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俺と神様の異世界冒険記  作者: サイトゥー
第一部 始まりに至る物語
36/113

39 決戦前日

鬼の館 闘技場

「いいか、風魔。お前と相方では圧倒的な差がある。それは何だと思う?」

「さぁ?」

「お前の能力『限界突破(オーバーロード)』は全ての限界を超えられる。つまり!体力回復速度の限界を超えれば、無限の体力なんだ!」

現在、風魔十六夜は修業最後の日なのに乱季と特訓をしていた。

正直今日は一日中、寝ていたかった。

しかし乱季に連れ出された結果、修業をさせられている。

しかも本人は酒を飲んでゆっくりしている。

なんとなーく人の都合を考えない鬼神に文句を言ってやりたいが、そんな事言ったらボコボコにされるので後で岩を砕いてイライラを解消する。

「ていうか師匠、この際はっきり言いましょう。」

だが、いつまでも黙っていると乱季が調子に乗る可能性があるので今言っておく。

「ん?何?」

冷たい表情で風魔は冷たく言い放った。

「酒飲みながら説明するな。あと顔を近付けるな、酒臭い。」

はっきり言ってやった。

だが乱季は特に気にせず、笑顔で風魔の顔を見つめている。



その瞬間、乱季の拳が風魔の顔面に命中した。

が、凄まじい威力を誇る乱季の拳を喰らっても、風魔は首が飛ぶ所か吹っ飛びすらしない。

逆に乱季の拳が不自然な方向に曲がり、顔が苦痛に歪めいている。

「く…………やるね、風魔。自らの耐久力の限界と固さの限界を超えたか。お陰であたしの右手の骨が砕かれたよ……………。」

「結構限界を超えるのは疲れます。つまり、俺が体力回復の限界を超えて体力が瞬時に回復しても限界を戻すと、体になんらかのデメリットが発生する。俺の言いたい事分かります?」

乱季は重々しく頷き、風魔の顔面から拳を離した。

「……まったく突然生意気になったと思ったらこれかい。親子のくせに性格は月詠と似てないねぇ……。」

風魔は肩を竦め、乱季の右手に触れる。乱季の治癒能力の限界を超え、砕かれた骨が、再生する。

「……まったく、そういう優しい所は似てるねぇ…………。」

「…………母さんの記憶はほとんどありません。ただ…………刹那さんや師匠、天魔さんと笑っている母さんの記憶はあります。俺の母さんは、優しくて皆から慕われたんですね……。」

乱季の骨は完全に再生したのか、風魔が右手を離す。

乱季は何か言いたそうな顔だったが、諦めたのか、風魔の顔に自分の顔をグッと近付けた。

その顔からは酔いが完全に醒めている真面目な表情だった。






































































同時刻の紅汰

魔界  魔王城  魔王室

「明日は楽しみですね~あなた。」

「うん、僕達も見学に行こうか。」

「申し訳ありませんが、明日は魔界会議があるので、魔界神様には『強制的』に参加してもらいます。

「え~僕は胃腸炎で欠席するよ。あとインフルエンザと癌と風邪と食中毒もあるから。」

「魔界神は病気にかからないでしょ!?モロバレですよ!」

魔界神とその秘書のベルフェゴールの会話を聞きながら、紅汰は決戦の準備に取り掛かっていた。

持ち物は黒剣(こっけん)とレーヴァテインに軽い防具、あと『魔神結晶』と呼ばれる紫色の水晶箱だった。

実の所紅汰も第二の能力を開花していた。

その名も『魔王七炎(セブンフレイム)

二十六代目魔王、つまり現在の魔界神の孫である紅汰はその能力を引き継ぎ、史上最強の魔王と言われた彼の代表的な能力のひとつ『魔天紫炎(デモニック・パープル)』を強化した『魔神七炎(セブンフレイム)』を紅汰は魔界神に触れただけで開花してしまった。

その噂は魔界全土に響き渡っている。

「でも大丈夫かな………。」

だが、魔界神の話では風魔が使うと思われる『天魔神拳』は魔界神が本気を出してやっと対等に戦える程らしい。

正直、負けると思う。

魔神七炎(セブンフレイム)』は黒い炎を発生させ、自由自在に操れる能力だ。もちろん炎と言っても、ただの炎では無い。魔界神の説明では『魔天紫炎(デモニック・パープル)』の1500度を軽く超える温度らしい。つまり人間なんざ簡単に溶ける、というか蒸発する。

だが、もちろん温度は調節する。

が、もしも風魔を丸焼き、上手に焼けましたー!♪なんてやったら、風魔に妙に執着している刹那に肉片残らず殺される。

そんな紅汰の不安を感じとったのか、魔界神が秘書を殴って言った。

秘書が「ぶべらっ!!」と言って吹っ飛ぶ。

「怪我とかは大丈夫だよ。『神の医者』って呼ばれる僕の知人の医者を呼ぶから。彼なら死なない限り、絶対治してくれるから。」

だが、そんな魔界神の言葉も紅汰の不安を消せず、紅汰の心には不安だけがあった。




























































































同時刻のLとウィル

英雄島

彼らは英雄島に上陸し、島の中心にそびえ立つ、巨大な塔の内部を歩いていた。

すれちがう人々の視線を気にせず、Lとウィルは歩く。

と、そこで二人は長身の槍を持つ男性?にあった。顔が布で隠れて左目しか見えない。

「L殿、そちらの殿方は?」

口調からして物静かな人物だ。

ウィルは第一印象を受けた。

「あぁ、こいつはウィル。俺の友人でHFIの新人だ。」

Lが軽く説明すると、男性は左目をウィルに向け、一礼した。

「そうですか、某はディルムッド・オディナと申します。HFIの戦闘班に属しております。」

「僕はウィル、よろしくディルムッドさん。」

軽く挨拶を終えるとディルムッドは用事があるらしくまた一礼して去って行った。

「ほれ、本部長が待ってるぞ。」

「あぁ。」

さっきのディルムッドとかいった人………いや、追及しないでおこう。

Lにディルムッドについて聞きたかったが、後で聞けばいいという結論に達し、思考から排除し、Lの後を追った。




そしてLの足が豪華な装飾がされたドアの前で止まった。

「…ここかい?」

「あぁ。」

軽く頷いたLは扉を蹴飛ばして中に入った。中は結構明るい。

上司の部屋だろうに。そんな扱いで大丈夫か?

心の中で呟いたウィル。

「アーサー、入るぞ。」

Lが来いと、首を振る。

従い、部屋に入った。

その瞬間、

「!」

左右からナイフがウィルめがけて飛んできた。

だが意思の力で灰にする。

Lはご苦労様とでも言いたそうな顔でウィルを見た。

「アーサー、新人を殺すんじゃねぇよ。」

「いや死んでないけど。」

即座に突っ込む。

すると、部屋の奥で男性の笑い声が響いた。

「いやぁいやぁ。失礼、Lから能力名が『全知全能(エルシャダイ)』とか聞いたから、つい。」

ウィルにナイフを投げた張本人は部屋の奥で椅子に座って笑っていた。

その男性は金髪に、ウィルと同じような人とは思えない程人間離れした美貌の持ち主だった。深海のように蒼い目がウィルの瞳を覗きこむ。

「早く自己紹介しろよ。」

Lに言われて男性は立ち上がり、ウィルに一礼した。

「初めまして。俺は、アーサー・バルキリラーヴァル・ペンドラゴンと申します。」

明日はサーバーメンテナンスがあるんで明後日以降に投稿しようと思います。

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