アルヴァンティア5
「…貴方は誰?…」
『私は、【駆操者】を補助する為の人工知能です』
リアクターってのは僕の事なんだろう。
それを手助けするのが人工知能なのだろうか。
でも、話し相手がいると知って僕の中の心細さは薄れていった。
ポケットから新しいチュッパチャプスを取り出して口に咥える。
味は味噌カツ味で、いい匂いのそれを舐めているうちにお腹がなった。
既に謎の人工知能に対する疑問など、どこへやら。
僕の頭の中は既に、ご飯の事でいっぱいだった。
「お腹減ったなー」
『ここから南に10kmの地点に捕食できる草食生命体の反応が確認できます』
「…お…お肉っ!!!」
僕の取り敢えずの目標は、南に10km進んだ所にいるというお肉を捕まえる事になった。
20××年.05月03日.木曜日.16時50分.異界のサバンナ
僕のポケットに入っていたアイプォンの時刻は16時50分、大体5時を刺していた。
まだ空は暗くないから辺りはよく見える。
けれど、夜になっても一応周りが見える便利な機能があるらしいので、元の性格もあってかあまり心配はしていない。
僕はこのアルヴァンティアの事が気に入った。
後はこの世界に猫とイチゴがあれば文句無いのだけれど、出来ればトモや希咲先輩、それに美波さんとか家族も連れてきたかった。
でも、連れてこれたとしてもこの世界に適合出来なければヒカリのようにゾンビになってしまうのだ。
そう思うと僕の勝手で連れてくる訳にはいかない。
なら僕はもう帰れないのか。
それは無いと思う。
あの揺らぎを通れば帰れるかもしれないのだ。
ヒカリのゾンビもチヒロさんのゾンビも、他のゾンビもあの揺らぎを通って僕のいた世界に返されたのだろう。
なら僕だって帰れないとは言えない筈。
この世界に満足したら帰ってチュッパチャプスを買いまくらなきゃいけないな。
ハルがここまで余裕を持ってこの世界を楽しもうと思えているのには理由があった。
もうお分かりの方も居るかもしれないが、
一つは元の世界に帰れる可能性があるという事。
もう一つは、ハル本来の自由で気まぐれな性格のせいだろう。
僕は青をベースに所々が黒く塗装されたアルヴァンティアを歩行させながら草食動物が居るらしい場所に向かって歩いていた。
操縦は僕の身体を動かすのと大して変わらない。
操縦桿の役目は人工知能さん曰く、
重火器や軽火器の使用だったりその他いろいろな物の制御に使うんだそうだ。
僕は味噌カツ味のチュッパチャプスを舐めながらコックピットの中でくつろいでいた。
外に出てアルヴァンティアの全身をアイプォンで写真に収めたい所だけど、そろそろ電池が半分をきってきたのでポケットからなるべく出さないようにした。
時間はアルヴァンティアの時間をアイプォンの時計に合わせてあるのでいちいちアイプォンを見なくても済むようになり、便利だ。
しばらく歩いていると、サバンナのように疎らに草が生えていた地面が次第に青々とした草が広がる草原に変わってきているのが分かった。
本当にゆっくりとだけれど、緑の草が混ざり始めたのだ。
(今度は草原かな?)
