22 実はついさっき『G』をトイレに流してやった
今回短いね。まぁいつもの事だな。
魔界 魔王城 魔王室
「ウィルから話は聞いているよ。修行に魔界を選ぶなんて、変わった人だね。」
ウィルに魔界に送られて、すぐにこの部屋に着いた。
今、紅汰とルーシャの前で血みたいに赤い紅茶を飲んでいるのが、魔界神らしい。
紅汰のように体が細く、紅い長髪。真紅の瞳が特徴のイケメンな男性だ。
ちなみに、背中にはでかい翼がある。
「友達を助けたいが為に魔界で来たその勇気は認めるよ。でもね、それでも此処は君のいる場所じゃないんだ。アーサー・ルーシャ・ペンドラゴン。」
「何故私だけなのですか!?」
ルーシャが猛反発する。
「紅汰は悪魔だからさ。君はただの人間。」
ありえない魔界神の言葉に紅汰が聞いてみる。
「俺が悪魔?」
「そう。君は僕の娘の子供だからね。簡単に言うと魔界神の孫だね。」
言葉が消えた。衝撃すぎたからだ。
「さて、その話は置いといてじゃあ紅汰に僕が質問する。彼が僕の満足する答えを出してくれたら、僕の伝で修行させてあげるよ。」
「……分かりました。」
魔界神が微笑を浮かべる。
「じゃあ聞くよ。実はこの映像なんだけどさ。」
魔界神が指差すと同時に止まっていたテレビが再生し始めた。
「…………。」
そして映像が終わると魔界神は紅汰に向き直った。
「この映像は一体何なんだ?妻と見たんだけどよくわからなくてね。」
映像はテレビから長髪の女性が人を襲うという内容だ。
「えーとこれは、ホラーと言って人を怖がらせる為に作られた映画です。これは…………………………」
紅汰は自分の知識を振り絞って魔界神にさっきの映画を説明した。
「へぇ~。そうなんだ。分かったよ。天切紅汰、アーサー・ルーシャ・ペンドラゴン、君達に地獄将軍の修行をさせてあげようじゃないか。」