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ずっと、ここに6
ずっと、ここに6
直哉と関谷は一階に降りて行き、リビングのソファに座った。
直哉は経過を話した。
「おそらく、記憶喪失だろう」
関谷は呟いた。
「やっぱりそうなのか。そんな予感はした。どうすればいいのだろう。彼女は警察は嫌だと言っている」
直哉は困惑した様子で関谷に尋ねた。
「外に捨てるわけにはいかないだろう。お前の家の部屋余ってるなら、しばらくここで療養させたらどうだ。治療経過は俺がサービスで見るよ」
「部屋は余っているから、それでもいいが。記憶喪失って‥記憶はどのくらいで戻るんだ?」
「はっきりとは分からないが、彼女の状態を見ると、おそらくそんなに時間はかからないと思う。何かのきっかけで戻るだろう」
関谷の提案に、直哉はこれも人助けになるのならと思った。
「じゃ、俺、帰るから。何かあったら連絡してな」
関谷は玄関に向かった。
「ありがとう」
直哉は関谷の背中に向かって言った。
その後、そのままソファで深い眠りに入った。