈さんやチヒロさんの記憶ではオオカミは積極的に襲いかかってきていた。
なのに今はここまで静かなのが僕には逆に何かがあると感じさせる。
『荒野での戦闘を見ていた個体がいたのでしょう。それにより単騎では敵わないと判断した模様』
「なら襲ってこない間にやる事やって逃げちゃう?」
『どうやらそう簡単にはいかないようです』
メイの言葉を皮切りに、レーダーに映る赤い点が増えはじめた。
「…う…」
『敵は戦力を集中することでアルヴァンティアを破壊する腹づもりでしょう』
「…な、なら戦わなくちゃだよね」
僕はレーダーに現れ始めたオオカミを数えた。
「…12体…やれると思う?」
『アルヴァンティアの戦闘能力では問題ありませんが、現在のハル様の操縦技術であると五分五分と言った所でしょう』
だったら…
『どちらにせよ戦闘はまぬがれませんが』
やるしかないよね。
僕の操縦技術はダメダメだけれど、アルヴァンティアは凄い機体なのだ。
だったら今だけはその力に頼ろう。
アルヴァンティアは腰を落としてファイティングポーズを取った。
この狭い空間では刀を振り回すのも一苦労だし、ビーム兵器を撃ったら森が燃えちゃうかもしれない。
だったらまともに戦えるのは肉弾戦だけ。
つまり殴って蹴って戦う。
下手に武器を使って戦うよりかはいくらかましだと思った。
次々に飛びかかってくるオオカミに大して、僕は防御を機体の装甲に頼り、踏み出した。
「はっ!!」
一体目のオオカミに向かって右の拳を突き出す。
昔テレビでやっていたボクシングでボクサーが使っていた技だ。
見よう見まねだけど、今は何もかも見よう見まねで切り抜けるしかなかった。
その右拳は囮。
避けたオオカミに向かって繰り出されるのは本命の左拳。
ズガァァァァン!!!!
完全にオオカミの胴体に減り込んだ拳は、メキメキと音を立てながらオオカミの装甲を砕いた。
「…凄い威力だ…」
『損傷率[001%]。左腕に軽微のダメージ。全体の起動には問題無し。自動回復で修復可能』
メイが淡々と読み上げる状況確認は僕にとってはありがたかった。
戦っている間は周囲のマナもアルヴァンティアの起動に回すらしく、周囲のマナを吸収するタイプも、同質の金属を吸収するタイプの自動回復もできないけれど、この程度の傷ならば問題ない。
僕はレーダーに映る赤い点を確認しながら戦場を睨んだ。
敵の数は十一体。
増えてはいないけれど、このままだと仲間を呼ばれてしまうかもしれない。
僕は拳に握る力を込めて、最大速度で突進した。
機体の損傷を省みない突進。
目の前にいた二体のオオカミは一際大きな樹木とアルヴァンティアに挟まれて装甲の内部を滅茶苦茶に破壊された。
『損傷率[007%]。全身の擬似筋肉が破損。細かな操縦に難あり。』
まだ損傷は一桁だ。
少し無茶が過ぎたかもしれないけれど問題ない。
今はアルヴァンティアの機体性能を信じようと思う。
「残りは後9体!」
まだ随分と多い。
流石に纏まるのはまずいと思ったのか、オオカミたちは木々の合間を縫って散開し始めた。
複雑な動きはレーダーには映っていても僕の目には見えないものもある。
要するに僕にはお手上げだと言う事だ。
『現在、核の最大出力[050%]。この出力の場合、九体を同時に殲滅する事は不可能。次の攻撃の衝撃に備えるべきです』
聞きたい事は山ほどあったけれど、僕はまず片膝をついて両腕を前でクロスさせた。
そして迫り来るオオカミの突進を正面から受け止めた。
だけれど、数の暴力は強かった。
背後から、横から、足元から、全長が3mに満たないオオカミ達はすばしっこい動きで翻弄する。
