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ドワーフの村10



 ということで、みんなからは離れたのだが……。辺り一面吹っ飛んでしまっているので、見晴らしがいいことこの上ないが、その分、みられるリスクもでてくるという事だ。

 まあ、あれだけ激しい戦闘をした後によってくるような魔物も、人もいないだろうが……。


 さすがにただのクレーターの温泉に入るのは、入りにくいので、外周に軽く掘り足して温泉を引き込んでいる。


 かなり離れてはいるが、きちんとした壁がないというのはなんとなく落ち着かない。








「これが温泉というものですか……気持ちいいですね。」


「はい、なんで今までなかったのでしょう?」


「うむ、妾も気に入った。是非妾の村にも欲しいものだ。」


「広いし、あったかいし、景色もいいね。」


「私も〜、気に入ってしまいました〜。気持ちいい〜ですね〜。雪女ですけど〜、大丈夫みたいです〜。」


「お前らはあれだけの戦いの後に、時間がたったとはいえ、よくそんなリラックスしてられるな。少しは警戒心を持った方がいいんじゃないか?離れてはいるがアキノもいるんだぞ?」


「アキノさんは、大丈夫ですよ。」


「私も、心配する必要はないと思います。ち、ちょっと恥ずかしいですけど。」


「妾も大丈夫だ。見られても一緒に入っても。」


「ツバキの場合は大丈夫の意味が違う!!……あれ、みんなもツバキと一緒だった?」


 赤くなりうつむく一同……。


「おい、お前らマジか……。」


「そういえば、フェルちゃんアキノさんとリンクしたんですよね?」


「ああ、リンク…って言うんだったな。これ。すごく力が湧いてくるんだが、お前らもみんなそうなのか?」


「はい、種族によって差はあるようですが、魔族である私とロッテは魔力が増え続けています。アキノさんから流れてくる感情のエネルギーもプラスされます。フェルちゃんも魔族とのハーフという事なので、影響はあると思いますよ。」


「凄い能力だな。アキノがそばにいれば、魔力は回復し続け、会話や場所の特定もできると。……召喚された人間ってのは、それぞれ能力が違うんだろ?」


「はい、ア、アキノさんは、リンクする能力をお持ちで、アキノさんの友達のタツヤさんは職業をつけることによって、能力をあげたりできます。色々と条件はあるようですが……。」


「それにしても〜、気持ちいいですね〜。とろけてしまいそうです〜。」


「いや、お前が言うと怖いからやめてくれ。……そろそろ、あがらないか?アイツも疲れてるだろ?」


「うん、そうだね。……フェルスお姉ちゃん優しいね。」


「そ、そんなんじゃねーよ。村に早く帰りたいだけだ。」









「アキノさん、交代しましょう。温泉、凄く気持ちよかったです。今度は私達が見張りをしますね。」


「ああ、フィリアありがとう。じゃあ、入ってくるかな。」


 さて、と。久しぶりの温泉だな。

 待たせてるし、あんまり長くはつかれないけど、いい気分転換にはなる。


 ふい〜。


 いい湯だ。奇跡的に熱過ぎず、冷た過ぎず丁度いい感じだな。

 元の世界にいた頃を思い出す……。まあ、未練も特にないけど。この世界はこの世界で色々と刺激があるし、みんなもいる。今帰れると言われても、どうするかな……。


 タツヤにも温泉の事伝えたら喜ぶだろうな。ゴブリンの街まで湯を引くためにはどうするか考えないと……。まあ、お湯でもいいんだけど。どちらにしろ、湯を沸かさないと冷たいだろうが……。


 ……異世界の人間が犯人だったな。他にも異世界…というか、元いた世界から召喚された人間がいるのだろうか……。一体何の目的で?考えても答えはでないか……。

 とりあえず今は、みんな無事だった事を喜ぶべきだな。毎回毎回、綱渡り状態だからな。


 さてと、上がるか。風呂上がりには着替えが欲しいが、そんな事も言ってられない。……やっぱいいな、温泉。






 ドワーフの村に戻る道中はサラマンダーを見かけたが、襲ってくる事もなく、もちろん巨大化する事もなかった。

 ドワーフの代表とタツヤ達に起こったことを説明し、今は、フェルスの親父さんの所で休んでいる所だ。

 巨大化した時に逃げたサラマンダーが村に来たらしいが、タツヤとシグルド達によって、被害は出なかったということ。


 僕らが出発してそう何日も経っていないが、少しずつ復旧は進んでいるようだ。フェルスの親父さんの所も、簡易的ではあるが、寝泊まりできる程にはなっている。


「なるほどな、召喚者が犯人だったってことか……。改めて、召喚者ってのは凄いんだな。」


 フェルスの家にはタツヤにも来てもらっている。今はタツヤと2人である。


「そうだな。実際タツヤだって、ゴブリンとかリザードマン達に職業つけてるだろ?ゴブリンの街まで作ってしまったし、この世界にしたら、とんでもないことだ。僕にしても、滅びるばかりだった魔族が今は、少しずつ活気を取り戻して、発展しようとしている……。力の使い方を間違えないようにしないとな。」


「確かに……。だが、俺らは他の種族に危害を加える事はしないだろ?よほど大丈夫だとは思うけどな。それよりも、だ。」


「どうした?」


「温泉が出たんだって?」


「ああ、しかも丁度適温だ。」


「なんてこった……。もしかして、もう入ったのか?」


「もちろん。いい湯だった。」


「くそっ!!羨ましい!!まさか、みんなも一緒に……?」


「アホか、別々に入ったに決まってるだろう。」


「……だろうな。しかし羨ましい。落ち着いたら、連れてってくれないか?」


「ん〜、まあ、何日かはいるつもりだから、行くか、温泉。」


「よっしゃー!!みんなは?」


「いや、タツヤの目が怖いから連れて行かない。」


「人をなんだと思ってやがる。」


「人でなし?鬼畜?煩悩の塊?」


「ああ、もう。わかった、わかった。温泉楽しみにしてるよ。」


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