1/7

第1話　乙女ゲーム「ルナティック・ホルダー」

　私は乙女ゲームオタクだ。

　気に入ったゲームは必ず周回していた。

　クリアした作品は数知れず。

　乙女ゲームを床に積めば、部屋の天井に達するくらいの数があった。

　そんな私が、今までやってきたゲームの中には、いくつかのお気に入りがある。

　その中でさらに、一番のお気に入りをあげるとすると、「ルナティック・ホルダー」というゲームがベストオブベストだろうか。

　その内容は、非常によくできている。

　昔々の大昔、月で生活していた古代人がいた。

　その古代人は不思議な力が使えるらしいけれど、色々あって死んでしまう。

　そして時はかわって、現代。

　その力を引き継いだ人物がいる（それが攻略対象達だ）。

　そんな人達と恋愛するというのがこのゲーム「ルナティック・ホルダー」。

　幻想的な古代神話パートと、現代パートを交互にプレイしていくと言うのが基本の流れ。

　普通の人には存在しない前世について悩む攻略対象達が見どころだ。

　奥深いシナリオは、何週しても飽きなかった。

　そんな私は、立派な「ルナティック・ホルダー」のオタクだ。

　様々な設定を理解しているといっていい。

　そんな私が、「ルナティック・ホルダー」の世界に転生する事になったのは、幸いだったのだろう。