損傷率は[023%]まで上がり、画面に表示されているアルヴァンティアの全身の装甲には少なからずダメージが入っている事を知らせていた。
メイの報告では全身の装甲にダメージが入り、内部にはまだ影響はないけれどいずれ中にもダメージを負うかもしれないとの事だった。
「うう…どうすればいいんだろう…」
不意打ちからの肉弾戦と力押しはもう使っても回避されるだろう。
それに僕の中のマナが持ちそうにない。
そこでメイが一か八かの提案をした。
『水源はあるのです。シュミレーションの結果、樹木内の水分量などを鑑みるとビーム兵器を使用した場合の被害はそこまで大きくないと推測します。よって水源の水の使用で森林火災は防げると判断』
木の中の水が多いからあまり燃えないという。
もしこの森が全部焼けちゃったら僕がこの森に来た意味がなくなってしまう。
でも現状を打開するにはそれしかないのかもしれない。
僕は覚悟を決めて、ビーム兵器の選択にはいった。
そして僕は小回りの効く連射型ビーム兵器。
【蒼華銃】を選択した。
一発の威力は劣ると言ってもビーム兵器なのだ。
オオカミを倒す威力は余裕でクリアしているらしい。
手元の空間が揺らいで、真っ白なグリップと砲身が現れる。
僕は操縦桿に握りしめ、そのグリップを握りしめた。
そして周囲に散開しているオオカミにターゲットを絞る。
アルヴァンティアは銃を握りしめた片手を突き出し、身体を半身にした。
普通の人間だと反動で肩が外れたり衝撃を殺しきれずに砲身が跳ね上がってしまうのだが、そこはアルヴァンティア。
普通の人間に出来ない事もできるみたいだ。
それはまるで、画面越しにプレイするゲームのシューティングゲームのようで、僕から一気にこれが現実の戦闘であるという感覚を奪い去っていった。
オオカミを追いかける十字のマークとオオカミの黒光りする体躯が重なった時、僕は引き金を引いた。
カチッ…
ーーーーーーーッ!!!!
アクアブルーに輝く一条の光が暗い森を駆け抜け、オオカミの正面から脊髄を融解させ突き抜けた。
すぐさま次に十字の重なったオオカミに向かって引き金を引き、さらに次に狙いを定める。
カチッ…カチッ…カチッ…
ーーーッ!!ーーーッ!!ーーーッ!!!!
握りしめた操縦桿についている引き金を引く動きと連動するようにアルヴァンティアの手も引き金を引く。
砲身から空間を突き抜ける様にして迸るレーザーの発射音はざわめいていた森の中に不気味なほどに響き渡った。
九分の六。
僕にとっては奇跡に近い命中率だったけれど、シューティングゲームと似た感覚で撃っていたのは少しおかしい気がした。
それにしても思った以上に威力が強い…
地面すれすれに撃った弾は土や木や根を抉りながら威力を減らす事なくオオカミに喰らいついたのだから。
『残弾は[291/300]です。レーザー兵器には個別に[電池]がついているので、駆操者の保持するマナは無関係です』
『ガガガガァァァァァ!!!!』
メイの言葉を遮る様にオオカミの咆哮が響き渡る。
残る三体のオオカミは多数の仲間がやられたにも関わらず、滅茶苦茶に突っ込んできた。
高速で突っ込んでくる三体のオオカミの赤い瞳が線を引く。
さっきみたいに複雑な機動で多方向から迫ってくる攻撃は対処に困ったけれど、ここまで一直線な攻撃を前にした僕は思ったよりも冷静だった。
カチッ…カチッ…カチッ…
ーーーーーーッ!!!!
ーーーーーーッ!!!!
ーーーーーーッ!!!!
砲身にアクアブルーの光が集まり、
引き金を引く音と同時に光速の光線が突き抜けた。
直線で突っ込んできたオオカミはそのレーザーを正面から受け止め、その身体をアクアブルーの光が突き抜けた。
『ギ……ギギ……ッ』
バゴオォォォォォォォォン!!!