なら、この草を食べていた草食動物をアルヴァンティアは見つけたんだろう。
僕はアルヴァンティアを動かしながら辺りに生き物がいないかを探し始めた。
すこし歩きながら周囲に気を配っていると、500mくらい先で何かが動いたような気がした。
その場所を見ると、草を食べるのに夢中になって僕の事にまだ気がついていない様子の生き物がいた。
鹿のようなその生き物の毛皮の色は深い緑色で、辺りの草に上手い具合に隠れている。
アルヴァンティアの高感度の画面越しでなければ僕は気がつかなかったかもしれない。
僕はアルヴァンティアの兵装を調べていく。
「何かいいものがあればいいんだけど…」
だけど、中々見つからない。
見つかったものといえば近接戦闘用の刀が二つと中距離と遠距離用の銃のようなものが二丁。
【裂蒼壱型】
切れ味を追求した刀。特殊能力等は未装。
【凍氷壱型】
特殊能力は氷。斬った対象を僅かに凍らせる。
【蒼裂砲】
威力を追求した重量級のビーム兵器。
連射は不可能。
【蒼華銃】
連射性能に優れているビーム兵器だが、
一発の威力は劣る。
この中でいえば【裂蒼壱型】が1番いいのかもしれない。形も刀だし、肉ごと押しつぶしてしまう事は無いと思う。
僕は【裂蒼壱型】を選択する。
すると足元の地面が揺らぎ、波紋が広がる。
足元からは一本の刀がするりと現れ、僕の重ねた両手に柄がはまった。
突き立てた刀に両手をのせるその姿はとてもカッコ良くて、僕はあやうくチュッパチャプスを落としかけた。
僕はその刀を持って全速力で駆け抜ける。
そして深緑の鹿に向かって下から掬うように刀を振るう。
「はぁぁぁあ!!!」
ズシャァァァ!!!
真っ二つ裂かれた鹿は自身の身に起こった事を認識する前に息絶えた。
僕は血を見たら吐くかもしれないと思っていたけれど、画面越しにみている感覚の強いコックピットの中だからなのか、不思議と吐き気は襲ってこなかった。
僕は気がついた。
液晶の画面に【精神抑制装置】作動中の表示点滅している事に。
(…これがあるから僕は吐かないのかな…)
コックピットから下りて、外の空気を目一杯吸い込む。
でも、その空気の中には僅かな血の匂いが混ざっていて、案の定。
「すーっ…はぁー…すーっ…うっ……うぇ"ぇ"〜」
吐いたのだった。
僕はコックピットの中に戻り、アルヴァンティアの指で血抜きをする為に胴体が別れた鹿の頭と脚を摘まんだ。
その後は数十分、異界の草原には体育座りをして両手を前に持ち上げるという謎の格好をした青い機体が鎮座していた。
20××年.05月03日.木曜日.17時20分.異界の草原
空高く見えていた太陽が斜めに落ちてきた。
そろそろ鹿の血も抜けてきた頃だろうと思った僕は、そこでまた悩む事となる。
一日で何回も悩むのは僕がバカなのだろう。
悩んでいてもわからないので僕は人工知能さんに聞いた。
「…燃やせば良いと思う?」
『まずは皮を剥ぐのではないのですか?』
「そうなの…?」
どうやら人工知能さんも機械以外の事は苦手なようだったみたいだけど、僕よりかは知識があるみたいだった。
そして、僕はアルヴァンティアの便利機能をこの身をもって実感する事となる。
まず一つ目は、
『アルヴァンティア右脚部の側面にあるハッチを開けると中にサバイバルでの必要最低限の道具が入っております』
「…凄いね…」
『駆操者の生命活動を守る事も人工知能、Meiの役目です』
「…名前メイって言うの?」
『はい』
そんな会話もあり、アルヴァンティアは様々な状況、例えば機体ごと何処かで遭難した場合にサバイバル生活を送れる様にナイフやその他のアイテムが収納されているらしい。
そして、さりげなく人工知能さんの本名がメイだという事が分かった。
そして今はアルヴァンティアの右脚部の側面のハッチから取りだした刃渡り15cm程のナイフを手に取って、アルヴァンティアの指に摘ままれている状態の鹿の下半身の毛皮を剥ぐ作業にとりかかった。
