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第14話 二人の騎士

 フェルディア伯爵家に仕える人々に伝えたかったことは、問題なく伝え終えることが出来た。

 執行猶予のようなものだが、改心したことは一応納得して貰い、今後の姿勢を見てくれるということにも決まった。


 その後は皆も仕事があるため、解散し通常の業務に戻ってもらうが、個別に用がある人たちがいる。


「皆さん、話を聞いて貰いありがとうございました。この後は通常の業務に戻ってもらって構いません。………ただ、コーディーさんとレクターさんは個別で少し話があるので、もう少し残って貰えませんか?」


 俺の言葉に従い、皆はそれぞれの仕事場へ去っていき、その場に残ったのは俺が呼び止めた二人とセドリックだけだった。


 その後、手近な部屋に入り話を再開するが、


「セドリックさんも残って貰って、すみません」

 

 セドリックまで残って貰ったことに礼を言うと、


「いえ、この二人にする話ならば、私も居た方が都合が良いでしょう。お気になさらず」


 セドリックが残ったことから予想出来る通り、俺が話があると告げた二人は、フェルディア伯爵家騎士隊の若い騎士達だった。


 二人に向き直り、早速話を始める。


「まずは、お二人とも残って貰いすみません。このことも話は通しているので」


 他の人よりさらに拘束してしまっていることに謝り、許可を取っている旨を伝える。


 そして、


「では本題ですが、昨日の件ではご迷惑を掛けてしまい、申し訳ありませんでした。改めてお詫びします」


 昨日の件、とはつまり俺が気絶した原因。

 騎士を巻き込んで模擬戦紛いのことをしようとしたことである。


 そして、その時に巻き込んだ騎士というのがこの二人である。

 二人を呼び止めたのはこの件について、個別でしっかりと謝罪したかったからである。


 俺がそう言い頭を下げると、二人は驚き少し呆然とした後、


「いえいえ、頭をお上げ下さい!」


「そうです、私たちの責任ですので!」


 コーディー、レクターの二人が酷く恐縮した様子でそう言ってくる。


「いえ、昨日の件は完全に俺の責任ですので。謝らせて下さい」


 そう言って頭を下げ続けると、俺の意志が固いと悟ったのか、


「………分かりました!謝罪を受け入れますので」


「私もです。ですのでどうか頭をお上げ下さい!」


 これ以上は逆に迷惑になるため、頭を上げる。


「ありがとうございます。……それと、当たり前ではありますが、お二人の責任が重いものにならないように父上には掛け合っておきましたので」


 先程は完全に俺の責任と言ったし、俺自身そう思っているが、二人に何の責任も無いかと言えばそうはならない。


 ラースは伯爵令息であり、実際はラースに100%非があるとしても、怪我をさせ気絶までさせた責任がその場にいた騎士に向かうのは当然のことでもある。


 元凶である俺としては申し訳無い気持ちしか無いが、貴族家に仕えるとはそういうことであり、貴族相手ではどうしようもない理不尽が存在する。


 二人の処遇は解雇されてもおかしくない程であったが、ライルに掛け合いなんとか軽い処罰で抑えて貰った。

 まあ、善良な貴族であるライルとしても、流石に情状酌量の余地を残したとは思うが。


 するとそこで、


「とはいえ、この二人になんの責も無いとはなりません。ラース様が掛け合い、厳重な処罰にはならないが、コーディー、レクターの二名には騎士隊として罰を与える」


 セドリックが二人にそう告げる。


「お二人とも、本当にすみません」


 完全に罰が無くならなかったことに対して、二人に謝罪すると、


「いえ、先程も申し上げた通り私達の責任ですので」


「はい。処罰は如何様にも受け入れます」


 二人は全く不快に思っていない様子でそう言い、


「「こちらこそ、誠に申し訳ありませんでした」」


 俺に向かって謝罪までしてきた。


 

 実直で、人の良いこの二人に迷惑を掛けてしまったことに改めて罪悪感を感じるが、今はこれ以上はどうすることもできない。

 今後、真面目に生きることでお詫びとするしかないだろう。


 

 こうして、コーディーとレクターに対する話も終了し、セドリックも含め三人にも仕事に戻って貰い、俺も離れへと戻った。

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