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オタクな令嬢はヒロインの原作改変に異議を唱える  作者: リィズ・ブランディシュカ
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第2話 原作改変しまくるヒロイン



 貴族令嬢に転生した私は、毎日感動していた。


 推しが目の前で生きて動いているって、尊い。


「ああっ憧れの推しが生きて動いて、しかも微笑んでいる所をこの目で見られるなんて」


 ゲーム画面で見る推しと、実際の目で見る推しに違いがあったらどうしようかと思ったが、相変わらず推しはキラキラしていてかっこよかったからもう全てが幸せだ。


「はぁ、お近づきになりたい」


 けれど、面と向かって話しかける勇気はないため、毎日遠くから眺めるのみだ。


 乙女ゲームの世界に転生したのに、なんてもったいない事だろうか。


 しかし、そんな日常が変わるのは早かった。


 転生者は私だけではなかったのだ。


 ヒロインも前世の記憶を持っていた。

 しかも、「ルナティック・ホルダー」のプレイヤー。


「まさか私が、ルナティック・ホルダーの世界に転生するなんて!」


 そのヒロインは、原作知識を活かして、よりよいエンディングを迎えようとしているらしい。


 それで、頻繁に原作から外れたことをしようとする。


「彼のトラウマをなくしてあげなくちゃ」


「彼が失敗しないようにフォローしてあげなくちゃ」


「彼が怪我をしないように守ってあげなくちゃ」


「彼が人を信じられるようにしなくちゃ」


「彼が明るく生きていけるようにしてあげなくちゃ」


「彼が」「彼が」「彼が」


 こんな具合に思いついたはしから、原作を変えていく。


 私達はこの世界で生きている。


 だから、「目の前の人間が不幸になるのを知っているのに、何もせずに放っておけるわけがないわ!」という気持ちは分かる。


 分かる、のだけど。


 うかつに原作を変えてしまうと後々大変な事になってしまう可能性があったので、大幅な改変はおすすめできないのだ。


 ファンタジーありの中世風ゲームであるこの「ルナティック・ホルダー」では物語の最終パートで大昔に封印されていた邪神が復活する。

 けれど、その時に攻略対象達が太刀打ちできなくなっていたらどうするのだ。


 私は、深く考えもせず気軽に原作ストーリーを変えていく彼女の行為を心配していた。



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