流石にもうグロい光景には慣れてきたので吐く事はなかったけれど、毛皮を剥ぐ作業は案外手間取った。
剥ぎ終えた毛皮は使わなそうだったので、焚き火の火種として使ってしまおう。
このまま持っていても、なめし方の分からない僕ではこの毛皮をダメにしてしまうと思う。
ならば燃やしちゃおう。
メイも毛皮のなめし方は知らなかったので、毛皮の運命はそこで決まった。
お肉を適当な大きさに切り分けてアルヴァンティアの右脚部の側面のハッチから取りだした金属製のお皿に乗っけていく。
後は火を焚いて、このお肉を焼く。
そして僕はお腹いっぱい食べる。
そうしたら後はアルヴァンティアに警戒網というシステムを作動させてもらい、僕はコックピットの中でぐっすりと眠る。
そうと決まれば後は早かった。
皿と一緒に取りだしたターボライターの様なもので乾いた毛皮に火をつける。
そこに異界のサバンナで毟り取ってきた草をおいて火種を大きくする。
後は鉄の串に肉を刺して地面に設置して、焼けるのを待つだけだった。
因みに鉄の串もアルヴァンティアの右脚部の側面のハッチにあった。
ジュゥゥゥ……
ぐぅぅぅ……
お肉の焼けるいい匂いが辺りに充満し始め、僕のお腹は否応無く反応した。
結構恥ずかしかったけれど、よく考えてみれば僕の周りにはアルヴァンティアと人工知能のメイしかいない。
恥ずかしがるのがバカらしくなった僕は、最大にお腹を鳴らしながら焼きたてのお肉にかぶりついた。
流石に食べきれなかった鹿の上半身は、惜しかったけれど土に埋める事にした。
燻製の作り方も現代っ子の僕にはわからないし、変に持ち歩いて腐られても困るからだ。
アルヴァンティアの指で地面を抉るだけで完済した簡素なお墓にゆっくりと鹿の上半身を寝かせ、そして土を被せて手を合わせた。
意味はないかもしれないけれど、命を奪ったという事は忘れちゃいけないんじゃないかと思ったからだ。
そしてその日は思った以上に疲れが溜まっていたのか、想像以上にぐっすりと眠った。
20××年.05月04日.金曜日.08時00分.異界の草原
目を覚ますと、僕は何か椅子の様なものに座っていた。
周りを見渡すと360°の風景がみえて、僕は椅子に座ったまま空に浮いて…
(…あ、コックピットの中だっけ…)
空に浮いている訳がなかった。
僕は朝一番にポケットから取りだしたチュッパチャプスの黒烏龍茶味を咥えた。
黒烏龍茶は健康に良さそうだからなんとなく買ってみたのだ。
口の中でそれをコロコロと転がしながら、僕は今日何をするかを考えていた。
(取り敢えず、赤い荒野にいた時にみた黒い森に行けば何か分かるかもしれないよね…)
でも、そこに行ったらほぼ100%、あの黒い機械の狼と戦う事になるだろう。
面倒なので避けたいけれど、あの森に何かがあるのも事実なのだ。
僕が悩んでいるとそれを感じたのか、機械的な女性の音声、メイの声がした。
『駆操者、鷹梅春哉。大丈夫ですか?』
メイが始めて僕の名前を呼んでくれたのだけれど、僕には考えに夢中でその事に気がつかなかった。
「ん…森の中に行こうと思うんだよね…」
『北は現在地から150km先に森を確認。
東も現在地から160km先に森を確認。現在、駆操者、鷹梅春哉。の発言に該当する場所はこの二箇所と思われます。尚、この二箇所は一部が接触している為一カ所とも定義できます』
要するに北と東に広がる大きな森の中に桐矢 礼奈さんやチヒロさんは放りだされたのだろう。
僕は何でもできるヒーローじゃない。
だからなのか、それに対する怒りはあまり感じないけれど、揺らぎの先に人を連れていく行為、それが人間のやった事ならば、犠牲者の人達の為にもその人に会った時は理由だけでも聞こうとおもった。
「取り敢えず、少し近いから北の暗い森に行こうかな」
『了解しました』
アルヴァンティアは僕の感覚に合わせる様にゆっくりとその歩みを早めていった。
