タツヤの思惑3
「美女、美少女揃いのコンテストとなりました。審査員もかなり悩んだのですが、結果が出ました。今回、飛び入りの謎の美女は審査に入っていません。では、発表します!!第1回、水着コンテストの優勝者は!!!魔族のプリンセス、フィリアさんだーーー!!」
「「「「うおーーーー!!」」」
「そして、今回、特別賞を、ロッテちゃんに送ろうと思います!!!」
「「「うおーーーー!!」」」
何言っても盛り上がるな、この会場……。
優勝者はフィリア、特別賞にロッテか。特別賞って何?
「さて、皆様。第1回水着コンテストはこれにて終了です!!もう一度大きな拍手をお願いします!!!そして、次回、第2回水着コンテストでお会いしましょう!!!本日はありがとうございました!!!」
会場から、歓声巻き起こる。
今回のイベントは成功、という事だな。
「お疲れ様。みんなよく似合ってたよ。」
イベントが終わり、いつものメンバーで休憩をしている所だ。
ボタンさんはすでに村に帰ったようだ。もちろん、セリアさんの姿もない。
ツバキを除き、みんなそれぞれ照れているようだ。
そして、その照れる仕草をみてニヤつくタツヤ……。
「そういえばツバキ、尻尾4本になってないか?」
「うむ、ドワーフ村の一件で魔力を消耗してしまっただろう。その後、こっちで回復してきたと思ったら、尻尾が一本増えておった。総魔力も増えとるぞ。」
「いや、そういう大事な事は言ってくれよ。」
「いや、そなたなら気付いてくれると思ったからな。」
なんで、そんなとこだけ乙女心発揮するかなぁ。自分から言わないけど、気付いてほしい。みたいな?
「気付くかもしれないけど、言ってくれ!!」
「ふむ、仕方ないな。とりあえずの変化は魔力量と、尻尾の数だけだ。他に変化は無い。」
総魔力が増えたってのは、かなり大きい。ただし、今後も狐火しか使えないとなると、さらに使い所が難しくなるな……。
「いやー、よかったよかった。大成功だな?アキノ。さて、フィリアさん成功の報酬だけど、どうする?」
「おい、タツヤまだ言うのか?」
「そうですね……私は特に…いや、でも……。うん、わかりました。ロッテも特別賞?もらったんですよね?だから、私とロッテ、アキノさんの3人で久しぶりに探索がしたいです。ロッテはどう?」
「は、はい。少し懐かしいですね。アキノさんとフィリア様がよろしければ、私行きたいです。」
ふむ、勝手に話が進んでいるな。
でもまあ、それくらいならいいか……。
「わかったよ。それくらいなら、全然構わないよ。久しぶりに3人で行動しようか。」
「「はい!!」」
「と言うことで、残りのみんなは、お留守番って事だ。まあ、ゴブリンの街でゆっくりしててくれればいい。部屋は用意しておく。」
少々不満げなみんなではあるが、一応納得したようだ。
「ん〜、そうだな。とりあえず、温泉施設に魔法陣をつけておくから、それでお湯を沸かせるようにしておくよ。みんな温泉でも浸かっておいて。って、温泉っていうよりは風呂だけど。」
「おお!!アキノ、ありがたい!!俺も風呂に入りたい!!」
「いや、魔力を消費して沸かすから、お前には無理だ。」
「なっ!?」
「それに、みんなが入ってる時に入れるわけないだろう?」
「いや、水着もあるし。なんなら、みんなが出てからでもいいし……。」
相当入りたいんだな、タツヤ。
「普通に湯を沸かせばいいだろう。五右衛門風呂みたいにして。」
「ああ、まあ、確かにそういう方法もあるが……。大浴場に入りたい!!」
「魔力無しでも、沸かせるように設計は考えてあるから、それが出来てからだな。あとは、みんなと交渉してくれ。」
「わ、わかった。そうする。3人で行動するって言っても、1日なんだろ?それくらいは我慢するさ。帰ってきたら、一緒に風呂に入ろうぜ。」
温泉が相当効いてるんだろうな。まあ、僕も入りたいけど……。
3人で出かける事になったわけだが、どうしたものか……。探索っていうんだから、知らない土地へ行くってのが、普通だよな。
「フィリア、行きたい所ある?」
「そうですね……言ってはみたものの何も考えてなかったです。」
「に、西の方には巨大な森があるみたいですよ。」
「一応1日って事だし、西の方に行けるだけ行ってみて、戻ってこようか。」
「「はい!!」」
ロッテの話によると、ゴブリンの街より西へ向かっていくと、大きな森があり、北から南まで、ずっと続いているということだ。流石に、北の雪山や南の山々までは続いてはいないようだが、今まであった森とは桁違いに大きいらしい。
遠くからでも、その森の巨大さはわかる……どこまで続いているのか全くわからないくらい深そうである。森というか、樹海だな。迷ったら、戻って来れそうにない。気をつけないとな。今回は、軽い探索だから、大丈夫だろうけど。
その森の中に一際高くそびえる木が立っている。情報はないが、世界樹的なものだったりするのだろうか?
ちょっと行ってみたい……。
いつか行ってみることにしよう。
樹海に入ると、なんと言えばいいかわらないが、雰囲気が変わる。気配が変わるというか、空間が変わるというか……。
だが、まだ樹海の入り口だからか、今までの所と違う木の種類が生えているとかでもない。だが、確実に何か違う…そういう感じだ。
「3人で行動するのは久しぶりですね。」
「そうだね。ここの世界に来てから、色々あったな〜。なんだかんだで結構いるもんな〜。」
「ア、アキノさんは、この世界に来たこと、今後悔してますか?」
「ん〜、そうだなぁ。始めは驚く事ばっかりだったけど、今はここに来て良かったと思ってるよ。命の危険がある時もあるけど、毎日刺激的だし、自分で決めて動いてる。生きてるって感じがするんだ。ブラック企業でずっと死ぬまで働くより、こっちの世界の方がいいよ。」
毎日、帰って仕事いっての繰り返しで、肉体的にも精神的にも疲れきってたからな。どっかで踏ん切りつけて、何かしらの行動を起こせば、変わってたかもしれないけど。
「ブ、ブラック?なんですか?」
「ああ、なんでもない。あっちの世界の話だよ。それに、ロッテとフィリアとも会えたしね。」
そして、パチンとウインクを決める……。
「ひゃい!!」
ロッテが真っ赤になって、変な返事をする。
しまった、セリアさんのがうつった……。
フィリアもそう言われて嫌ではなさそうである。というか、喜んでくれてる?
「私は、前にも言ったかもしれませんが、言葉では表せないくらいとても感謝してます。信頼もしてますし、アキノさんから、色々なものをもらっています。勝手かもしれませんが、これからもずっと一緒にいれたらいいなと思います。」
素で、こういう事言えちゃうんだよな。本人は言葉そのままの意味で言ってるんだろうけど……。こんな可愛い子に面と向かってそんなん言われると、普通に照れる。
………。
………。
………。
何、この沈黙……。
と、その時
「助けて!!」
近くから、助けを呼ぶ声が聞こえる!?
「行ってみよう!!」
「「はい!!」」




