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俺と神様の異世界冒険記  作者: サイトゥー
第一部 始まりに至る物語
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95 海へ

オケアノス島 海岸



「うわ、すっげ!沖縄みたい!!」

「沖縄見たことないけどね。」


紅汰と風魔は並んでオケアノス島の海を見渡す。もちろん二人とも水着である。


「結構楽しめそうじゃん!綺麗だし、波も弱いし。」

「あのさ、」

「うん?」

「俺の胸見ながら言うの止めてくれ。」


風魔は薬を飲んで二日女体化している。そのため水着も女性用。黒い水着でその胸を隠しているが、やはり恥ずかしそうである。


「ほれ、見るならあっち。」


風魔が指指す方には水着姿のルーシャと藍とレーヴァがいる。


「馬鹿野郎。あっち見たら軽蔑の視線が向けられるだろうが。」

「俺も充分軽蔑してるよ。」


ため息を吐く風魔。その足元にはグングニル。


「ますたー、はやくいきましょう!」

「ん?あ、あぁ。」


風魔はグングニルに手を引かれ、海に走って行った。


「青春だねぇ…。」

「貴様はその年でそんなこと言えるのか。」

「馬鹿野郎。男は何時だって青春してる若き少年よ。」

「私はくだらん青春など必要ない。」


紅汰の背後でLと忌羅が言葉を交わす。二人とも見事に鍛えられた肉体が輝く。


「お前は女に声掛ければホイホイ付いてくるけど中学生とか高校生の諸君はそう言うことは無理な訳でだな。こういった海という場所こそ異性と触れあえる唯一のチャンスなのだよ。」

「くだらない。人間とは欲深い生き物なのは知っているが、女男まで求めるのか。戦いと飯があれば充分だろうに。」

「だが、お前だって目の保養ぐらい必要だろ?」


Lの邪悪な笑みに忌羅も負けないぐらいの笑みで答える。


「まぁな。私は昔から目が良いから双眼鏡など使わんでも見えるがな。」

「俺も化学魔法で目の倍率を上げてるから普通に見える。」


二人は後ろにあった木製のベンチに腰掛け、日除けの傘を立てた。



「……とりあえず泳ごう。」


紅汰は皆がいる海へと走り出した。



「良いねぇ、若い人は。」


ウィルの隣で魔界神が呟いた。


「ホントだね。あんなに楽しそうに………。」

「……………。」

「……………。」

「貴方ー、かき氷って何ー?」

「氷に砂糖を掛けた夏の食べ物だよ。美味しそうだったら買ってきて良いよ。」

「…ミカエル。」

「…なんだい。」

「戦争が始まる。」

「分かってる。」

「君も巻き込まれる。」

「分かってる。」

「神々が再び復活する。」

「うん、最終戦争なみの規模になりそうだね。」

「そして誰かが犠牲になる。」

「勝利に犠牲は付き物さ。君も分かっているだろう?」

「多分君は死ぬ。」

「…………………まだ死ねないね。ルシュとの誓いを破る訳にはいかない。」

「運命にあらがえるとでも?」

「生憎僕は運命は信じないタチでね。」

「兄に殺されるよ。」

「逆に殺してあげよう。ルシファーを。」

「…………例え君がルシファーを倒しても彼らが覚醒しなければ世界は終わる。全面戦争だろうね。」

「……………魔界は僕が守る。」

「そうかい……………(くれない)が動いた。」

「………。」

「魔弾皇帝が動いた。」

「……………。」

「風が動いた。」

「………………………。」

「偉大なる者が動いた。」

「…!!!!………それは、本当かい?」

「西側で50万kmの砂漠が一瞬で湖に変わった。こんなこと出来るのは僕と彼しかいないよ。」

「……そこまで、今回はヤバいのかな。」

「ヤバいよ。それぞれの思いを持った者がぶつかるからね。」

「………わかった。僕に出来ることがあったら言ってくれ。力になる。」












海岸


「ほらよっ!!」

「うわっ!?やったな!おらっ!」


紅汰が風魔の顔に海水をあてる。風魔も仕返しにと紅汰に海水をあてる。


「ルーシャっ!藍!一斉攻撃だ!」


紅汰の合図でルーシャや藍が風魔、刹那陣営に海水をあてる。


「これならっ!」


風魔は大きく息を吸って、潜った。そして勢い良く海面から飛び出し、両腕を海面に叩きつけた。発生した大波が紅汰逹を浚う。


「うわっ!くっ…!」


紅汰はルーシャと藍の手を掴み、流されないように潜った。波が過ぎると風魔同様二人を上に放り投げた。

少女が宙を舞い、海に落ちる。着地地点まで紅汰は泳ぐ。


「楽しいですね!海は!!」

「私も来るのは久しぶりですっ!!


ルーシャと藍は笑顔で紅汰の腕を取る。紅汰も吊られて笑う。


「刹那さん大丈夫ですか?キツかったら俺支えますよ?」

「だ、大丈夫だ…泳いだことはないが、なんとかなっている。」


しかし不安なのか刹那は風魔に抱きつく。刹那は人間を越えた脚力で水を蹴ってバランスをとっている。


「風魔、あの岩まで競争しようぜ!」


紅汰が指差す方向には岩。結構な距離がある。


「よし、砂浜からスタートするか。」


二人は海から上がり、ちょうど良さそうな場所で足を止める。

振り向いて岩をにらみつける。


「位置について~よ~い…どんっ!!」


藍の合図で二人は駆け出す。が、


「ちょっ、風魔速すぎっ!?」


風魔は風の如き速さでもう海に足が入っている。

紅汰も能力の炎ブースターで風魔との距離を縮め、海に飛び込む。が、


「えっ!?うそーんっ!?」


風魔がなんと水面を走っている!あれはもう人間とは説明しようがない。


「はっはっはーっ!!勝てばよかろうなのだーっ!!」


と叫んでいる風魔はあっという間に岩に着いてしまった。


「HEYYYY!!!あぁぁぁんまりだぁぁぁ!!!」


紅汰はただ叫ぶしかなかった。

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