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第3章 文学を学ぶ環境


最初の二年間。修一は大学の授業を受けながらも、毎週日曜日、休日、さらには春休みと夏休みの毎日、実家の野菜作りの作業を手伝うことが義務であり日課であった。

雨が降ると作業はお休み。その時を利用し、修一は多くの小説を読んだ。若くして、晴耕雨読の暮らしを送った。

修一は広い平野に位置する都市に住んでいた。気候は温暖で雪も降らず、一年中を通して野菜の栽培と収穫が可能であった。週末は多忙な暮らしであった。

芥川の一つの短編を読むことは、高等な知的賢さが身に付いた気になった。

印象に強く残っている作品は「藪の中」と「羅生門」。黒沢明監督が映画「羅生門」の脚本にした元の小説である。一つの出来事を違う者が伝えると、真実が自分に有利に成るように、別なことを語るストリーは、若くして読んだ者たちが利口に、あるいはずる賢くなる成る契機を与える物語であると思った。描かれている内容は社会に出てみると、当然に幾度も出くわす場面だった。しかしながらその事態に直面しても、このような知的体験があり、修一は狼狽うろたえることはなかった。

そして、「河童」、「蜘蛛の糸」、「鼻」などの作品も新鮮な記憶とし残っている。


大学入学から2年生の終わりまでに、修一が芥川龍之介集や太宰治集を読むと同時に、主に文庫版を通学電車の中で読んだ印象深い記憶に残る小説群は次の通りである。

・尾崎士郎;人生劇場<青春篇、愛欲編、残侠編、風雲編>

・久米正雄;学生時代

・倉田百三;出家とその弟子

・石原慎太郎;太陽の季節、星と舵、亀裂、

・石川達三;青春の蹉跌

・石川啄木;一握の砂、詩集

・下村湖人;次郎物語

・夏目漱石;坊ちゃん、隋筆集:夢十夜

・パール・バック;大地

・ボードレール;詩集惡の華

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