初めての戦闘
「おはようございます。アキノ様。」
「お、おはよう…ございます。」
ロッテと、フィリアさんだ。森へ行くという事で、武器を装備して、動きやすい格好で来てもらったのだが………。
ロッテは、似合ってる…けど、なんていうんだろ、うん、メイド姿とあんまり変わらないんじゃないかな?黒を基調にした、ゴスロリファッションだ。所々アクセントに赤を使っているのがポイントである。武器には昨日選んだ、黒い棍を持っている。よくよく見ると、その黒い棍には、文字のような模様のような、ものが彫ってある。
対して、フィリアさんは、フリル付きの白のブラウスにハイウエストの赤いチェックスカート、腰にショートソード。そして黒いニーソ。これもまた、これでもかってくらい似合っている。
いや、森に戦いに行くんだよ?
「おはよう、2人ともよく似合ってるけど、戦いに行くんだよ?大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
「だ、大丈夫です。これが、私の戦闘服です。」
確かに、違う意味で攻撃力は高そうだ。本人達がそういうならいいか。問題があれば考えよう。
「ロッテも、フィリアさんも、敬語やめない?フィリアさんお姫様なんだし。アキノでいいよ。」
「いえ、しかし………。」
「わ、私はお仕えする身ですので……。」
「わからないではないけど、しばらく行動を共にする仲間なんだし、もっと距離感を縮めてもいいかなと思って。無理にとは言わないけど。」
「仲間!!そうですね、いきなりは難しいですけど、少しずつ変えていきますね、アキノ様……さん。私の事もフィリアでいいですよ?」
「わ、私もいきなりはできないので、す、少しずつ慣れていきましゅ。」
フィリアさん……フィリア、か。何気に自分もそういうの照れるな。
しゅ、って、ロッテ相変わらずだな。
ロッテと、フィリアさん2人に案内されて、街の外の森へとやってきたわけだが……。
なるほど、確かに野菜のようなものが沢山なっている。なんかもう、季節感とかそういうのも関係なしって感じでゴロゴロしている。なんでこんな事になってるのかまったくわからないが。当面は食糧不足にはならなそうだ。
「この辺りには、比較的弱い魔物が出るんだよね?」
「は、はい。一角ウサギと、大イノシシが棲息しています。」
ウサギとイノシシいるのか?魔物とはいえ、肉として食べられるんじゃないか?ウサギは食べたことないけど、食べる地域もあるっていうし。
うわぁぁぁぁぁ
軽く考えすぎてた。
やばいやばい。一角ウサギも普通のウサギが少し凶暴になっただけかと、舐めてた。
集団で棲息しているらしく、一匹に見つかると、仲間が一気にやってくる。しかも、ウサギらしくジャンプ力がとんでもない。飛ぶのにとんでもないって……。いやいやいや、そんなん考えてる場合じゃない、ジャンプ力とあの頭の角。当たれば貫通されるんじゃないか?
逃げてる最中背中に何匹か当たったぞ。大剣を背中に背負ってるから衝撃だけで済んだけど、当たりどころ悪ければ一発で殺られるな。
ロッテは、棍を器用に使い、何気に数を減らしてくれてはいるが、数が多すぎる。多分20匹位か?
フィリアはショートソードで直撃は避けているが逃げるので精一杯のようだ。
とにかく、囲まれない所に逃げないと。とにかく……兎に角。うわぁ、ウサギにツノ。まさにこの状況?ってか、さっきからこんなんばっか浮かぶんだ。案外余裕なのか?パニクってるのか?
ロッテとフィリアの無事だけでも確保しないと。
はぁ、はぁ、やばいなこのままじゃ………。
てか、少し数が減った?ロッテが減らしてくれるのもあるが………。
ん、角が折れてるウサギは追ってこない?弱ってるように見えるが……。これって、角が弱点てことか?角で攻撃してくるのに?
大剣に当たって角が折れたウサギも何匹かいるようだ。ならば!!
「ロッテ、フィリア、僕の前に走って!!」
「はい!!」
「わ、わかりました。」
ロッテとフィリアが前に来るのを確認すると、振り返り、大剣の刀身を盾に地面につきたてる。折れれば終わりではあるが………耐えてくれ!!
一角ウサギ達が一斉に飛びかかる。
ガンガンガンッ!!
大きな音と衝撃。倒れないように必死に支える。
ガンガンガンッ!!
数がどうやら減ってきたようだ。これならいけるか?大剣を振り回して当てるのはきつそうだが、僕が囮になってロッテとフィリアに攻撃してもらえれば、なんとかいけるかもしれない。
「ロッテ、フィリア、僕が囮になるから、回り込んで攻撃して!!」
「「はい!!」」
ふう、なんとかなったな……。
そういえば、ダガーを腰に2本付けてたんだった。忘れてた。機会があれば使ってみよう。
「そういえば、2人とも魔力は大丈夫?」
「ま、魔法を使っていないので、平気です。ア、アキノ…さんからの魔力の回復量の方が多いので、一緒に行動をしていれば、このまま戦っていても大丈夫だと思います。」
「それよりも、アキノさん!!怪我してるじゃないですか⁉︎回復しますね!!」
確かに何気にかすり傷程度ではあるが、所々出血している。もう少し傷はあった気がするが……。まあ、気のせいか。
「でも、回復魔法を使うと魔力を消費しちゃうんだよね?これ位は大丈夫だよ。」
「いいえ、治しておきましょう。"これ位"なら魔力をほとんど消費しないですから。」
うーん、しょうがないか、どれ位の傷でどれ位の魔力を消費するのかも把握しておかないといけないしな。
「じゃあ、お願いするよ。」
「はい!!」
パァっと掌から光がでて傷を塞いでいく。なるほど、こればすごい。僕も魔法って使えるようになるのかな。今度教えてもらおう。
「すごいもんだね、ありがとう。魔力の消費は大丈夫?」
「いえ、"仲間"ですから!!アキノさんといるおかげか消費は感じないですね。」
仲間に憧れが強いのかやたら強調するな〜。わからないでもないけど。しかし、これ位の戦闘であれば、魔力を消費しないってのは朗報だな。魔力をできるだけ使わないような戦い方をしつつ、いざという時に魔法を使えるようにしておいた方がいいな。
「さて、しばらくは一角ウサギを相手に頑張ろうか。食材として使えないか試してみたいから、狩った一角ウサギはある程度集めておこう。」
ふぃ〜、狩った狩った。6、70匹位か。最初はビビったけど、要領をつかめば、なんとかなるのがわかった。ロッテ、フィリアとの連携も少しずつとれてきたし。ただ、次回からは食糧回収班も連れてこよう。こんなに持って帰るのは無理だ。
今回は、 持って帰れそうな分だけ持って帰ろう。食べれるかもわからないし。
「そろそろ、一角ウサギ回収して戻ろうか。」
「は、はい。」
「そうですね。」
さて、無事回収出来たし、帰りも油断しないように帰りますか。
バキッ
ん?
バキバキッ!!
音がでかくなってきてる⁉︎これ、やばいやつじゃ?
「ロッテ、フィリア、逃げるぞ!!」