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俺と神様の異世界冒険記  作者: サイトゥー
第一部 始まりに至る物語
21/113

24 最近、良いタイトルが思いつかない

更新遅れたね。申し訳ない。

話をしよう。前回、鬼神、名前は忘れたけど言った通り、今回は月詠と刹那の過去の話だ。






あれはいまから……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………まぁいいや。僕にとっては時間はどうでもいいのさ。


彼女には何十通りもの名前があるけど、やっぱり皆が知っているのは………『風魔月詠(ふうまつきよみ)』だったね。

彼女の産まれは妖怪の山付近にあった人里。彼女は風魔小太郎、一番有名な五代の娘なのさ。

北条氏が豊臣に降伏して僕は氏政氏から頼まれて北条氏の一族を異界であるこの世界に送ったのさ。

もちろん五代目の風魔小太郎もね。

彼女の周りは養子とか結婚とか、そういう話が多かった。

そこで彼女は悟ったのさ。

このままだと自分の人生が歩めないんじゃないかってね。

勝手に他の家の子供になって。

勝手に誰かの嫁にされるって。

そこで彼女は頭の良い天狗に自分は何なのかと聞きに行ったのさ。

死ぬ覚悟でね。

産まれ付き、足が悪かった彼女が何度も転ぶ姿はホント、痛々しかったよ。

僕の力でなんとかしてあげようと思ったけど、なんとなく邪魔してはいけないと思ってね。

見守るだけにしたよ。


案内役として幼い彼女に惚れてた同じ歳の子供達を連れて、彼女は妖怪の山を登った。


そこであいつと会ったのさ。









最恐の九尾とね。















妖怪の山


当時の事はよく覚えていた。

久しぶりに人間の子供が侵入したと天狗から報告があって私は早速、殺しに行ったのだ。

「月詠ちゃーん、早く~。」

四人の子供の数十メートル後ろには息切れした銀髪の人形はような顔立ちをした子供がイライラするようなスピードで必死に追い付こうとしていた。足が悪いらしい。

私は木の幹に座り、その様子を見ていた。

「はぁ……はぁ……はぁ……。」

ようやく追い付いた所を見計らって、私は五人の人間の前に現れ、殺気溢れる目で人間達を一瞥した。

私の目と九つの尻尾を見た人間達が驚く。

「よ、妖怪だぁ!」

「逃げろぉ!」

四人の子供が一斉に私に背を向け、逃げ出した。だが一人、銀髪の子供だけ逃げず、私の目をジッと見つめていた。



私は思わず話し掛けた。

「どうした人間、逃げないのか?」

「逃げる?何故逃げるの?」

子供の思わぬ言葉に眉を歪める。

「私は妖怪だ。お前達人間を殺し、喰らうのだぞ?」

「そうなの?私貴方が人を殺すなんて信じられない。」



私もだった。

人間が、敵が、この私『魂狩り』と呼び恐れている人間のたった一人、貧弱そうで、私が触れれば音も立てずに崩れそうな子供が、私が人を喰らうのが信じられない、だと?

人間にそんな事を言うやつがいるのが信じられなかった。



「ねぇ、貴方の名前は?」

「神己刹那だ。」

思わず答えてしまった。

「刹那さんかぁ~。私は風魔月詠。よろしくね。」

「……月詠とやら、何故私が人を喰らうと信じられないのだ?」

私の問いに子供は無邪気に笑った。



「だって刹那さん、綺麗な目をしているし、優しそうだもん。」

私はこの言葉を聞いて無意識に高揚していた。同年代の鬼神や天狗の長からは色気がまったく無いとかでいつもからかわれていた私が優しい、だと?

この人間ともっと話がしたい。

素直に思ってしまった。



「月詠とやら、貴様何故此処に来た?死に来たのではあるまい?」

「うん。天狗さんにね、教えてもらおうと来たの。」

天狗か……大体の奴等は私の事を嫌っているらしいな。まぁ、誰にでも殺気を向ける妖怪などに好意を持つ訳がないな。

嘲笑的な笑いを洩らす。




「……そうか。それで、聞いてどうするのだ?」

「分かんない。でも家に戻るのは嫌。」

「ならば……此処に住むか?」

……待て、私は一体何を言っているのだ?会ってから数分しか経っていない人間にこの妖怪の山に住めなどと言ってしまった。

何故だ?私自身に問い掛けるが、もちろん答えは帰ってこない。



「良いの?私は人間だよ、刹那さんに迷惑がかかるよ。」

確かに人間の月詠が山に住めば、当然私は他の妖怪から批判されるだろう。

だがそれがどうした?批判される事など馴れている。

それに妖怪の山から追い出されても修羅を頼ればいい。

「迷惑などかからん。来い。」

私は月詠に右手を差し出す。



月詠はゆっくりと手を伸ばし冷たく、小さな手で私の手を弱々しく握った。

私はそのまま月詠を持ち上げ私の両腕で包んだ。月詠が私の胸に寄りかかる。



「まず、厄介な天狗どもに挨拶にでも行くか。」




天狗の館

「良いですよ。私は反対はしません。」

「「「「天魔様!?」」」

予想外の言葉に天狗の幹部三人が席を立つ。

私は月詠みを連れ、妖怪の山を仕切る三人の妖怪の一人、天魔こと炎椿の所に向かった私は椿に月詠について話をすると早速、幹部と天魔、鬼の長酒呑乱季達五人で会議が行われた。

「ほぉ、天魔一体どういう風の吹き回しだ?」

天狗の長なのだから一応頭は回るのだろうと警戒して聞いてみる。

「いえいえ。私はだただ…刹那様が興味を持った人間に興味がありましてね。」

「あたしも~刹那が人間連れてくるなんて天と地が引っくり返るぐらいの一大事だからね。興味があるよ。」

私は冷笑で幹部達を嘲笑う。

「フフフ、決まりだな。天狗ども。月詠に手を出せば羽を引きちぎって、魂狩りの真髄を見せてやろう。」

「ぐ………………。」

私は月詠を抱いたまま自室へと向かった。

過去編は後、何話かやります。

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