9 ところで最近、タイトルを真面目にしようと思うのだが、読者の皆様はどう思う?
「着いたよ。アイルの町だ。」
検問を越え、町へ入る。アイルの町は槍を持った数人の検問を越えると三つの分かれ道、どの道にも左右に家や店がある。さらに家と家の間には路地裏へと続く道がある。
「俺はこのまま真っ直ぐ行った所で商売するけど、日が沈む前に次の町に行かなくちゃいけないけど、あんたらはどうする?」
「俺達はこの町に一、二日いるよ。
考えて旅の方針を決めるよ。」
「そうかい、じゃあね。」
青年は二人降ろし、去って真ん中の道へと去って行った。
紅汰と黒雨は右の路地を歩き出す。
「……どうする?」
黒雨に相談する。
「まず、地図と金、それから宿と色んな地域に詳しい案内人。そして武器と道具。これらを揃えなければ。旅は成功しない。」
なるほど、黒雨の冷静さに驚く紅汰。
「そこのお二人さん。」
突然、声を掛けられたっぽい二人。紅は右の路地裏を見ると、黒いマントで顔までびっしりと隠している怪しすぎる人物がいた。
「いい武器があるんだ。今なら無料で売るぜ。」
目が笑っているが逆に怖い。
「怪しいな、オイ。」
「怪しいな、オイ。」
マントの人物の格好で引く二人。
「じ、実はよう、さっきウィルとかいう旦那から金を貰ってね。お前達にこれを渡せって。」
マントの人物の後ろには木製の大きめの箱が二つあった。
「……どうする?」
「ウィルって人には前会った事がある。行こう、。」
マントの人物
そして二人はマントの人物の後ろにある箱を開けた。
「よし、準備完了っと。」
箱の中身は紅汰は黒い剣と鞘、地図と大量の金貨が入った袋、そして携帯電話、真紅の十字架のペンダントだった。
黒雨は忍者刀に手裏剣、何か塗ってあるナイフ数十本とジャックナイフとそれらの鞘、顔を隠す黒い布にゲームとかで忍者が額に付けている紋章が刻まれた鉢金。
紅汰と同じく携帯電話と金、あと長方形の腰に引っ掻ける意味不明な箱。
三段折り畳み式のスナイパーライフルとG18、両方ともマガジンは二個ずつあった。
そして真紅の装飾の掛かった小指ぐらいの大きさの鎖がついた槍。
「じゃあな。」
マントの男は二人が箱の中身を装備したのを見ると路地裏の影へと去って行った。
「さて、必要物が揃ったな。どうする?」
明らかに重そうな装備の黒雨。
「……安い宿を見つけるぞ。まだ昼だけど。」
そうして二人は宿を探すため歩き出した。
紅汰はふと思った。
ウィルという人物、助けられたのはおそらく二回目、
一回目、刹那が消えたのはウィルのせいだろう。
二回目、おそらく一番いい装備をくれた。
しかし謎は深まる一方だった。
何故、紅汰達を助けたのか?
一体何者なのか?
だが、いずれ解るだろう。
……時が来ればの話だが。