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髪切り事件2 私変身しました。

ローリングに呼ばれて、部屋に向かいながら事件の事でピリピリしている兄の八つ当たりを思い出す。昨日ローリングに

「お前が行って髪切られてこい!」

あれは本気で言ったんじゃない。捕まらない犯人に苛立ち、手ぶらで帰ってくる団員に苛立ち、内通者疑惑に苛立ち、早くなんとかしないと兄の機嫌が日に日に悪くなっていく。もちろん被害に合う女性達の為にも早く犯人を捕まえないと。

ローリングの部屋に着きノックをすると

「開いてるわ、入って」

中から声が聞こえたので、ゆっくりと扉を開ける。

「緊急の話って、え?」

動きが止まる。ローリングの隣に見知らぬ少女がいた。かなりの美少女だった。腰まである長い金髪に大きな黒目、薄いピンクの口紅が白い肌によく似合っている。ドレスと靴も淡いピンク色で、ふんわりと膨らむ膝丈スカートから細く白く脚。

誰だろう?ローリングを見ると

「彼女はティアラよ」

ティアラと紹介された少女は

ペコリとお辞儀をする。慌てて中に入り扉を閉め、背筋を伸ばし挨拶をする。

「はじめまして、ティアラ。僕はアーサークライス宜しくね」

そう言った後、これは何だと友に目線を送る。まさか緊急だと人を呼びつけておいて女性を紹介する為じゃないだろうね?もしそうならすぐ帰るよ。そんな事をしている暇はない。そう思って返事を待っていると、

「うっふふふふ、やったわ!大成功よー!」

ローリングが叫ぶと

きゃー!と2人ハイタッチでやったやったと跳ねて盛り上がる。

どこかで見た光景だなと思って、ハッとする。

「ま、さか・・・ユリぃ!?」

声が裏返る。

「「ピンポーン♪」」

2人揃ってグーと親指を突き出してくる。

「えっ、右目の下にあったホクロは?」

ユリの特徴の一つである右目下あるホクロがなかった。

「お化粧で隠したのよ」

ローリングが自慢げに言う。

さすがだ、全然気づかなかった。だけど、これでローリングが何をしたいのかが分かる。

「ユリを髪切り事件の囮にするんだね?」

確認すると、

「えぇ、ユリ程適任はいないわ、それに事件が解決すれば次のステップアップのポイント稼ぎにもなるでしょ?」

なるほど、ユリのランクアップの為にもなるって事か。

「分かったよ、じゃアベルに言って許可取らないと」

「ちょっと待って!ただ許可貰いに行くのはつまらないわ、ちょっと耳貸して」

3人で集まってローリングの話に耳を傾ける。

「えぇ?なんでそんな事する必要があるの?」

「昨日の八つ当たりのお返しよ!」

あ、根に持ってたんだ昨日の事。けど間に挟まれる僕の身にもなって欲しい。はぁ、と肩を落とす

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