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樹海9



 まずはエルフ達を説得するために、エルフの村の近くまでやって来た。ダークエルフとは違い好戦的ではない為、比較的説得しやすいと思ったからだ。元々、エルフからは攻撃を仕掛ける事もなく、大半が戦争を終わらせたいと思っているのではないかというのも、先にエルフの村を選んだ理由である。


 今、エリシアには村には入らず、近くをウロウロしてもらうようにしている。

 僕らはその様子を隠れてみているという形だ。なぜ、そんな事をするかというと……。


「エリシア様、戻られたのですね。どこかに行ってしまわれたかと思い心配しました……。いなくなったと思って、いきなり現れては困りますからね!!」


 そう言いながら、短剣を抜くエルフ。そしてそのままエリシアに向かっていくが……。


「風よ!!」


 ロッテの風の魔法により、短剣が飛ばされる。


「なっ!?」


 そしてその隙に後ろからそっと近づき、手刀でトンッと襲いかかってきてエルフの意識を奪う。


「とりあえず1人目だな。これを何度か繰り返せば、そのうち首謀者も出てくるだろう。」


 そう、まずはエリシアの命を狙うエルフ達を先に捕まえてしまう事にした。こちらが行動を起こしているうちに、横から邪魔をされても困るからだ。それに、不穏分子を捕まえておく事は、交渉の材料にもなる。

 まあ、こちらも前例のない事をやろうとしているんだから、ある意味、不穏分子はこちらとも言えなくもないが、それはそれ、これはこれである。





 ……あれから、エリシアにしばらくウロウロしてもらい、何人かのエルフを捕まえる事ができた。その中の1人はわざと逃し、泳がせてある。異常があれば、親玉に知らせに行くのがセオリー。

 案の定、あとをつけていくと、一軒の家に入って行った。それなりに大きな家ではあるが……。


「ここは……。」


 エリシアにはその家が誰の家か思い当たるようで、思わず声を漏らす……。住んでいるのだから当然ではあるが。


 とりあえずのところ、場所がわかればいい。さて、次の行動に移るとしよう。

 もちろん、堂々と村の中を歩いているわけではなく、他のエルフに見られないように隠れながら行動をしている。ちなみにアルヴが見つかると厄介なので、捕まえたエルフの見張りも兼ねて、近くの森で待機させている。


今回動くのは、あくまでそれぞれの当事者である。エルフの村の事は、エリシアに頑張ってもらうしかない。もちろん、出来る限りは手伝うが。




 いったん、アルヴのいる所へ戻ってきた。

 先程の家は、エリシアにしつこく結婚を迫ってきた、ホフマンというエルフの家らしい。やんわりと断っていたが、ただ恥ずかしがっているだけだと勝手な勘違いをされ、何度も迫られたとの事だ。あまりにもしつこいので、思い切ってキッパリと断った所、そこからはパッタリと姿すら見なくなったという……。


 逆恨みってことか……。だが、それだけで命まで狙うとは思えない。それに、ハイエルフの血筋を嫌うエルフがいても、命まで狙うとなると、リスクもでかすぎる。素直に協力するとは思えないな……。まだ、何かあるってことか。



「おい、お前ら、今から長のところへ引き渡しに行こうと思ってるんだが、何か言いたい事はないか?」


「ふん、何も言う事はありませんよ。」


「そうか……。ホフマン邸に行ったんだが、洗いざらい話してくれたぞ?お前達に脅されて、無理やりエリシアを襲ったと。」


「な!?そんなはずは……。嘘を言うものではありませんよ。」


 明らかに動揺しているエルフ達。


「こっちとしては、どちらでも構わんよ、出るところに出て、処罰してもらうだけだ。もちろん、首謀者は厳罰に処罰されるだろうが……。」


「……くっ、わかりました。お話しましょう。ただし、きちんと誤解は解いてくださいね。」


 捕まえたエルフ達によると、話を持ち出したのは、ホフマンではなく、父親のハーマンとの事である。

 ハイエルフの血をひかない者達は、村の長になることができない。そこで、ハイエルフの血を受け継ぐ者がいなくなれば、自分達にもその機会がやってくると。ハーマンは、ハイエルフの血筋を除くと村では一番の有力者らしい。今回の事が成功し、無事長になることができれば、ある程度の地位を約束すると言われ、協力していたとの事だ。


 ホフマンの逆恨みではなく、父親の方だとは……。ホフマンが、エリシアと結婚すれば子供が長になると思っていたところ、見事に断られ、今回の事件を起こしたってところか?

 なんにしても、自分の欲に駆られて起こしたって事だよな。エルフはもっと高貴な存在だと思っていたが、意外とそうでもないんだな。

 それにしても、ちょっとカマかけただけなのにベラベラと喋ってくれたな。こっちとしては手間が省けて助かるが。



「さて、こいつらを連れて、長のところへ行こうか、エリシア。後はエリシアの頑張り次第だ。」


「……はい。わかりました。」


 今回は、エリシアと二人で向かうことにする。魔族や、ダークエルフがいると話がややこしくなる可能性がある。アルヴ、フィリア、ロッテは留守番である。色々と頼み事はしてあるが。人間はどうなんだ?と言われるとそこはなんとも言えないが……。1人にするのも危険だから仕方がない。


 長の家に着き、まずはエリシア1人で話し合ってもらうことにする。


「お母様、お話があります。」




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