7 男のヤンデレっているのかな?
前から思っていたけど、タイトルが真面目じゃない事は読者の皆様にうけているのか?
紅汰と黒雨は目の前に現れた圧倒的な殺意を放つ金髪の破壊神にまったく動けなくなっていた。
「我が名は神己刹那。月詠の孫よ。ここで死にたくなかったら私の物になるがいい。別の餓鬼は殺す。」
「えっと、俺は貴方の物になって何が有りますか?」
怯えながらも黒雨は発言する。
刹那は微笑で答える。
「私の夫になれる。」
「え!?」
そりゃ驚くな。紅汰は心の中で呟いた。いきなり初対面の女性に夫になれっていわれたら誰だってそうなる/
「私はお前を気に入った。月詠の孫でありながらも月詠の魔力を引き継ぎその上『天魔神拳』を少しながら使える。顔も少し似ている。月詠が男に転生したとも言ってよい。」
刹那はゆっくりと二人に近寄ってくる。二人は恐怖で動けない。
「それと好みも聞いておかなければな。」
刹那は紅汰を無視して白く細い指で黒雨の頬を触る。
「食べる方と食べられる方、どっちがいい?」
「??????」
刹那の言っている事を必死に理解しようとする黒雨。だが、さっぱり分からないようだ。首をかしげている。
「言い方が悪かったか。なら襲われる方と襲う方、どっちがいい?」
「????????????」
刹那の発言はさらに黒雨を混乱させた。
「分からないのか?」
「はい。」即答する黒雨。
刹那は眉を寄せ、溜め息を吐くと顔を離す。
「来い。教えてやろう。」
刹那は右手で黒雨のワイシャツの襟を掴み、引きずる。
まずい、黒雨が喰われる!(性的な意味で)俺は恐怖に耐え叫んだ。
「ま、待て!」
振り向いた刹那は左手を水平に凪ぎ払った。
紅汰の視界が真っ赤になった。
「やぁ、久しぶりだね。」
「!!!?」
気がつくと真っ暗な部屋の中で知らない男と向かい合い座っていた。
「ははっ、驚かせてしまったかな?」
「……貴方は?」
紅汰は質問を一方的にぶつける事にした。
「僕は……ウィル。暇人さ。」
「ここは……何処ですか?」
「さあね。」
「俺は死んだんですか?」
「さあね。」
「貴方は何故ここに?」
「君に会いにきたのさ。」
「俺?」
「君はこのままだと確実に死ぬ。黒雨は……食べられるだろうね。」
「え……」
「君も黒雨も助かりたいかい?」
「もちろん。」
「本当に?」
「はい。」
「…………」「うん。分かったよ。君も黒雨も助かるよ。」
「え?」
「目覚めれば助かるよ。」
「え、ありがとうございます。」
「いいよ。さて、あと今から十分後に君達の場所から森への入り口へ行け。
いいことが起きるよ。あー、後刹那に言って置いてくれないかな?」
「何ですか?」
「ミカエルから、会いたいならいつでも会わせてやるって。」
「分かりました。」
「うん。じゃあね。混沌の英雄さん。」