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夏の嵐  作者: 蝉川夏哉
第二章 ビターテイスト・メルティシュガー
7/15

06 チャイナとタケノコと麻婆豆腐

「いらっしゃいませー!」


挿絵(By みてみん)


 紅茶色の髪が、ふわりと舞う。

 チャイナドレスに身を包んだ店員は、どこからどう見ても伊勢崎だった。


「あっ、渡瀬さん! やっぱり来てくれたんですね!」

「……あー、えっと、伊勢崎。お前なんでそんなカッコ……」


 ぴったりとしたチャイナドレスからすらりと伸びた脚。存在感のある胸。最初にあった時には気付かなかったが、抜群といっていいスタイルだ。


「似合ってます? 借りたついでにちょっとお手伝いしてるんです!」


 そう言って伊勢崎は蒸籠の載ったお盆を持ったままくるりと回って見せた。

 似合っているか似合っていないかと聞かれれば、間違いなく似合っている。

 ファッションにあまり興味はないが、なかなかのものだ。身長があるからか、着こなしの難しそうなドレスが随分と様になっている。スリットからのぞく脚は艶かしいというよりも健康的だ。似合い過ぎて少し目のやり場に困ってしまう。


 目を逸らそうと店内を見回すと、奥の円卓ではぐれ悪魔のルクレツィアが大ぶりの肉まんを美味そうに頬張っているところだった。その隣では久藤が椅子にだらしなく腰掛けて良い具合に出来上がっている。飲んでいるのは青島ビールだろうか。

 他の客から注文の入った伊勢崎を置いて、そっちの円卓へ向かう。


「いやぁ、ワタセさん。来てくれたんだねぇ。良かった、良かった」


 相変わらず飄々とした雰囲気で久藤が空になったグラスを振った。つまみは枝豆とザーサイ。中年臭いと思っていたが、中身は完全にオッサンみたいだ。年齢を詐称している気さえする。


「よく似合ってるでしょ、イセザキのチャイナ。ここのオーナーに頼んで借りちゃった」

「借りちゃった、じゃ……」

「んー? ワタセさんはイセザキのフトモモが他の人の目に触れるのが嫌なのかな?」


 前言撤回。オッサンみたい、ではなく完全にオッサンだった。

 こういう手合いは話に乗ると図に乗る。


「……興味がない」

「いやぁ、冗談冗談。ささ、まずは座って座って」


 笑いながら俺に椅子を勧めた。椅子は背もたれの高い立派な奴で座りごこちがいい、かなり良い木を使っている。店に入った時から思っていたが、なかなかの店だ。間違っても学生がほいほいと歓迎会に使うような所ではない。

 内装は落ち着いた赤で統一されており、見えるところだけではなく見えないところにも相当金がかかっている雰囲気だ。わざとらしくない格調高さでこの店の高級感を際立たせている。


 店内には俺たち以外の客はまばらだ。学生よりも大人の客が多いというのも珍しい。紫煙を燻らせるスーツ姿の客たちを見ていると、ここが久遠ヶ原ではないように思える。

 久藤が慣れた手付きで次の瓶から自分の分のビールを注いだ。俺の分は烏龍茶らしい。


 まだ陽も沈まない内から完全に晩酌ムードの久藤。

 いつの間にか肉まんを平らげて黙々と中華ちまきとの格闘に没頭しているルクレツィア。

 そして、お盆片手にチャイナドレスで楽しそうに給仕をしている伊勢崎愛海。

 七不思議研の一員になる、という決意でここに来たのに、随分と調子が狂わされる。


「イセザキ、ありゃなかなかいい娘だよ」久藤がマイルドセブンスーパーライトに火を付けた。ふわりと煙が天井に上っていく。

「母子家庭で弟さんがまだ小さいってんで、ワタセさんも見てたでしょ。報酬、ああやって仕送りしちゃうの。健気でいい子だと思うよぉ。出るとこ出てるし」

「何の話だ!」

 まるで遊郭の遣り手婆かお見合いを勧める親戚の小母さんのような口調の久藤を小さく怒鳴りつける。確かにチャイナドレスの伊勢崎は、セクシーだ。だが、それは今、関係がない。

「ありゃ、ワタセさん興味ない? 勿体ないなぁ」

 肩をすくめ、久藤がふぅっと長く煙を吐いた。


「さ、イセザキも座って、座って」

 久藤の手招きでチャイナドレスの伊勢崎が俺の隣に座った。椅子が少し近い。微かに香る石けんに、胸がドキリとする。

 頭の傷は目立たない程度に絆創膏が貼ってあるようだ。紅茶色の柔らかそうな髪に隠れてほとんど見えない。よく考えればこいつは回復職で、自分で治癒させることが出来るのだ。

