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ずっと、ここに17
ずっと、ここに17
その日の夜、夕食を朋子と食べていた。
白身魚の煮つけを作ってくれた。
こうゆう和食も上手で美味しい。
「美味しい。朋子さんはなんでも上手だね」
直哉は素直にそう言った。
「私と元の奥さんって似てるの?」
朋子は急にさりげなく聞いてきた。
「えぇっ、なんで?」
「昼に来ていたお友達が言っているの聞こえてたんだ」
「そうか」
「似てるの?」
再度聞いてきた。
「似てると言えば、似てるかも」
煮え切らない答えだ。
「じゃあ、私に過去のこと謝って、私が許せば、元の関係に戻るんじゃないの」
直哉はその理屈が理解できない。
「謝ってみれば」
朋子が少し怒った感じで言った。
「本当に申し訳なかった。反省している。もうバカなことは絶対にしない」
せかされたような感じだったが、直哉は真摯な気持ちで言った。
それを見た朋子は微笑みを浮かべ、後ろを向いて、洗い物を始めた。