47 戸惑う風魔
大剣少女に襲われた風魔と長刀帯刀少女に会った紅汰は約束通り四時間後、街門前で集合した。
その後、情報をまとめる為に適当な宿を取った。
現在、宿の部屋で情報整理中だ。
「……なるほど、風魔は大剣少女に襲われて、情報集めどころではなかったのか。」
「すまん…………気絶させた後も十回程追いかけられた。なんとか縄で縛って逃げてきたけど……。」
大剣少女、風魔の創界の鍵を狙う蒼色の髪の美少女らしい。
風魔を執念深く追いかけてくるのは何故だか知らんが。
「しっかし、これじゃ風魔が迂闊に動けないなぁ。」
「いや、大丈夫かも知れない。ひとつだけ方法がある。」
風魔は腰ポケットに手を入れ、銀色の結晶を取り出す。
「月詠結晶、母さんの力が詰まった結晶。これなら女体化して大剣少女に狙われないし、女ばかり狙う殺人鬼には狙われやすくなる。」
「いいのか?二日は戻れないんだぞ?」
紅汰がそう言うと風魔はしょうがないと言わんばかりに結晶を掲げ、発動した。風魔の体が銀色の光に包まれ………
風魔の服が裂けた。
美しい女風魔の裸体が紅汰の目の前で露出した。
風魔は何度か目を瞬きし、状況を悟ると顔を真っ赤にして叫んだ。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?????」
何故か風魔の平手打ちが紅汰の頬に炸裂し、紅汰は壁に激突して頭の上でお星様をくるくると回していた。
とんだとばっちりだ。
どうやら月詠結晶を使うと、何故か風魔の服が裂けるしい。胸のせいだろうか。
身長は変わってないが、どうやらシャツと薄いコートしか着てなかったらしく、風魔は紅汰を平手打ちした後直ぐにシーツに身をくるめてしまった。
「すまん…………つい……。」
美少女となった風魔が顔を真っ赤にして謝る。紅汰はクラクラとふらつきながらも立ち上がる。
「いや、大丈夫だ。とにかく、着替えた方がいいな。俺は外で待ってるから。」
「……………あぁ。」
可愛い。
紅汰は着替えを見たいなんて言ったらぶっ殺されるなぁ、と思い部屋からでる。
待つこと十分。
遅い。我慢できず、紅汰は部屋のドアを少しだけ開けた。
やっぱり裸体の風魔がいた。
どうやら下着に迷っているらしい。
胸にサラシを巻くか、女性用下着を着けるか。
ちなみに下の下着は男物だ。
風魔は今は女だが、元は男だ。
女性用下着を着けるにはそれなりの抵抗があるらしい。
短いですね。ごめんなさい。