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コード・ナンバーズ  作者: 皆沢実那希
噂と幼馴染とコード001
3/3

03

  

 現在地、雨宮家の目の前。


@@


 普通に着いてしまった。家の見た目も俺が元居た世界と全く同じ外見だ。名前の所にちゃんと「雨宮」って書いてある。


「俺の世界では、両親共々海外で出張に出かけて俺一人で暮らしてた。この世界の俺も同じだったのか?」


「うん。ってか多分殆どが同じじゃないかな。裏世界と言っても、世界の法則がガラリと変わる訳じゃないと思うし。」


 そういうものなのだろうか?てか、世界の法則はかなり変わってる気がするが……。

 

 念のため、インターホンを鳴らす。


「…………」


「居ないみたいだね。」


「ドアは……。」


 ガチャ。


「鍵、掛かってなかったね。」


「ちゃんと鍵位閉めてくれ、この世界の俺。」 


 玄関に入ると、いつもの見慣れた我が家だった。

 

 何か目元が熱くて視界がぼやける。


「あれ?泣いちゃった!?私何か悪い事した!?」


「泣いてねえし!それにお前は、取り返しのつかない事をもう既に俺にやってるだろうが!」


 無理な強がりを返し、顔を隠すように佳奈美の反対側を向き、服のの袖で目を擦った。


「何したっけ?」


「あーもう!!さっさと入るぞ。」


「あー待ってよ。」



@@



「何処にもねぇじゃねえか、手紙なんて!?」


 家中探してあれこれ一時間が経過したが、手紙が何処にも見当たらない。


「おっかしいなー?有ったと思ったんだけどなぁ。」


「何処で見たんだよ?」


「貴方の部屋だよ。」


「お前読んだ後それどうした?」


「読んだ後、手紙が入ってた封筒に戻して、それから誰かに見つからない様にする為に、私のポケットに……って有った!自分のポケットだった!やっと見つけたよー。」


「今まで此処に来るまでの時間と探した時間を返せ!!」


「まぁまぁ、見つかったんだからいいじゃん。はい。」


「一人で読みたいから自分の部屋に行く。お前はリビングに居ろ。」


「分かった。じゃあ終わったら教えてね。」


 玄関でそれぞれに別れた。


 自分の部屋に入ると、俺は封筒から手紙を取り出し、読み始めた。


(コレを読んでいるという事は、今俺は、お前達の元には居ないだろう。だがグズグズしてる暇は無い。まず、コレを読んだら一緒に置いてあるコード・ナンバーを使ってパラレルワールド行き、その世界の俺にバングルを付けて連れて来て、コレを読ませてほしい。そして、コレを読んでいる俺、バングルのインストールが完了したら、六七五Enter……とコード認証しろ。仲間にも話していない秘密が分かる。じゃあ宜しくな。   この世界の雨宮真司より。)


『インストールが完了しました。貴方のコード・ナンバーはゼロゼロイチです。』


 手紙を読み終えると同時にインストール完了のコールが鳴る。


 でもここからどうすればいいんだ?

 

 正直このバングルの使い方が分からない。


 佳奈美に聞いてみるか。



@@雨宮家一階リビング。



「佳奈美聞きたい事があるんだが?」


「んー?何?」


 ソファーに寝っ転がりながら、スマホを弄っている佳奈美に問いかけた。


「さっきコレのインストールが完了したらしいんだけど、使い方が分からないから教えてほしい。」


「あー、そういえば説明して無かったっね。取り敢えず基本的な使い方を教えるね。まず、もう既に知っていると思うけど、このバングルはコード・ナンバーって言って、特定のコードを入力すると……ヒーローで例えるなら変身できるんだよ。」


「変身?」


「うん。通称オープン・ロックシステム。バングルに指を当てて、『コード・ナンバー』って音声認証した後に、自分の番号を認証すると、バングルから光の粒子が飛び出して、その後に『ロック』と認証すると粒子が自分の体に集まって、光が弾けると変身完了。」


 正直、信じられない。だが、実際に時空を超えるバングルが存在する以上、信じるしかないのだろう。


「他には?」


「えーと、変身した後に『アタック・コード』が有って、それを認証すると必殺技が使えるよ。」


「そもそも何でそんな闘う様な機能が付いてるんだ?」


「さぁ……私も知らないで戦ってきたから正直分からないや。」


「この世界の俺からは何か聞いて無いのか?」


「いや、特には何も聞いて無いよ。」 


 佳奈美は笑いながら後ろの頭を掻く。


 多分、このバングルについてはこの世界の俺は知っているだろう。何も言わずに仲間の前から姿を消したのだから。それに手紙に書いてあったあのコードもきっと関係あるだろう。


「見本見せてあげるから外に出よう。」


 バングルの使い方を見せてくれるらしい。


 俺は承諾の返事を返し、佳奈美と家から出た。


 



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