34 『混沌世界(カオスワールド)』
一話をちょっと編集しました。
あと、それぞれの話に何話目かを、付けたしました。
風魔とウィルがAVやら能力で騒いでいたその数時間後、
魔界の魔王城から南の方角に『魔天湖』という紅い水の湖があった。
魔界神曰く、この湖は昔魔界に攻めてきた天人を惨殺した血で染められたらしい。
そんな湖の辺りに天霧紅汰はいた。
その側に赤髪のオールバックの男性。
「いいか、お前なら出来る!自分を信じろ。怒りをパワーに能力を開花するんだ!!」
「はい!」
紅汰はここ一週間、能力開花の特訓をしている。
指導してくれるのは、魔界神の精鋭部隊『七つ大罪』の一人、怒りを司る魔神サタンだ。
「おぉぉぉぉぉ……………………。」
全身が熱くなると同時に両目に激痛が走る。
紅汰の能力を開花させるためには魔王の一族しか持たない『邪眼』の開花が不可欠なのだ。
「今だ!」
頭にイメージを浮かべ、能力を発動させようとする。
「いけ!お前なら出来る、絶対出来る!!そこで諦めんな!!もっと熱くなれよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
「おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
そして、浮かんだ。
『混沌』の世界を。
「『混沌世界』!!!」
叫んだ瞬間、二人の視界が真っ暗になった。
「…………あれ?」
気が付くと、荒れ果てた平原に紅汰とサタンはいた。
「良くやったぞ!!紅汰!お前は、遂に、能力を開花出来たんだ!!!」
「…これが、俺の、世界?」
何か想像と違った。
「とにかくこれで『天魔神拳』にも対抗できる!対決の日は近いぞ!」
「………あの、」
「ん?どうした?こんなんじゃ満足出来ないか。さらなる高みに行きたいか!それでこそ魔界神様の孫だ!」
「この能力、どうやって解くんですか?」
「は?」
大切な事に気付いた二人は紅汰の魔力切れまで混沌世界にいることになった。
その頃、風魔は天魔の部屋の前で究極の選択を迫られていた。
能力『究極紳士』を発動しグングニルの告白に自分も答えてしまった事を刹那に報告しようとした時、天魔の部屋の方からドンと大きな音がした為、ドアの前まで言ってみた所、天魔と男性の会話が聞こえた。
「おい、この前より胸でかくなってねぇか?」
「そうでしょうか?私としては変わっていない気がします。」
「いやいや、見れば分かるって。絶対でかくなってるよ。」
「あぅ、あぁ……………でも……私にはよく分かりません。こっちの方は大きくなったのは分かりますが……。」
「確かにそっちの方もでかくなったが、こっちの方がでかくなったと俺は思うが。」
と、こんな感じのカオスな状況が分かる気がする。
(どうする…………………………)
選択肢
1 突撃!
2 聞かなかった事にする
3 増援(刹那、乱季)を呼ぶ
……………1だな。
風魔はドアの軽くノックした。
「天魔さん、十六夜です。」
「どうぞ。」
唾を呑み込み部屋に入った。
「あー、天魔さん。実はさっき男性との会話が聞こえてたんですけど…………。」
天魔の部屋には自分を除いて二人。
天魔と黒髪の男性がいた。
しかも男性の手元には成人向け雑誌があった。
「L様、お客様の前ではそれをしまってください。」
「なんで?男たる者こういうエロ本は必要不可欠だぞ。見ない方がおかしい。」
「おかしいのはあんただろ、何女性の目の前でエロ本読んでるんだ!?」
「目の前じゃない!一緒に読んでた!」
は?え?あ?……………………………………………………………嘘だろ。
「じゃあさっきの会話は、」
「このエロ本のモデルの女がこの前の本より胸がでかくなってたのを言っただけだ!」
「じゃあ『こっちもでかくなった』とか言うのと天魔さんのうめき声は!?」
「あれは俺が天魔の翼を撫でたからだ。あ、お前もエロ本読む?二十冊持ってきたけど。」
「なんでそんなにあるんだよ!?」
「私の趣味です。」
「うぇぇぇぇ!?」