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樹海15



「お呼びして、すみません。お仲間と久しぶりの再会だったのに……。」


「いや、こちらこそすまない。仲間がやった事とはいえ、村にも被害が出てしまって……。償いをしないとな。」


「いえ、それが、逆なんです!!確かに村に被害は出ました。怪我人も軽傷とはいえ出ています。ですが、それを吹っ飛ばす位の事が起こりました!!」


 興奮した様子のアルヴ。


「どうした?ツバキを出せとダークエルフ達が言い出したのか?」


「いえ、そうなんですけど、違うんです!!」


「意味が分からない。少し落ち着け。」


 少し間を置き、息を整えるアルヴ。


「いいですか、アキノさん。ついに、ついに!!戦争がなくなります!!!」


「本当か?それはいい事だが、話が見えない……。」


「ああ、すみません。アキノさんのお仲間が森の一角を吹っ飛ばしました……そして、あのお仲間の言葉……。

 あれにみんな心を動かされたようです。ダークエルフは魔法に秀でた種族とはいえ、あんな高威力の魔法……今の僕達ではとてもじゃないですが使えません。そして、アキノさんはそれよりも強いと……。外の知らない世界の脅威と、興味、これは戦争なんかやってる場合ではないと、別れかけていたダークエルフ全体が一つになりました!!」


 ツバキの村も何度か襲われているんだがな……。ツバキもトラブルばかり起こすわけではないか……。ツバキはああいったが、あれだけの威力の魔法は使えないだろうな。


「という事で、我々ダークエルフは戦争をやめ、アキノさん達の傘下に入ります!!」


「いや、入ります!!って、僕達は国じゃない、傘下というのもおかしいだろう?それに、対等でいれればそれでいい。」


「いえ、それだけの力を持ちながらも、我々を力ずくで従わせようとはせず、武闘会を開き、あくまでもダークエルフ達の間で解決させようと動いて下さいました。他のお仲間ももちろんお強いのでしょう?

 我々ダークエルフはアキノさんとお仲間の下につくことを決めたのです。」


「最後は力ずくだったがな。高い誇りはどこいった?」


「それは結果そうなっただけです。我々はアキノさんの心遣いに感服しております。その前に我々の誇などちっぽけなものです。」


 これはこれで、なんだかめんどくさい事になったな……。なんにしろ、戦争はこれで終わるか……。ダークエルフ達、力を見せたらコロッと変わったな。まあ、あいつらからすれば凄い衝撃だったのかもしれないが……。


「戦争が終わるなら、とりあえずよしとするか。僕らは杖があればそれでいい。もし、無事に森から出られるようになれば、村や町に招待しよう。それから、ギルドというものを今色々な街や村に作っている。ダークエルフ達にはいい暇つぶしになるかもしれない。

 とはいえ、全部解決してからの話だな。」



「はい。みんなに伝えてきます!!」


 嬉しそうに走っていくアルヴ。





 武闘会に優勝したという事、僕らと仲がいいというのも含め、ダークエルフ達からアルヴへの扱いが変わったと言う。アルヴを次期ダークエルフの長としてダークエルフ全体がまとまってきているとの事だ。ちなみに、ダークエルフ達は、ツバキの事を、お姉様とか、姐御とか呼んで慕っているらしい。



 さて、これで杖の問題もなくなった。戦争がなくなった事をエリシア含め、エルフ達に知らせに行かないとな。






 ダークエルフの村でツバキの回復を待ち、村を後にする。エルフの村へ行ってくるだけだと説明したが、置いてかれたのが相当嫌だったのか、ついてくるというので、みんなで移動している。

 当然、アルヴもエリシアに報告するためについてきている。

 ……エリシアに会いたいだけ、少しでも早く戦争が終わった事をエリシアに伝えたいのだろうが……。



 ちなみに今回の事で、ツバキにお礼を言ったところ、調子にのってハグを所望すると言ってきた。普段なら断るところだが、二つの村の問題が解決し、杖も無事に手に入れることができたため、今回だけはと受け入れる事にした。

