ドワーフの村7
「うおおおおぉぉぉぉ!!」
ガンッ!!
先ほどのように、二手に分かれて攻撃を仕掛けるが、さっきのサラマンダー達よりも更に硬く、刃が通らない。辛うじて大剣では傷を負わせる事が出来ているが、致命傷には程遠い……。
最高傑作というだけあって、そう簡単にはやられてくれないか……。
少し距離をとり、様子を伺う。
弱点らしきものは今のところ見当たらないが……。地道にダメージを与えてくしかないか……?
今度は二手に分かれず、同じ足を狙って攻撃する。
切れた所を集中的に攻撃しているが、少し深くダメージが入ったのみ……。やっぱり足止めして、ツバキの狐火に賭けるしかないのか……?
流石にサラマンダーも黙っているわけもなく、何度も攻撃を繰り返しているが、なんとかかわす事が出来ている。
その時、
「うおっ!!」
フェルスが、足を取られたようだ。そこへサラマンダーの太い腕が襲い掛かる!!
「フェ、フェルスちゃん!!」
ロッテが、フェルスを庇い吹っ飛ばされる!!
「ロッテ!!大丈夫か!?フィリア、頼む!!」
「はい!!」
「ロッテ!!ごめん!!」
棍を使って防いではいたが、衝撃までは防ぎきれずに吹っ飛ばされてしまう。
壁に叩きつけられ、かなりの爆風をあげるが、駆けつけたフィリアの様子からすると、なんとか無事なようだ。
風の魔法で、衝突の衝撃を和らげたのだろう。
しかし、やはりというか、力も凄まじいようである。どうしたものか……。
考えていると、今度はサラマンダーが動き出す。でかい体で突進を仕掛けてくる。
体がでかい割りに、意外に早い。
それぞれ、避けるので精一杯である。
それを何度か繰り返したが、サラマンダー全く疲れている様子もなく、こちらばかりが、消耗させられている。
「くそっ!!」
自分のせいでロッテが攻撃を喰らってしまったのもあって、焦るフェルス。
単身サラマンダーに突っ込んでいく。
「フェルス、待て!!単独で動いたら危ないぞ!!」
急いでフォローに回ろうと後を追いかけるが……。
サラマンダーが突っ込んでくると思いきや、様子がおかしい……。口元をモゴモゴとさせている。
サラマンダーで火山地帯に住んでて、竜の姿をしている……まさか、火でも吐くのか!?
「フェルス、何か仕掛けてくるぞ、避けろ!!」
それは、声と同時に放たれた。
サラマンダーの口から、火球が放たれたのだ。
焦るフェルス、とっさに避けようとするが、間に合わずと火球を受けてしまう。その衝撃で、見事に吹っ飛ばされるが、なんとかそれを受け止める。
「フェルス!!無事か!?……アクア、ネージュ!!」
「「はい!!」」
駆け寄ってくるアクアとネージュ。呼んだだけでお互いやる事を理解しているらしく、アクアが水をかけ、ネージュが素早く冷やす。
「うっ!!」
どうやら、無事なようである。ダメージはかなり負っているようだが、オヤジさんからもらったブレストプレートに護られたようだ。ブレストプレートながなければやばかったかもしれない。
「フェルスちゃん!!」
少し間を置いて、フィリアが駆け寄ってくる。すぐに回復するためだ。
フィリアがこっちに来たってことは、ロッテはある程度回復したということである。
「くそっ!!くそっ!!」
悔しがるフェルス。色々な感情がフェルスの中でグルグルと回っているのだろう……。
だが、今は悔しがってる暇はない。サラマンダーを倒さなければ、こちらがやられてしまう。
こうしている間にも、ロッテが単身で、サラマンダーを引きつけてくれている。フェルスの無事を確認し、ロッテの元へと向かう。
「ロッテ、大丈夫か!?」
「は、はい。大丈夫です。ありがとうございます。フェルスちゃんは?」
「なんとか無事だよ。今フィリアが回復してる。」
「よかった。」
こんな状況でも人の心配できるなんて、優しいな、ロッテ。自分も攻撃を喰らったばかりなのに。
攻撃しても、向かってくる様子を見て、気分でも悪くしたのか、その場でバタバタと暴れ出すサラマンダー。
巻き込まれないように、ロッテとともに距離を置くが、それが狙いだったかの様に、ピタッと動きを止める。
そして、翼を広げるとそのまま空へと舞い上がると、旋回しながら、口をモゴモゴしだし……。
まじか……。
「火球がくるぞ!!みんな避けろ!!」
散り散りになりながら、火球の連撃をなんとかかわしていく。かわしきれない火球は、アクアとネージュの魔法により、なんとか直撃を防ぐ事ができている。
これいつまで続くんだ?ずっとやられたらきついぞ!?
やっぱり狙うのは翼だよな。どうする?
魔法か?狙えるか?効果は?
やっていくしかないか。
「ロッテ!!風の魔法で撃ち落せないか?」
「や、やってみます!!」
すぐに攻撃に移るロッテ。
「風よ!!」
シュ!!
見事に翼に当たるが、浅く切れたのみ。サラマンダーは嫌がっているようだが……。
これを続ければいずれは落ちるかもしれないが、いつまで続くかわからない……。威力を上げれば、なんとかなるかもしれないが……。ミスした時のリスクがでかい……。
「アタイがやる!!」
いつのまにか、近くにフェルスが来ていたようだ。
「やるってどうするつもりだ?相手は飛んでるんだぞ?」
「ロッテか誰かの魔法で飛ばせないか?直接この斧を叩き込んでやる!!」
風で飛ばせってか、よくそんなこというな。
「成功しても、失敗しても落ちる事に変わりはないんだぞ?それに、さっきまで攻撃があまり通らなかっただろ?」
「みんなの足を引っ張るだけなんて嫌なんだ。落ちた時は、落ちた時。それに……みんなを信頼してるからな。なんとかなるだろ。後のことは任せる。
確かに足には攻撃があまり通らなかったが、翼なら足ほどの強度はないんじゃないか?」
「ダメージは与えられるだろうが落とせるかは分からないぞ。」
「さっきから、妙に力が溢れてくるんだ。今なら、いける気がする。やらせてくれ!!」
怒りで力が?いや、違うな。瀕死から回復すると強くなる?いや、そんな人種ではないと思う。
となると、ゴタゴタの間にリンクした?
……ああ、気にすると分かるな。確かにリンクしてる。ならば賭けてみる価値はあるか。
「よし、フェルス!!お前に任せる!!」
「任せろ!!次は失敗しない!!」
「ロッテ、頼めるか?」
「は、はい。やってみせます!!」
火球から逃げながらも、みんなに作戦を伝える。作戦と言えるかも怪しいものだが。
「フェルスちゃん、準備はいいですか?」
「おう!!」