 心配して損をした、という気分よりも、素直に良かったと思う。


 円卓には既に色々な料理が並んでいた。

 餃子に焼売、小龍包。春巻き、月餅、胡麻団子。物資が窮乏している今、これだけの点心を出す店はあまり見かけない。匂いからすると、どれもサツマイモやキャッサバを使った紛い物の代用食品というわけではなさそうだ。


 手に付いた脂を美味そうにしゃぶり取りながらルクレツィアが微笑む。食べることが余程好きなのか、次の得物を虎視眈々と狙っている。

 こうしていると外見通りの少女に見えるのだが、はぐれ悪魔というからには実年齢は俺の何倍も上だ。天使も悪魔も人間よりかなり長命だと言われている。長い奴になると千年は生きるというから、つくづく別の生き物なんだな、と思ってしまう。


「さて、ワタセさん。ここに来た、ということは、うちに入ってくれるということでいいんだよね?」


 俺のコップに烏龍茶を注ぎながら久藤が尋ねる。

 聞き方がどこか自信に満ちているのは断られるということを考えていないのだろうか。それとも、入ろうが入るまいがあまり気にしていないのかもしれない。これだけ優秀な狙撃手で指揮官だ。前衛が欲しいのなら、俺じゃなくても成り手はすぐに見つかる。

 ただ、久藤の口元は笑っているが、目は真剣だった。


「そのつもりだ」


 努めて平静に。

 俺はポーカーフェイスを装って、久藤の手からコップを受け取る。迷いがあるのを見透かされたくない、という小さな反抗心だ。いや、それも御見通しなのかもしれない。


「やった! じゃあ、渡瀬さんもこれで七不思議研の一員ですね!」

「よかったのぅ」


 伊勢崎は本気で喜んでいるみたいだが、ルクレツィアの方は新しく持ってこられた蒸し蟹との戦いの方が忙しそうだ。ひょっとするとルクレツィアは、<暴食>の悪魔なのだろうか。

 厨房から追加の料理を作る威勢のいい調理の音が聞こえる。卵を割る音が耳に心地いい。


「但し、一つ条件がある」


 両手で包んだ烏龍茶のグラスを弄びながら、俺は久藤に逆撃を浴びせた。主導権(イニシアティブ)をずっと握られたまま、というのも気持ちが悪い。


「……条件?」

 奇襲成功。久藤の顔が一瞬ぽかんとしたのを俺は見逃さなかった。

 ちょっとした意趣返しだ。どうにもここまでの成り行きがスムーズに運び過ぎて気に食わなかった。誰かの掌の上で踊るのはごめんだ。


「俺は、七不思議研には参加する。でも、戦闘が優先だ。七不思議を調べるのはあくまでも戦闘のついでという位置付けでお願いしたい」


 言い切って、烏龍茶を呷る。

 ここが妥協点だと最初に言っておかなければならない。俺の目的は珪の仇討ちで、七不思議研に入るのはその為の手段だ。珪のことを忘れて七不思議の調査に没頭するなんてことを、俺自身が許せなかった。


「なるほどね。ま、いいんじゃないかな」久藤の返答は至って淡白だった。

「嫌だと言っている人を無理に動かしても良いことないし」

 物分りが良いというよりも最初からそちらには期待していないという雰囲気だ。


「えー、渡瀬さんも一緒に調べましょうよ」

 口を尖らせて伊勢崎が抗議する。こういう仕草の一つ一つを妙に意識してしまうのはチャイナドレスの所為だろうか。


「調べるのには付き合う。でも、馴れ合いをするつもりも無い」

「でもその内、きっと渡瀬さんもどっぷりと七不思議にハマっちゃいますよ」

「それはまぁ、ワタセさん次第だろうね。それよりもメシにしようじゃないか。今日はちゃんと働いたんで腹が減っちゃってね」

「払いは気にせんで良いぞ。そこの久藤が持ってくれることになっておるからの」


 もう食べ始めているルクレツィア以外の三人に革張りの菜譜(メニュー)が手渡された。こんなところにまで金を掛けている辺りさぞかしいいお値段なのだろうと見てみると、お手頃とは言えないまでも目の飛び出るような価格ではない。学生がおいそれと出せる金額ではなかったが、ちょっとしたお祝い事にはちょうどいいという金額設定だ。