三体のオオカミは、地面に落ちて僅かに震えた後、内部から溢れ出す熱量によって外部装甲を弾け飛ばせながら爆発した。
『損傷率は[025%]、残弾は[288/300]です。対象の殲滅を確認。自動回復に入ります』
集中の解けた僕は波の様に押し寄せる疲労に押しつぶされるのをなんとか堪えながら枯葉に燃え移りそうになっている火を水源の水をかけることで消火した。
オオカミは生身の身体で相手するには強すぎるから生身での森の捜索は出来ない。
それに今、足場の悪い森の中を歩いたら身体がもたないと思う。
20××年.05月05日.土曜日.06時15分.異界の暗い森
暫く休息をとり、辺りがうっすらと明るみを増してきた。
辺りは肉眼でもある程度見通せる位になり、
前々から思っていた制服を洗うという作業を実行しようかな、と思う。
風呂を欠かした事のない僕にとって身体を洗えない事と制服を洗えない事は正直辛かった。
でも、アルヴァンティア持ち物の中に着替えの服があるかどうか、それは制服を洗って乾かす間の僕が裸でいるかどうかの一大事だった。
「メイ、制服を洗いたいんだけど、着替えの服ってある?」
『駆操者専用のリアクタースーツがあります。どうしますか?』
「じゃあそれにしようかな」
そう言ってアルヴァンティアの右脚部の側面のハッチに収納されていたのは青と黒のデザインのぴっちりとした服。
僕の小柄な身体がバッチリと分かってしまう恥ずかしいスーツだった。
「…これを…着るの?」
『リアクタースーツの利点は体温調整、核へ送る駆操者のマナ変換率の効率化などです」
「てことは、アルヴァンティアを長く動かせるってこと?」
『その認識で間違ってはいません』
少しでも長く動かせる様になるのなら、むしろ制服じゃなくてそのリアクタースーツのまま生活するのも悪くないかもしれない。
体温調整もしてくれるなら風邪もひかなさそうだし。
「じゃあ、下に降りて水浴びと洗濯するからちょっと周りの警戒してて」
『了解しました』
ゴシゴシゴシ…
洗剤なんて便利なものはないから着ていくうちに汚れていくのは仕方ないと思うけれど、向こうに帰ってからの為にこれからはリアクタースーツとやらを着ることにしよう。
制服を洗ってアルヴァンティアの足の上に乗っけて乾かしておく。
後は僕の身体についた汚れとか乾いた汗とかを水で落とす。
頭も念入りにゴシゴシして汚れをとっていき、大事な所も洗う。
タオルはないけれどぬるい風が森の中を吹き抜けているから身体は直ぐに乾く。
僕は開いていた右脚部の側面のハッチから上下の繋がったよくわからない素材でできたリアクタースーツを取り出す。
全体的に青と黒のカラーの施されているリアクタースーツは少し恥ずかしいけれど、みる人なんていない言葉を思い出してパパッと着替えた。
靴まで繋がっていたので脱ぐ時は面倒だと思いつつも、着心地はとてもよかった。
これは慣れたら着ている事を忘れそうなので操作に集中できるかもしれない。
僕はアルヴァンティアの足に干してあった制服を右脚部の側面のハッチの中入れておく。
メイ曰くハッチの奥には揺らぎと直接リンクしているので足の中に全部のアイテムが収納されているわけではない。
まぁ、よく分からないけれど、放り込んでも大丈夫らしい。
僕はコックピットまでよじ登り、腰をおろした。
自分の中の何かがゆーっくりと抜けていくのを感じる。
多分これが僕の中のマナっていうものが魔力に変換されて核に流れていっているんだろう。
首の後ろにぴたっと何かが張り付いたのが分かる。
すこしくすぐったいけれど、直ぐにその違和感はなくなった。
僕の脊椎に張り付たアルヴァンティアを動かす為の装置、
感覚同化装置が正常に稼働しているか確かめるために僕はアルヴァンティアの手を握ったり開いたりしようと手に信号をおくる。
すると僕の手は動かなくて、アルヴァンティアの手が動いた。
動きは制服を着ていた時よりいくらか滑らかになっているような気がした。
服という無意識の違和感がない事により、自然と集中できているんだろう。
核の駆動音が真下から響き渡る。
僕はアルヴァンティアの巨躯をゆっくりと起き上がらせ、この森に入った本来の目的、揺らぎに関する情報を集めようと動き始めた。
森の中は静かで、レーダーに時折映る赤い点、オオカミは僕を避けるようにして逃げていく。
