36 彼が求める『真実』
今回はほぼ会話だけです。
『天界児童同時殺人事件』について
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天界中で子供の悲鳴が聞こえたと近隣住民からの何十件もの通報で地元警察が現場に駆け付けた所、その家の児童が何者かによって殺害されていた。
被害は通報がなかった区域でも発生し、何百人の児童と二人の児童の親四人が殺害された。なおその現場の児童
『デザスト・デウス・ウィル』『祈妃凛』二名は負傷していたが、犯人を撃退したと思われる。
警察は調査をしたが、犯人どころか手掛かりすら見つからず、時効となり天界で発生した最悪の事件となった。
なお、襲われた『デザスト・デウス・ウィル』は天界議会最高議事長『天界神アーラ・ムー』に引き取られた。
天界 ウィルの書斎
「さて、そろそろ真実とやらを話してやるよ。ウィル。」
「是非、頼むよ。」
「じゃあ、まず『天界児童同時殺人事件』についてだ。
その頃、俺がいた所でも噂があってな。天界で大事件が起こるってな、その直後だ。事件が起きたのは。
俺はこの偶然に違和感を感じて独自に調査した結果、追放されて愛人まで殺された。俺が唯一愛した人をな。
話を戻すが、調査の結果『神の如き者計画』という言葉が出てきた。この計画は天界中の子供にある実験をする。両親に殺される状況でどういった対処をとるか。両親は子供を殺さなければ子供を殺すと脅迫して強制的にやらせた。警察の方にも手を回し、犯人に関する情報を消去した。
犯人は子供の両親だけどな。
結果、生き残ったのは二人。
お前と女、女はお前に助けられお前は女と自分の両親を殺した。
そしてお前は天界神に引き取られ、訓練を受けた。その結果ありとあらゆる事を意思で思い通りできる能力『全知全能』の習得に成功。
コードネーム『神の如き者』を与えられた。つまりウィル、お前が唯一の実験の成功例という事だ。」
「…………………………………………………………………フ、フフ、フ、フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!あれが!あの全てが実験だって!?しかも仕込んだのは天界神!?なんて事だろう!!僕が信用していた人物が黒幕なんてね……。」
「信用できないなら信じなくていいけどな。」
「いや、信じるよ。L、君はもう人間の枠を外れているねぇ。」
「いや、俺人間じゃないし。」
「さて、じゃあこの話は終わりにして『未来の破滅』について説明してくれるかな?」
「…………………………………………………お前だって知ってんだろ…………………近い内に世界はあらたなる幕を揚げる。破滅だ。」
「うん、僕も一回だけ『幻想歴史』で未来に行ったけど、荒れてたね。ナントカの拳みたいな世界だったよ。絶対未来はあぁなるだろうね。」
「分かってるなら、何故歴史に干渉して破滅の未来を変えようとしない?簡単だろう?」
「…………出来ないんだ。」
「何?」
「今、『幻想歴史』を使って破滅の未来を変えようとしたんだ。でも……干渉出来ないんだ。つまり破滅は確実に来る。どの世界線でも必ず。」
「世界線?」
「僕が勝手に付けたんだけど、世界線というのはその世界の『道』だ。
例えば僕達がいるこの世界をAとしよう。
このAという世界は真っ直ぐに時間の線を進めるはずだった。
そこで僕がAの世界の中間のX点という時間で人間を滅ぼす。
するとX点の時間から人間のいないあらたな世界線Bが生まれ人間が存分するAという世界線からBという世界線がΑと違う方向に時間を進む。
さらにΒの世界に干渉すれば、Bから二つの世界線『Η』.『Ρ』が生まれ枝分かれする。この繰り返しさ。
けど、どの世界線でも必ず破滅の未来になってしまうんだ。
何をやってもね必ず。
でもある世界線にだけ『幻想歴史』で未来に行けなかった。それが、」
「この世界って訳か。」
「そう、そこで僕は二人の青年に未来を託した。」
「成る程ね。そいつらに武霊が宿ったレーヴァテインとグングニルを渡したのか。」
「あぁ。さて、これで話は終わりだ。何か言うことはあるかな?」
「…………………えーとだな、デザスト・デウス・ウィル。『HFI』に入らないか。」
「HFI?」
「HFI、英雄達が世界を救う為に組織した集団だ。」
「……………………………………………………………………………………………………………………………………。」
情報収集が得意なウィルでもその名を聞いた事はなかった。
英雄達が集う組織、自分は英雄でもないし、ましてや神でもない。
HFIに入れば、確実な情報が手に入る。だが、それは自分を育ててくれた恩人に対する裏切りでもあるのだ。
「…………かまうものか。僕が求めた『真実』は全て貴方が原因だ。僕は………………………………貴方を殺す。
…………分かった。HFIとやらに入るよ。………………君は一体、何者なんだ?L。」
「……俺の何者かだって?
名前なら教えてやる。何千年も使ってなかったな。ウルを救うのに名前なんか必要なかったが、まぁお前になら名乗ってやるよ。俺の名前は、
「グレイアル・ルシファーク・オーディミナ・アルセヌスルパン・ロキ。中二病の腐れ親父から貰った中二くせぇ名前だ。」
ウィル「世界線の説明について分かりづらいと思うので補足するよ。
まず一本の線がある。
これはとある世界の道だ。
この線の真ん中ぐらいに右斜めの線が引かれる。
これが、歴史干渉によって生まれる世界線。
僕は生まれた世界線にも干渉して右斜め線から二つの世界を生まれさせ、枝分かれで進めさせる。
これが、世界線の説明かな。」
L「それでも分かりづらい人は感想等で文句、イチャモン、クレーム、バッシング、悪口を言ってくれ。」
「しかし、君のお父さんって中二病とかww 日常が大変だねぇ。」
「いや、もう死んだ。」
「え?」
「母さんが死んだのを良いことに女をナンパしまくってから、愛人ごとホテルをF117で爆撃してやった。
見事に生き残ったから、話を聞いていたら『男というものは女の尻を追い続ける性欲深い愚か者達だが、例え変態だったとしても変態という名の紳士なんだ。分かるか。アホバカクソマヌケのアホ息子よ。』
「分かるかってんだ!!……そこでデザートイーグルで顔をグチャグチャにして殺した。」
「君は人類最凶の息子だね。」