「隠れた名店という奴でね。私はよく使わせて貰ってる。さ、ワタセさんも好きなものを頼んでくれよ」

「わあ、私何食べよっかなぁ」


「……いや、俺はこれで」


 俺が懐から取り出したのは、角砂糖とカロリーメイトだ。

 一日の必要摂取カロリーと栄養素を計算して要る分だけ食べるように徹底している俺にとって、食事とは車の燃料補給と同じ。それ以上でも、それ以下でもない。必要なものを必要なだけ食べるだけだ。


「またまた、渡瀬さんったら。ここの料理、美味しいんですよ?」

「そうだよワタセさん。ここの中華はどれもなかなかイケるから、食べて損はないと思うよ」

「確かにここの中華は美味いぞ。食べる為に人間に寝返った此方(こなた)が言うんじゃから間違いない」


 三人とも、顔に「折角の歓迎会なのに」と書いてある。当然のことだ。別に七不思議研への当て付けだとかそういうわけではない。単純に、俺の心情の問題だった。ここに珪がいれば、俺は喜んで何皿でも食べただろう。


「いや、本当にいいんだ。俺のことは気にせず、みんなで食べてくれたらいい」


「そうか、残念だよ。ここの麻婆豆腐は絶品でね。ワタセさんにも食べて貰いたかったんだが」

「……麻婆、豆腐?」

「そ、麻婆豆腐。ここのは四川風で山椒が良い仕事してるんだよ」

「ちょっと待て、なんで今、麻婆豆腐なんて出せるんだ」


 かつて日本の大豆はほとんどが輸入に頼っていた。アメリカが小麦の全力生産の為に農地統制法を施行してからは大豆の価格は暴騰し、豆腐は高級食材になっている。というよりも、単純に手に入らない。物資にほとんど困らない久遠ヶ原でさえ、ここ二、三年は急に見なくなった。今や豆腐は国民食ではなく、高嶺の花だ。


「別に不思議なことじゃないさ。手に入り難いと言ったって、豆腐は豆腐だからね。ルートはあるんだろうさ。大豆は国産、この御時世に珍しいことに遺伝子組み換えなし、にがりも良いのを使っているらしい。挽肉ももちろん鶏じゃない」


 思わず喉が鳴った。口の中にあの辛さが蘇る。麻婆豆腐は珪の得意料理で、まだ豆腐が手に入りやすかった時期に散々作って貰った。孤児の俺にとっては、家庭の味という奴だ。


「……麻婆豆腐と、ライスを」



 運ばれてきた麻婆豆腐は単純に赤い、というよりも赤黒い色をしている。見ただけで辛さを主張してくる色に、伊勢崎とルクレツィアは引き攣った笑みを浮かべて少し引いていた。久藤だけはニヤニヤしながら俺のリアクションを待っている。きっとこれを食べたことがあるんだろう。


 まだ湯気の立っている麻婆豆腐をレンゲでそっと掬う。ふるりと豆腐が揺れ、零れ落ちそうになる。

 慌てて口に含む。熱い。「あふっ」と思わず声が漏れてしまう。

 思ったほどは辛くない。適度な辛さの豆腐と挽肉を二口、三口と口に運ぶ。

 旨い。

 ここしばらく、ブドウ糖や鶏のささ身しか味わってなかった舌に感覚が蘇ってくるみたいだ。


「うわっ」

 異変は、四口目を口に運んでライスに手を伸ばした時に起こった。

 痛い。辛いんじゃなく、痛い。舌全体が燃えているような激痛が走り、感覚が無くなっていく。

 この痺れるような感覚は、山椒だ。それもただの山椒じゃない。花椒という、四川料理特有のスパイスがたっぷりと入っている。


「渡瀬さん、凄い汗ですよ。大丈夫です?」


 伊勢崎の差し出したコップを一気に飲み干す。冷たい水が焼ける舌を撫で、そのまま喉に落ちていく。無味無臭の水でさえ、今は味がついているように感じられる。

 辛い。

 でも旨い。

 旨い、辛い、熱い、痛い、懐かしい、辛い、旨い。

 全部の感覚が一度に襲い掛かって来て、思わず涙が流れる。

 エアコンの利いた店内なのに、吹き出る汗が止まらない。伊勢崎はさっきから自分の青椒肉絲(チンジャオロースー)を食べながら俺のコップにも水を注ぎ続けてくれている。


 麻婆豆腐の刺激をライスが少し和らげてくれるので、箸も止まらない。レンゲと箸を持ち替えながら食べていると、段々面倒になってきた。ライスを丼でお替りし、その上に麻婆豆腐を乗せる。即席で作った麻婆丼だ。こういう料理は行儀悪く掻き込むに限る。