数がそろったらまた襲ってきそうだけれど、今はそんな様子はなかった。
「アルヴァンティアって一機しかいないの?」
『現在確認されているのはハル様の機体、蒼のアルヴァンティアのみです』
「そ、そっか…」
何事も一緒にやる人がいないというのはつまらない。
僕はいつもだったらそこら辺はあまり気にしないのだけれど、知らない世界に飛ばされてまで一人でいるのはなんとなくつまらなかった。
メイという話し相手がいなければとっくに何処かに人を探しに出ていただろう。
「トモとか希咲先輩とか美波さんが来てくれたらなぁ…」
なんとなく話し相手が欲しい気分だった。
その呟きに、どんな感情が込められていると思ったのか。
メイは言葉をかけることはなかった。
暫く進んでいると、暗い森の中には何もない事がわかった。
ただ森が広がっているだけで、メイの報告で空間にマナの量が多いという事しか分からなかった。
どうやらこの森はマナの濃度がかなり高いらしく、メイが言うには揺らぎを発生させやすいらしい。
よく分からないけれど、この森に巣食うオオカミを倒しておけば次から迷い込む人は記憶の様に桐矢 礼奈さんやチヒロさんが殺される事はないんじゃないか。
そう考えた僕は、多少減った体内のマナの回復を待ち、万全の状態でオオカミに挑む事に決めた。
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ハルが暗い森と仮称している森から徒歩で数時間歩いた所には、一つの国があった。
それはかつては大国と呼べる規模であったが、現在は街の至るところで統一された外装の巨大なロボットが隊列を組んで歩き回り、
戦時中なのか、常にピリピリとした雰囲気が漂っていた。
そんな街の中心にある大きなしろの一室。
「前回の少数精鋭での護衛の場合、襲われた時の被害は図り兼ねます。…どうか姫の安全の為にも護衛は【リンドヴルム】を付けるべきだと愚考します…」
たっぷりと白い髭を蓄えた老人は杖をつきながら心配そうに姫と呼ばれた女に言った。
その老人の表情からは嘘は見えず、本当に心配しているのが分かる。
それが分かっているから余計にタチが悪いと言わんばかりに女は言いづらそうに話す。
「ですが、リンドヴルムでは大きすぎて直ぐにて黒き敵対者と戦闘する事になってしまいます」
だが事実、13m近い巨躯は直ぐに黒き敵対者に見つかってしまい、まともな捜索が出来ないのだ。
元から戦闘を前提とした場合は問題ないのだが、捜索を主とする女に、多少の危険はつきまとったとしても、リンドヴルムは不要であった。
「…そうですか…」
「姫様、お時間です…」
会話が途切れたのを見計らったように女の背後に控えていたメイド服の女性は言葉を挟んだ。
「もうそんな時間でしたか…すみません。私はまだ無茶をやめる事はできません」
決意を秘めた女の表情に老人は諦めたのか深くため息をついた。
そして女の目を見据える。
「くれぐれも死ぬような事はあってはいけませんぞ」
老人の言葉はこれ以上の犠牲に耐え切れないといった風であり、その老人の過去の壮絶さを伺わせた。
「ですが国を守る為には、異界の方の力を借りなくてはならない…」
既に巻き込んでいる異世界の人間の事を思ったのか、苦虫を噛み潰したような表情で女はいった。
その声色は心底悔しそうであった。
「姫様……」
メイド服の女性の悲しげな声は女には聞こえなかった。
この国の名は【バリアテレスト】。
大陸でも五本の指にはいる大国であるが、
数年前に突如として現れた黒き敵対者と呼ばれる金属生命体により、
大陸の国々同様、その国力を大きく落としていた。
数年前に王国に正式配備されたリンドヴルムという機体はバリアテレスト王国の正式採用機である人型の戦闘兵器、巨人魔導騎士であり、黒き敵対者との戦闘の中枢を担っている。
姫様と呼ばれた女の名はリリア・ウェラム・バリアテレスト
金糸の如き髪に可憐な容貌、
巷では傾国の美姫と謳われる女である。
バリアテレスト王国の第一王女であり、
大陸唯一の【召喚魔法】の使い手であった。
白髪の老人は相談役のボトノス・ジャンヌダイト。
メイド服の女性はリリア王女の侍女拳護衛である、マリアンヌと言った。
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評価感想お待ちしております。




