樹海
「助けて!!」
「誰か!!」
「うわーー。」
声のする方へ向かうと、子供達?が襲われているようだ。
襲っている魔物は木?
「助けるぞ!!」
「「はい!!」」
子供達に向かって、腕?枝?が振り下ろされる…が、
「風よ!!」
ロッテの魔法により、腕は中に舞い空振りに終わる。
そして、その隙にフィリアは子供達と魔物の間に入り、僕は大剣で木の魔物を薙ぎ倒していく……。
二体倒したところで、ロッテがもう一体を倒す。
とりあえず三体、他にはいないようだ……。だが、ここが森という事もあり、どれが魔物で、どれが普通の木なのか分かりにくく、警戒を解く事が出来ない。
「大丈夫か?」
見ると、子供達は獣人?のようである。見た目としては、犬の耳と尻尾が生えている子が2人、猫の耳と尻尾が生えているのが2人。それぞれに男の子と女の子がいる。
「あ、ありがとう!!遊んでたら、突然こいつらに襲われたんだ!!今までそんな事なかったのに!!」
「この木の魔物は、普段はいないって事?」
「うーん、よくわからないけど、今まで見たことはないよ。この森の外から入ってくる悪いやつから守るために、木の形をした魔物みたいなのはいるって聞いたことはあるけど……。時々村を抜け出して、みんなと遊んだりしてたけど、今まではそんな事なかったし……。」
ということは、僕らが森に入ったから襲ってきた?いや、それなら僕らを襲ってくるのが普通だろう……?
森の外からの侵入を防ぐという事は、何かしらの魔法なのだろうか?ゴーレム的な?森は相当広いみたいだし、そんな高等な事が出来るのか?
それとも、ただ単に魔物なのか?
……考えてても仕方ないか。魔物が出る以上、子供達をそのままにはしておけない。予定とは違うが、村まで送っていかないとな。
ロッテと、フィリアに視線を送ると、2人ともコクリと頷く。考えてる事を理解してくれているようだ。
「君達、村まで案内してくれるかな?また魔物が出たら危険だから、村まで送って行くよ。」
「うん……ありがとう!!」
……どうしてこうなった?
子供達を村へと送り届けたのだが、子供達を連れ去ったと勘違いされ、3人とも一緒に牢へ入れられてしまった。
村へと入った途端、子供達は連れていかれ、事情を話そうとしたが、村人達は聞く耳を持ってくれなかった。
牢に入れられる覚えは全くないが、いきなり暴れても余計に話がややこしくなるため、そのまま捕まったというわけだ。
子供達がきちんと説明してくれているといが……。
「参ったな。」
「どうしましょうか?」
「と、とりあえずは、話を聞いてもらわないと、どうしょもないですよね……。」
牢の外から足音が聞こえてくる……。子供達の話を聞いて、村人が解放してくれる気になったのだろうか。
「事情は聞いた。子供達を助けてくれたそうだな。感謝する。が、そもそも、なぜこの森に人間と魔族がいる?金品が目的か?我々をどうにかしようと思ったのか?まあ、どちらにしろここから出す事はできん。」
牢の前に現れたのは、見張りなのか様子見なのかわからないが、犬人の青年のようだ。
「子供達を村に送り届けたら、そのまま帰るつもりだった。ここの住人が受け入れてくれるなら、少しくらいは見て回ろうかとは思ったが……。金品も必要ないし、何かしてもらうとも思っていない。争う意識はないんだ、ここから出してくれてもいいんじゃないか?」
「ふん、そうは言っても魔族がいる以上、はいそうですかと野放しにする事はできん。我々の身体能力に圧倒的に劣る人間。お前だけならどうせ何もできないだろうから、逃してやってもいいかもしれないがな……。」
「例え、僕だけ逃してもらえると言われても、2人を置いていくわけにはいかない。僕だけが助かっても意味がないからな。もし、2人に手を出そうものなら、タダじゃすまないからな!!」
「「アキノさん……。」」
とりあえず、獣人たちよりも人間は弱いと見られてるらしいな。そして、魔族はやはり嫌われていると……。どうしたものか。
「ふん、どうして魔族なんかを庇うのかわからんが……。お前は余程の変わり者らしい……。まあ、なんにせよ、お前達の処分については協議中だ。おとなしくしておくがいい。」
バタバタと外から音がする……。
そして、もう1人犬人が現れる。
「騒々しいな、どうした?」
「それが……。」
耳元で何かを報告しているようだ。
「なに!?なんで今日はこんなに……。仕方ない、ここに連れてこい、こいつらと関係があるかはわからんが、牢はここにしかないからな。一緒に入れておく。」
「はい、分かりました。」
そう言うと、伝令らしき犬人は走り去っていった。
……今の感じからすると、誰かまた捕まったって事か?ツバキ辺りならついて来てもおかしくないが……。
……魔法でみんなの位置を確認してみるがわからない。もしかすると、この森も雪山の時みたいに、そういったものを遮断するのかもしれない……。連絡すら取れないのは厳しいな……。
しばらくすると、さっきの伝令と数人の犬人が、戻って来た。誰か連れているようだ。ツバキ達ではないようだが……?
「入れ!!」
「きゃっ!!」
少し強引に牢の中へと押し込まれる。どうやら、捕まったのは女の子らしい。黒髪で、二つ結び、愛らしい顔つきで、眼鏡をして……眼鏡!?
そこで、女の子はこちらに気付いたらしく、一瞬怯えた表情を見せたが、次第に頰が紅潮していく……。
「アキノくん!!!!?アキノくんだよね!?」
一気に近づいてくると、両手をギュッと握ってくる……。
「ここはなに?どうしてアキノくんがここにいるの?さっきの犬の人みたいなのは何?私おかしいのかな、それとも夢?」
すごい勢いで色々と聞いてくる女の子……。
「ちょ、ちょっと落ち着いてくれ!!って、……もしかして、ユズハか?」
「そうよ、ユズハよ。アキノのくんと幼馴染のユズハよ。目が覚めたら変な森にいるし、明かりがついてたから村の方に近づいたらさっきの犬の人みたいのに捕まるし、なんなのこれ!?」
まさか、ユズハまでこっちの世界にくるとは……。
「アキノさん、こちらの方はお知り合いですか?」
フィリアが聞いてくる。ロッテも同じように思っているのだろう、視線を注いでくる。
「ああ、元の世界では、タツヤと3人で昔からよく遊んでた。ユズハも言ってたけど、幼馴染ってやつだな。」
「え!?タツヤ君?元の世界!?意味わかんない……。ていうか、この娘達は誰?めちゃくちゃ可愛いんだけど……。って、えっ?ツノ?えっ?コスプレ?ハロウィン?タツヤ君と組んで私にドッキリとか仕掛けてるの?」
めちゃくちゃ混乱してるな……。分からないでもないけど……。
ドッキリとかコスプレって、やっぱ同じような事考えるよな……。
普段はもっと落ち着いて、しっかりした感じなんだが……。
「ユズハ、とりあえず、手を離してくれ。事情を説明する。」




