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俺と神様の異世界冒険記  作者: サイトゥー
第一部 始まりに至る物語
39/113

42 決戦後

「………………………ん………。」

紅汰は目覚めると、窓から差し込む陽光で覚醒した。

どうやら自分はベッドの上にいるらしい。


「おや。お目覚めですか。」

紅汰の背後から物静かな男性の声。

振り向くと白衣を来た青年が立っていた。

光を反射して輝く灰色の髪に、穏やかな顔立ち。目付きも柔らかく静かな印象が持てる。

「………………。」

状況が飲み込めない紅汰に白衣の青年は苦笑いした。

「状況が飲み込めませんね。まず、僕の名前はシーゼ・ディスト。今回貴方達の治療をさせてもらった医者です。

以後お見知りおきを。」

思い出した。紅汰は風魔と戦ったのだ。

全力で。

「待て…治療って言いました?明らかに手術しないとヤバかった気がしますけど。」

「えーとですね。僕が手術する前に貴方の傷は既に完治していました。」

さらに状況が飲み込めなくなった。

風魔じゃあるまいし、そう簡単に治る訳がない。

紅汰の心情を悟ったのかシーゼは説明する。

「風魔さん、でしたか。彼は倒れた後も意識がない状態で、貴方の体に触れて自らの能力で『治癒、再生速度の限界』を超えさせたのですよ。その結果貴方は完治してしまったのですよ。まぁ幾ら傷が治っても血は流れるんで、貴方の足りない血は魔界神様から輸血してもらったので問題ありません。」

そんな、風魔が、自身も体が危険だったというのに無意識で紅汰を治癒した?

紅汰は風魔を刺したと言うのに。


紅汰の心に無力感と怒りが芽生え、拳を握りしめる。

「くそ………………………………………………………そういえば風魔は?」

紅汰が風魔の事を聞くとシーゼの表情が何故か曇った。

「今は…………………会わない方が良いと思います。」

「…どういう事ですか?」

ベッドから身を乗り出してシーゼに問う。

するとシーゼはさらに表情が曇った。

「言葉の通りです…………今は……………………会わない方が良いです。」

そんなシーゼの態度で風魔に何かあったのかと、紅汰はなんとなく感じ、

ベッドから降りて、シーゼに問い詰めた。

「風魔の部屋は?」

「部屋出て左の部屋です。でも……彼の為にも今は会わない方が……。」

シーゼの後の言葉を聞く前に紅汰は、部屋を飛び出しすぐ左の部屋に入った。

「風魔!!」


そこで見たのは





















































ベッドの上で少女と刹那が話していた。


少女と言っても見た目から女子高生に見えるその少女ははっきり言って美少女だ。

かなり『可愛い』かなりだ。






腰下まで伸びた光を受けて美しく輝く銀髪。

ルーシャや魔界神の妻とは別の優しく響きある大人の声。

鋭い目付きだが、それも刹那・忌羅以上に人間離れした美貌を際立たせる。

身長も体付きも人気雑誌に登場するスーパーモデルのようだ。


唖然とする紅汰の視線に気付いた二人。


「おぉ、紅汰。元気ー?」

「すいません部屋間違えました。」

「おい!?ちょっと待て!俺風魔!」



あ、ありのまま起こった事を話すぜ…!

俺は風魔を探して風魔の部屋に来たと思ったら、美少女と刹那がいて美少女の方は自分を風魔だと言った……何を言ってるか分からないと思うが俺もこの状況を理解出来ない………………。


「昨日の決戦で、残った俺の月詠結晶を使ったんだよ!そしたらこのザマだ!!」

閉じかけていたドアを開け、再び部屋に入る。

数歩風魔と名乗った少女に歩み寄り、その顔をジーと見詰めた。

風魔の面影がなんとなくあるような気がするような気がするような気がするが、なんとな~~く赤黒く光る目で少女が風魔だと理解しかけた。

「………風魔の嫌いな食べ物は?」

確認の為、風魔に関する質問をする

「ナスだ!!!!!!!!!!!」

当たっている。確かに風魔はナスを食べたり、臭いを嗅ぐと失神するか吐く。小学五年生の時に食べたナスのトマトソース炒めを食べてからそうなった。

「…………風魔の好きなゲームは?」

「バ●●ハザードとモ●ハ●とメ●ルギ●だ!」

うむ。これも当たっている。なら、

「俺が高校に入る前に付き合った女の人数は?」

「41人!!」

当たってる。認めたくないが、風魔らしい。

その風魔を『可愛い』と思ってしまった自分の不覚さを嘆いた。

「本当に…風魔か……?」

「だっからさっきからそう言ってるだろ!!」


女体化……ちょっと可哀想だ。

「じゃあ話をするけど…………………………………ごめん。」

「…………大丈夫だ。問題ないさ……………っ、と、とにかく気にしないでくれ俺は丈夫だから、こんくらいじゃ、死なないさ。」

あれだけ揉まれても怒らない風魔。

自分が女体化しても女性に心広いのは風魔の昔からの長所だ。

「風魔さんの体はある特殊な力によって性別が変わってしまいました。これは医者でも治せません……フフ。」

嬉しそうにメスをクルクルと指で回すシーゼ。

そして紅汰と風魔に二枚ずつ、紙を渡した。

「お二人の診察と治療、輸血のデータです。えーとですね、お二人とも複数骨折でしたね。紅汰さんの方は肺癌でした。風魔さんの方は特に以上はありません。」

「え………………………肺癌…だと……………!?」

報告書に目を通す紅汰。


「煙草をお吸いですか?まぁ、吸っていないと肺癌なんてなりませんけど。」


確かに肺のレントゲンに塊のような物が見られる。

だが、レントゲンの下に『除去完了』と綺麗な字で書いてあった。

「安心してください。癌は完全に除去したので。」

「どうやって……癌を!?」

紅汰達が元いた世界では癌は治療どころか手術さえ時間が掛かるはず。

それをこの医者は短時間で成し遂げたというのだろうか。

「ま、その事は置いといてどうするのですか?その体。手術しようがありませんね。」

「うぅ……………………結晶の効き目の五分もとっくに切れてるし、俺一生女で過ごすのか……。」

「まぁ、その内戻るでしょう。勘ですけど。」



















すまん。風魔。







すまん、風魔。


お前の女版の写真撮った。なんかあとで弄れそうだったので。















































































「うぁぁっ!!??…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………………………………………………………......…………………………夢か。よかったぁ。」

風魔は心底安心して、自分の体を見る。

なんか胸が膨らんでた。



「夢じゃないのか……………………………………………………。」

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