 旨い。いや、美味い。


 久藤が水餃子とトマトの卵炒めを肴に一人でビールを飲んでいる隣で、ルクレツィアが洗面器ほどの大きさの天津飯の島を掘削する作業に取り組んでいる。伊勢崎はタケノコが苦手なのか、ピーマンと牛肉だけを器用に選り分けて食べていた。


「伊勢崎、お前好き嫌いするなよ」

 ついつい口に出して言ってしまうと、伊勢崎は顔を真っ赤にして、

「違います! タケノコは大好きだから最後に取ってあるんです!」と意味不明な弁解をし始めた。

 その割にはいつまで経っても口に運ばず、箸で綺麗に千切りのタケノコを並べてみたり、睨みつけてみたり、うーとかえいっとか小声で念を送ったりしているのを見ると、どうやら本当に苦手らしい。


「代わりに食べてやろうか、タケノコ」

 そう声を掛けると、一瞬伊勢崎の顔がパッと明るくなり、その後すぐに頬を膨らませる。

「どうせ私はタケノコ食べれませんよぅ」

 そのむくれ方がいかにも子どもっぽかったので、思わず変な笑いが漏れてしまう。

「渡瀬さんに笑われた! ひどい!」

「笑ってない、笑ってない」

「絶対笑った! 久藤さんも見てましたよね?」


 話を急に振られた久藤はビールが気管にでも入ったのか()せ込んだ。

「さぁ、見てなかったからわかんないな」

「むぅ、本当ですかぁ」

 伊勢崎がちょっとだけ唇を尖らせる。

「お前さんたち、喋るのもいいが熱い内に食え。食わんなら此方が食うてしまうぞ」

 言いながら既にルクレツィアは伊勢崎の避けたタケノコに箸を伸ばしていた。こういうのも、チームワークというんだろうか。



 全員が腹いっぱい食べたところで、「歓迎会」は御開きになった。

 九月とは言え、日が暮れると夜風が気持ち良い。路地裏から見上げると、小さく区切られた夜空に星が瞬いている。空なんてしばらく見なかったから気付かなかったが、もう、秋の夜空になりつつある。


「本当に、良かったのか?」

「ワタセさんは歓迎される側なんだから、遠慮する必要なんてないよ」


 結局、支払いは全て久藤が持ってくれた。結構な額だ。

 俺もロッカーから持ってきた久遠で支払おうとしたのだが、皆に止められた。歓迎会なんて参加したことが無かったから勝手が分からなかったが、そういうものらしい。

 月明かりの路地を、四人でゆっくりと歩く。時間帯が遅いからか、商店街の店々はシャッターが下りていて、とても静かだ。


「どうだいワタセさん、こういうのも悪くないだろう?」

 あれだけ飲んだのに素面にしか見えない久藤が笑う。

「……ああ、確かに」

 言われてはじめて、自分がこの状況を愉しんでいるのに気が付いた。

 戦闘での昂揚ではない、落ち着いた雰囲気を愉しむのは、ずいぶん久しぶりな気がする。こういうのを安らぐ、というのだろうか。


「渡瀬さん、渡瀬さん!」

 制服に着替えた伊勢崎がぐっと顔を近づけてきた。距離が近くて思わず後退る。

「な、何だよ」

「えへへぇ……」

 ぎゅっ。

 胸を俺の腕に押し当てるように、伊勢崎が絡みついてくる。少し顔が赤い。途中から様子がおかしいと思っていたが、ジュースと間違って酒でも飲んだのだろうか。


「おい、こら、伊勢崎! 離れろ!」

「渡瀬さん、ようこそぉ七不思議研へ!」


「おい、この、酔っ払い!」


 伊勢崎をやんわりと振り解こうとするが、上手くいかない。相手の方が大きいので、しがみつかれると逃げにくいのだ。無理に引き剥がしてこけて怪我でもされたら寝覚めが悪いので、諦めて歩調を緩め、ゆっくりと歩く。

 遠くで虫が鳴いている。

 久藤はくわえ煙草で、ルクレツィアはお土産に包んで貰った桃まんに齧り付きながら、それぞれの速さで歩いていた。


 こういうのも、案外悪くないのかもしれない。


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