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俺と神様の異世界冒険記  作者: サイトゥー
第一部 始まりに至る物語
65/113

68 過去の追憶 魔界神

魔界神の過去、続編です。

遥か昔 魔界





僕が魔界の王、つまり魔王に君臨して早一週間。

周りの悪魔達は先代の魔王から遺言を聞いていたらしく僕をあっさりと魔王と認めた。魔界最強部隊『七つ大罪』も僕の事を信頼しているらしい。

はっきり言うと天界より居心地が良い。飲み物なんかは頼めば持ってきてくれるし食事は豪華だし皆個性豊かな人達ばかりだ。

そんな楽しい退屈という言葉が無い世界を僕は満喫していた。



とある日、丁度休日だった。

僕は自室で窓から外の景色を眺めていた。

コンコン、軽いノック音。

「ま、魔王様、おの、お飲物をお持ちしま、しました。」

ドアの向こうから聞こえた女性の弱々しい声、おそらくメイドだろう。

「入っていいよ。」

僕が簡単に返事をするとギィーと亀のようにゆっくりとしたスピードでドアが開かれる。

トレイを持ったメイド服の少女が飲み物を溢さないように慎重な足取りで入ってきた。

僕は窓から離れ笑顔で彼女に近付く。

が、少女は数歩後ずさる。顔を見ると明らかに怯えの視線が僕に向けられていた。苦笑でさらに近付く。

「怖がらなくても、何もしないよ。」

「あ、い、いえ…ごめんなさい…。」

少女はしゅんとして視線を床に落とす。あ、なんか可愛い。

「ねぇ、君名前は?」

彼女は突然、視線を上げ恐怖の表情で僕を見つめた。

「ごめんなさい!見逃してください!お願いします!。」

「は?………ねぇ、君。僕は独裁者でも犯罪者でもなければ暴君でもないよ。何故謝るのかは分からないけど君は何も悪くないよ?」

「…………え?」


少女の表情が恐怖から驚愕に変わった。























「へぇ~、僕は実は結構優しそうだけど実は女好きの変態暴君なんて噂されてるのか~。初めて知ったよ。」

「あ、あの、ごめんなさい!」

一旦落ち着いた少女をソファーに座らせ僕は事情を聞く事にした。

が、僕は色々噂があるらしい。

両腕に邪気眼を宿した魔王とか、

優しそうだけど実は超残酷魔王とか、

変態でメイド狙いで魔王になったとか、


ホント、いい迷惑だ。

「で、でも魔王様は歴代の魔王様の中で一番イケメンだって、アスモ様が仰っていました。」

「あのねぇ……イケメン以外全部嘘だから本気にしない方がいいよ。」

「そ、そうなんですか……。」

「ところ君、名前は?」

「え!?…あ、いや、別に魔王様に覚えられる程の者ではありません……。」

「えー、教えてくれたっていいじゃん。減るもんじゃないし。」

僕がそう言うと少女は頬を赤らめ恥ずかしそうに言った。

「……ルシュです。」

「ルシュか、覚えておこう。」

僕テーブルに置かれたレモンジュースのグラスに口を付けかけた。

ルシュがジーッとレモンジュースをみつめていたからだ。不思議そうに見ている彼女を見て、

「……………飲みたいの?」

僕がそう言うとルシュはハッと顔をひきつらせ、

「いえいえ!私は別にどんな味がするのかなーとか美味しいのかなーとか思っただけで魔王様のお飲物を飲みたいなどとは一切思っていません!」

「…飲みたいならあげるよ?」

彼女の目が一瞬可愛い子犬のような目になったが、すぐ戻った。

「大丈夫です!魔王様のお飲物を飲むなどメイド長様に殺されてしまいます!」

メイド…長?……………

………………あぁ、七つ大罪の一人嫉妬を司る悪魔レヴィアダンの事か。

彼女って魔性の女って感じがするけど結構意外な趣味あるね。

「メイド長には僕から言っておくよ。飲んでいいよ、あげる。」

僕は彼女にグラスを差し出した。

「…良いのですか?」

「うん、良いよ。」

彼女はグラスの中の黄色の液体をマジマジと見つめ、グラスに口を付けた。

半分ぐらい飲むと、彼女はグラスから口を離した。

「す、すっぱいですぅ……………。」

「フフフ、まぁそうだろうね。」

僕は彼女が置いたグラスを右手で持って口を付けた。

ルシュの顔が耳まで赤くなる。

「魔王様…それは、その…………。」

彼女が言いづらそうなので代弁してあげた。

「間接キス?」

「…………………。」

彼女の顔がさらに赤くなる。

うん、やっぱり可愛い。

天界の頃はこういう女性と触れあった事が一度もなかった。けれど魔界はあった。

僕は目の前のメイド服の少女に興味が湧いた。紫の炎で鳥を作り出し使い魔とさせ、レヴィアダンに送った。

「ねぇ…ルシュ、君に興味が湧いた。僕の話し相手になってくれ。休日だから暇だ。」

「え、でも、メイドの仕事が……。」

「さっきメイド長に使い魔を送った。君とは今日一日話す、とね」

僕は飲み干したグラスをテーブルに置いて彼女の前に座る。

「どうかな?嫌なら強制はしないけど。」

僕は笑顔で少女の瞳の奥底を見つめた。そしてルシュはゆっくりと頷いた。


















僕がそれからへんた……変わっていったのはルシュのお陰だった。

今回も魔界神様の過去編です、ちなみにあと一話書くつもりですが。

えーと今回もご視聴いただきありがとうございます。

魔界神様が変態になっていくのは後々です。

感想、クレーム、メッセージ、バッシング、駄目だし等、御待ちしております。

またのご視聴を御待ちしております。

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