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不思議の世界へ

作者: 白萩アキラ

世界はいつか終わってしまう

小さな世界も消えてしまう





影は奥に行ったり手前に来たり

左にも行って右にも向かった

そんな影たちを何度も集めて遊んでいた

不思議を相手に戯れていた


体育座りをしながら床ばかりを気にして

体育館のテカテカした木の床に

手のひらを付けたり離したりして

影の集約する不思議に触れていた


集会のときのことだったか

一人の世界で腕の上げ下げを繰り返し

しばらくして頭の上に目を向けてみても

広い天井の照明たちが眩しいばかりで

手元の不思議は色濃いままで


先生の話だって聞こえないほど

世界に一人だけだった


世界に独りだけ


思い出されるのは重なり合った影の色

私一人の影の色

集まってきた影の色

ひとつだけ青みがかっていたような

ひとつだけ何かを透かしていたような

指がぶっといやつもいれば

手首がほっそいやつもいて

消えちゃいそうなやつもいるし

なんだかしつこいやつもいる

そんな気もするようないろ

わたしひとりのかげのいろ





ただいまって言ってみたくなりました

誰に頼みましょうか

行ってらっしゃいと追い出してください

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