数時間の歩行を経て、僕は森が目と鼻の先に見える位置にまでやってきた。
『森までの距離は8km。探知できる範囲の生命体の反応は皆無』
「え?…ないの…?』
『機械のオオカミは金属生命体の可能性が高い為、熱源探知に切り替えます。探知範囲内の反応は110。全て金属生命体と思われます』
という事は、メイが探知できる場所だけでも100体を超えるあのオオカミがいるって事なのかな…
しかもさっきとは違って暗い森の中じゃ満足に動けないと思うし。
でも、悩んでいても始まらない。
僕は覚悟を決めて暗い森の中に足を踏み入れた。
森の中は、2人の記憶と同じ様に薄暗い街灯に照らされた程度の薄暗さが広がっていた。
僕はアルヴァンティアを駆りながらゆっくりと進んでいく。
僕の足元にある核が一定の音を吐き出す。
機体を支える脚部のパーツが、踏み込みと同時に全身の体重を支えて、足が地面にめり込む音がする。
僕はその中で、次第に目の前がボヤけていく感覚を覚えた。
「…う…ぁ………何…これ……」
気がつけば僕の身体は玉の汗が滲み出てびしょびしょになっていた。
まともに考える事ができない。
もやーっと霧がかかった様な頭でなんでこうなったのか必死に考える。
余裕はないけれど、なんとかアルヴァンティアの膝を降ろして待機状態にさせた。
『…駆…者、鷹……哉…魔力…原…力と………』
「…まりょく…げん…どう…りょく?…僕の…?…」
僕の耳に届いてきた言葉は薄れる意識のフィルターを通して断片的にしか聞こえず、
それを繰り返したと思う僕の言葉も、意味を理解していない赤ちゃんが言葉を真似る程度の事しかできなかった。
そしてそのまま、僕は危険を伴う暗い森に入った所で意識を落とした。
20××年.05月04日.金曜日.12時12分.異界の暗い森
再び目を覚ました時、僕は酷い喉の渇きを強く感じた。
もやーっと霧がかかった様な頭でなんでこうなったのか必死になって考えていた。
『駆操者、鷹梅春哉の生命活動の低下を確認。脱水症状と魔力欠乏症を併発している可能性あり』
「…うぅ……」
僕が脱水症状と魔力欠乏なんとかと言う症状を合わせて発症している事が分かっても、
僕には何もできない。
『早期の水分補給を警告します』
「むり…動けない…」
メイは僕に水を飲めと言うけど、僕は水なんて持ってないし、アルヴァンティアの中にも水はない。
あったとしても身体が重くて動けないのだ。
『【自動操縦】に切り替えますか?』
「…お願い…」
『駆操者、鷹梅春哉からアルヴァンティアの操作権利の一時譲渡許可を確認。これより【AI操作限界】5:00以内に水源の確保を優先します』
取り敢えず僕がずっと動かしているのは危ないらしい。
五分だけらしいけれど、メイの操縦に任せる事にした。
アルヴァンティアがぎこちない動きで森の奥に入っていく様子がコックピットから見える。
周囲の木を薙ぎ倒し、時折飛び出してくる黒いオオカミはぎこちない動きで追い払う。
今はまとまって襲ってこないから大丈夫だけど、この先どうなるか分からないので危険だった。
『ここから北に1kmの地点に水源を発見。水質は不明。確認次第、採取します』
どうやら水場が見つかったみたいだ。
僕は安心したのか、身体の力がどっと抜けたような気がした。
不意に、コックピットから見渡す森の風景の中に青い水源が現れる。
岩の隙間からチロチロと流れ出しているその青は、その先にある窪みに溜まっていた。
『水質を確認。毒物の反応は無し。飲む事は可能です』
そこでアルヴァンティアは膝をついて停止し、メイが言った。
『到着しました。AI操作限界により数分間の活動を停止します。お気をつけて』
そう言い残したメイはそれっきり話さなくなり、僕は亀の数倍は遅い動作でコックピットのハッチを開くボタンを押す。
症状はそこまで悪化していないけれど、それでも身体が重くて頭がフラフラする。
