11 最近、深夜アニメがあんまり見れない件について。せめて水曜と日曜は見せてほしい
申し訳ないけどこれから更新が一、二日遅れるかもしれません。
今回、というかいつも短いな。
ペンドラゴン王国 ペンドラゴン城
王室
「いやぁ、五年ぶりだな。ルーシャ。」
「本当に久しいですね。二人とも。」
「まさかルーシャが王様になってるとは思わなかったぜ。」
「…………」
王室で楽しく豪華な椅子に腰掛けお茶とお話をしている三人とすっかり空気の亞李奈がいた。
「しかし紅汰と黒雨は何故、この世界に?」
「さぁ?気が付いたらいたからな。」
トラックに引かれて死んだと思ったらこの世界にいた、なんて言える訳もない。
「そうですか。ところで二人は何をしていたのですか?」
「旅だよ。世界を回ろうって。」
「なるほど、そういう無茶は昔からですね紅汰。」
「ルーシャも最後に会った時に比べたら随分と綺麗になったな。」
「そ、そうでしょうか。」
風魔も空気になりかけている所に最初から空気だった亞李奈が遂にキレた。
「紅汰!!アンタ目的を忘れてない!?」
「い、いや。忘れてないけど。」
「じゃあなんでこんな所で王様とお話しているのかしら!?それと、その王様は紅汰の何なの!?すっかり長話しちゃってさ!」
「え、ルーシャは俺たちの親友で幼馴染みだよ。」
ルーシャは紅汰と風魔が幼い頃に紅汰の隣に引っ越してきたお嬢様だ。
突然、仲良くなりずっと遊んでいたのだが紅汰達が小学校を卒業すると、突然別れを告げ、去ってしまったのだ。
「ついでに紅汰の彼女だ。[キリッ]」
風魔の余計な一言が亞李奈をさらに怒らせた。
「人様の前でイチャイチャしてんじゃないわよ!あとキリッって余計だ!」
「あ、いや。亞李奈、俺とルーシャはそういう関係ではなく、」
「じゃあとっとと最初の目的を果たし「やかましい!!!」
叫ぶ亞李奈の額に風魔の頭突き。
ちなみに風魔は額に鉢金を装備しているため、痛いのは亞李奈だけである。
「~~っ!!?何すr「冷静になっとけ!!」
さらなる頭突きの追撃で亞李奈は気絶した。
「ったく、うるせぇな。」
気絶した亞李奈を椅子に座らせて再び紅茶を口に含める風魔。
「ルーシャ、久しぶりに紅汰とゆっくり話でもしてろ。亞李奈はそこら辺に置いとくから。」
「し、しかし黒雨も話に混ざったほうが、「いいから、俺はここで待ってるよ。」
「でも、「それに………」
風魔は紅汰に聞こえないようにルーシャに耳打ちする。ルーシャの顔が段々と赤くなる。
「わ、分かりました。黒雨、いえ……いーちゃん、この御恩アーサー・ルーシャギア・ペンドラゴン、一生忘れてません。」
席から立ち上がり、腰を九十度曲げ、高校生に頭を下げる王様の姿がそこにあった。ルーシャだった。
「別に恩とか忘れてもいいぞ。あといーちゃんて呼ぶな。風魔と呼んでくれ。【キリッ】」
いーちゃんとは風魔が昔ルーシャに呼ばれていたあだ名だと紅汰はすぐ思い出す。
「紅汰、私の部屋に行きましょう。ガウェイン、構いませんね?」
ガウェインと呼ばれた王室の隅にいる騎士は研ぎ澄まされた瞳で紅汰の足から頭のてっぺんまで見る。
「少し、その殿方と話をさせてもらえますか?」
「どうぞ。」
ガウェインは紅汰に近づきルーシャに聞こえないように耳打ちする。
「ルーシャ様は王としても女の子としてもまだまだ未熟な所はありますが、どうかよろしくお願いします。」
「え、あ……はい。」
内容がよく分からなかったが頷くしかなかった。
「では、紅汰。こちらへ。」
そうして紅汰はルーシャに付いていった。