 したのだが………両手を広げて立っていると、近くにはくるのだが、それ以上は寄ってこない。普段は無意味に胸を張りながら、大口を叩くくせに、こういう時はしおらしい。

 焦ったいので、自分から軽くハグをすると一瞬ビクッとなり、顔は伏せたままであった。

 可愛いところもあるんだよな。ツバキも。勢いで言ってる分にはいいが、面と向かってされると恥ずかしいらしい。とはいえ、自分もめちゃくちゃ恥ずかしいんだが……。





 ダークエルフの村を出て、南へと向かう。南へと向かうが、木が爆風で薙ぎ倒されている……。そう、ツバキが放った狐火は、ダークエルフの村から南の方角であった。

 エルフの村からはまだ距離があるため、あっちまで被害があるとは思えないが……。クレーターのあたりまで来ると、その破壊力がよくわかる。クレーターを中心に木々が吹っ飛び、あるいは薙ぎ倒されている。


 そしてさらに南へ進むと、エルフの姿?どうやら、数人のエルフがいるようだ。


 近くに行き話しかけてみる。

 どうやら、他にも何人かエルフがいるらしく。その中にはエリシアの姿があった。


「エリシア。どうしてこんな所に?」


「ああ!!アキノさん、ご無事でしたか!?ダークエルフの村の方から今までにない大きな爆発があり、村の者と調査しにきてたのです。アキノさん達とアルヴが心配で……。それよりも、アキノさん達もなぜここへ?やはり調査ですか?」


「いや、この爆発は仲間がやったものだ……。今は、報告をしにエルフの村へ行くところだったんだが……。」


「え…………アキノさんのお仲間にこんな凄い魔法使える方がいるんですか?

 それよりも、報告というのは?」


「アルヴ!!」

「はい。」


「えっ、アルヴも来てるんですか!?」


「エリシア!!」

「アルヴ!!」


 抱き合う二人。


「もういいって!!あとでやってくれ。」


 アルヴはエリシアにダークエルフの村であった事を伝えた。


「それでは!?」

「うん。」


 今の状況を忘れ二人の世界に入りそうになるアルヴとエリシア。


「嬉しいのはわかるが、イチャつくのは後にしてくれ。とりあえず、エルフの村に行って、この事を伝える。戦いを仕掛けてはこなくなったが、いきなり仲良くしろというとは無理がある。そこは少しずつお互いの努力で埋めてかなければならないだろう。

 エリシアとアルヴはその橋渡しとして、頑張ってほしい。」


「「はい!!」」


「ただし、いきなりイチャつくのは無しだ。」


「「はい………。」」


 返事の息もピッタリのようだ。まあ、これからのことは二人に任せるとしよう。他の村との交流は森から出られるようにならないと無理だしな。








 あの後、エルフの村へ行き戦争の終了を告げ、杖を借りて、またツバキの開けた穴の辺りまで戻ってきた。

 ちなみに、杖はそれぞれアルヴとエリシアが持って来ている。


「アキノさん、皆さん、ほんとうにお世話になりました。今は、こんな事しかできませんが、いつかこのご恩を返せるようにエリシアと共に頑張って行こうと思います。」


「皆様、どうかお気をつけて。」


 アルヴとエリシアが、見た目にはただの森にしか見えない入り口らしい所に立ち、お互いの杖を交差させなにやら聞き取れない呪文を唱えていく。

 すると人が通れるかどうかというくらいの扉の形をした光の枠が現れる。


 どうやら、ここから入るようだ。みんなに視線を送り、コクリと頷き中へと入って行く……。光をくぐればすぐに森の奥へ入れるかと思ったが、意外にも距離があるようだ。とはいえ、数十メートルくらいではあるが。

 もしかすると、この分厚さ分、結界のようなものが張ってあるのかもしれない。そう考えると、とてつもない魔力である。さすがはハイエルフといった所だろう。


 光の通路を抜けたところで、突然目の前に何かが来て思いっきりぶつかってしまう。


「キャッ!!」


 女の子の声?


「アキノさん大丈夫ですか?」


「ありがとうフィリア。大丈夫。てかこの娘は……?」


 僕にぶつかって、尻もちをついている女の子を起こそうと手を伸ばす。

 耳が長い。どうやらこの娘もエルフのようだが?


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