20 世の中には気の合う女子が一人ぐらいいる
連続投稿だぜ、やっほぉぉぉぉぉい!!
天狗の館
天狗A「なぁ。魂狩りが連れてきた例の人間、天魔様の部屋にいるんだっけ?」
天狗B「あぁ。」
天狗A,Bは顔を見合わせ、頷く。
そして巡回する筈の通路を外れ、最上階の天魔の部屋へと周りの目を気にしながら行ってみる。
天狗A「逝くぞ、相棒!!」
天狗B「おう!」
二人で天魔の部屋のドアに耳澄ませる。
『ちょっと、本気と書いてマジと読む。マジで辞めてください!!
『よいではありませんか。今宵は存分に楽しみましょう。風魔様。』
『いや、あんた仮にも天狗の長だろ!?こんなことしていいのか!!?』
『あぁ。風魔様のお腹はとても柔らかいです…………。』
天狗A,B(なん……だと!?)
二人は部屋から聞こえる男の声と、機嫌がもの凄く良い自分達の長の会話に唖然としていた。
『天魔さん!いい加減にしないと俺の必殺技が炸裂しますよ!?』
『どうぞどうぞ。ただし、失敗したら貴方は汚れるということを認識してくださいね。』
天狗A,B(汚れる!?)
耳をドアにくっつけて聞こうとしたが、天魔が小さな悲鳴を挙げた。
おそらく突き飛ばされたのだろう。
『ならば見るがいい!!この暗黒の飛翔を!!ハリウッドぉぉお邪魔しましたぁぁぁー!!!天魔さん、また会おう!』
男の叫び声がした直後、ガッシャャャーンとガラスの割れる音がした。と同時に男の悲鳴も聞こえた。
『なんでこんなに高いのー!!?』
ここ天狗の館は実の所、妖怪の山と呼ばれる山の頂上の平地に建っている建造物だ。つまり、普通の人間が最上階からガラスを割って逃げると五階建てのビルから飛び降りると同じで足が粉砕☆するか、死ぬか、生き残っても巡回中の天狗に見つかるの三択だ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!!」
天狗A「相棒、戻るぞ……。」
天狗B「あぁ。」
「し、死ぬかと思った……主人公補正がなければ死んでいた……。」
何故か、風魔は無傷だった。
足が折れる音もしなかった。
「さっさと逃げないと、また…食べられるな……。」
風魔は天狗に見つかる前に山を降り始めた。
「……お約束だけどどっちに行けばいいんだ?」