23 中学生だけでカラオケに行くと親に怒られる
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魔界
紅汰とルーシャは魔王城の隅にある道場に来ていた。だが、
「うん。よく来た!私はこの地獄道場の師範メフィストだ。二人ともよろしく頼む。」
師範が幼女だった。
だが、黒髪で凛とした顔立ちはメフィストがどれだけの手練かを証明している。
「えーと、天切紅汰です。」
「アーサー・ルーシャ・ペンドラゴンです。」
まずは自己紹介を済ませる。
「うん。じゃあ修業のスケジュールを発表するよ。」
メフィストの言葉に二人の顔が引き締まる。
「まずは朝、七時に集合。道場の中を軽く三十分間走る。終わったら九時半まで防具を着て二人で打ち合い。で三十分の休憩後、二時間の戦闘知識の勉強。そして一時まで昼食と休憩。休憩終了後、また軽く道場の中を三十分間走る。そして三時まで魔法、能力の発動練習。四時半まで体術等の練習後、五時まで休憩。最後に一時間私と打ち合い。以上だ。」
「け、結構ハードですね……。」
「何せ相手は天魔神拳の使い手だからね。気を抜いたら一撃で殺られるよ?」
メフィストが二人に竹刀を投げ渡す。
「まずは走るのはいいから二人で私が良いって言うまで打ち合って。防具はここにあるから。」
メフィストの足元に防具が出現した。
二人は頷きあって修業を開始した。
妖怪の山 深部
「はぁ…はぁ…はぁ……無理。」
「ん?どうした風魔、もっと熱くなれよー。」
深部には風魔十六夜と妖怪の山の鬼の長、で風魔の師匠、酒呑乱季『自称絶世の美女』と特訓をしていた。
理由はもちろん勝つためだ。
風魔が紅汰に勝てば解放してもいいと、刹那から言われたからだ。
昨日、天魔の魔の手から逃げる為必殺技『ハリウッドお邪魔しました』を発動し見事、脱走に成功したかと思ったが、見回りの天狗に見つかり今のザマである。
「師匠!何で岩砕きなんかしなくちゃいけないんですか!わざマ●ン使えばいいじゃないですか!!」
ここ二時間、風魔はずっと二メートル程の岩を拳で砕こうと頑張っているのだが、普通の男子高校生に岩が砕ける訳がない。
「いいや。お前なら出来るさ!なんたって月詠の孫なんだからださ!!」
「んな無知な……。」
ぶつぶつと文句を言いつつ岩に拳をあてる。
痛いだけで岩にはヒビ一つ入らない。
「だいたい、俺の婆ちゃんだって元々人間だったんでしょ!」
「うん。凄く細~い女の子。確か刹那が連れて来たんだっけ。」
当時の事を思い出すように空を見上げる乱季。
「元々は近くの村の人間だったけど、友達と一緒に山に入って来たのさ。刹那は何か月詠に言われたらしいね。人間を見たらすぐ殺す刹那が送り届けたんだよね。」
「へぇー。あの刹那さんが。」
刹那の意外な行動に驚く風魔。
乱季はニヤリと笑い、持っていた杯に口をつける。
「じゃあ次回は月詠と刹那の過去編だよ!その内に時間を進めるよ!
次回!『絶世の美女は鬼神!?』皆、お楽しみに☆」
「いや師匠、違います。タイトルそんな真面目じゃありません。」