身体の重さは特にひどくて、濡れた制服が余計に重く感じられた。
僕はいざという時は鹿を食べた後に腰に装備したナイフを使おうと決心して、進もうとしない足を前に出した。
開いたハッチから這い出すと、久しぶりの外気が僕の濡れた制服に当たってひやりとする。
機能を停止させ、待機状態になったアルヴァンティアは色を失い、メタリックな銀色の装甲を剥き出しにしていた。
僕は腐りかけのゾンビのように這って水場に近寄っていく。
そしてやっと水場に辿り着いた時、僕はもう死んだかとおもった。
けれど、焦らずにゆっくりと水を手に取って、口に流し込んでいく。
久しぶりの水は枯れた喉には少し痛かったけど、重い脱水症状じゃなかったからなのか、それほど時間が経たないうちに身体が落ち着いてきた。
次第に口に含む水の量は増えていき、気がつけば結構元気になっていた。
(…普通だったらこんなに元気にはならない気がするんだけどな…)
まぁ、今は元気になれた事だしあまり深くは考えないようにする。
辛うじて立てるようになった僕はゆっくりとコックピットに戻り、しばらくはコックピットで休む事にした。
メイが言うには起動させっぱなしだと気を失うらしく、アルヴァンティアは起動させていない。
なので外の景色は見えないけれど、前に設置された液晶の画面だけは光っていた。
『お帰りなさい駆操者、鷹梅春哉』
「あ、言いづらそうだからハルでいいよ?」
『分かりました。ハル様』
「ゔ…まぁいっか。あのさ、なんで僕はこんなに早く元気になったの?」
『それはこの水源を詳しく調べてみた所、マナを豊富に含んだ水である事が判明。そしてこの森も全体的にマナの濃度が高い事が判明しました』
「まな…ってのが僕の回復とどう繋がるの…?」
『アルヴァンティアは起動中は少なからず駆操者の持つマナを消費します。それは激しい戦闘になれば消費量も増えます。つまり、今回のハル様の症状は脱水症状の他に、慣れない操作による無駄な魔力の消費による魔力欠乏症を併発したのです』
それは僕の中にあるマナ?ってやつを使ってアルヴァンティアが動いているって言う事だから、僕の中のマナが切れたらアルヴァンティアは動かなくなる。
と言う事は…
「つまり、僕がアルヴァンティアの燃料?」
『全てとは言いませんがその認識で間違ってはいません』
だったら僕は戦わなくちゃいけない時になったらすぐに動けなくなっちゃうんじゃないかな。
「それって増えるの?」
『訓練、つまり機体の稼働時間に比例して増加します』
「じゃあ!動かし続けてれば長く動かせるんだね!」
だとしたら動かし続けるだけだね。
でも、今回みたいな辛いのはちょっと嫌だな。
死ぬかとおもったし。
『使い切ってしまうと今回のように魔力欠乏症の苦痛を味わう事になりますが…』
あ、成る程。
使い切らなければいいのか!
今更な気がするけど、マナって言うのは僕の中にあるものらしい。
アルヴァンティアを動かすにはそれを魔力に変換して核に流し込まなければいけない。
まぁ、変化してコアに〜って所はメイがやってくれているらしいから気にしないでもいいらしい。
成る程って思ったけど、魔力ってなんなんだろう。
そう思ったけれど、僕の意思で魔力を外に出す。つまり魔法は使えないみたいなのでどうでも良くなった。
つまり、僕の中のマナってやつを増やせばアルヴァンティアをいっぱい動かせる。
そして動かせば動かすほどに僕のマナは増えていく。もちろん限界もあるらしいけど。
そんなわけで僕はさっき飲んだ水をアルヴァンティアの右脚部の側面のハッチにあった水筒に詰め込んだ。
これを飲めばある程度のマナが回復するらしいから、回復薬のようなものだろうと思う。
そうして、メイに教えてもらった一番手っ取り早いマナの回復方法を実践した。
それは睡眠で、僕は疲れも手伝って数秒で夢の世界に旅立った。
評価感想お待ちしております。




