26 アンケートについての感想、メッセージ等が無かった件について『寂しいな。』
…………………………………………………………………………今回は短めです。
「意思か…………。」
私は自らを天人と名乗る男に言われた言葉を帰ってからもずっと考えていた。
椅子に座り、木製の天井を眺める。
その時、私の部屋のドアがノックされた。
「刹那、少しいいか?」
この凛とした響きのある声、月詠だ。
「あぁ、入ってくれ。」
ギィィと嫌な音でドアが開く。
月詠がドアから現れる。
純白の着物、最初会った時は幼かった顔も今では私、天魔以上の美女だ。
そして月詠みが十一年間、月詠の膝まで伸ばした銀髪が陽光を受けて月詠の美しい容姿をさらに美しくさせる。
「刹那、今日は貴方に大切な話がある。」
「私もだ。月詠に言いたい事があった。」
月詠に椅子に座るよう促すが、月詠は立ったままだ。
「刹那、私……実は………………………………………………………………………………………………………………貴方を今までずっと母親だと思っている。これからもだ。」
「何だ?じれったい。お前は私の娘だろう。遠慮する事などないぞ。」
何を言っても私は動じない。
絶対にだ。確信があった。
「…ありがとう。刹那、私…………………………………………………………結婚したのだ。」
「………………………何?」
思わず聞き返していた。
「結婚した。もう子供もいる。」
「なん…………だと?」
動じてしまった。
そういえば最近、山からの外出が多くなったり、月詠の腹が妙にでかくなったと思ったが、あれらは男に会いに行くためと子供が出来ていたからか。
「そうか…………相手は人間か?」
「いいえ、魔神よ。」
魔神………………。魔界の深底部にある天空神を幽閉した牢獄『タルタロス』の守護者達か。
「彼の名前はアーク。『タルタロス』の最強守護者よ。『ゴットイーター(神狩り)』なんて呼ばれているわ。」
呼び名など関係ない。問題はアークとやらが月詠を守れるかだ。
「月詠、今アークは何処にいる?」
「刹那に紹介したいから天魔様の部屋にいる。」
私は何か言っている月詠を無視して、大量の殺気を発し、天魔の部屋に向かった。
過去編はあと三話ぐらいで終わりです。