魔族の状況
ガバッ
「はっ、夢か⁉︎」
と、やってみるものの、目覚めた所は、昨日と同じガイゼルさんの屋敷。
やってみたかったシリーズその2!!
いや、夢だったらよかったなとも思うけど、触りだけで夢でした〜、はないだろ。
ま〜、セリアさんの事も含め、今後の事考えていかないとな〜。
コンッコンッ
「ロッテです。朝食をお持ちしまひた。」
今、しまひたって言ったか?ふふ。ってか、ロッテも計算⁉︎いや、違う。違っててほしい。
「どうぞ。」
「し、失礼します。」
テーブルに食事を自然な動作で並べていく。
こういう動きはしっかりしてるのにな〜。だからこそメイドが務まってるんだろうが。
食事は、昨日とさほど変わらない、むしろ同じに見える……。
「ロッテ、ありがとう。えっと、食事のバリエーションていうのかな、他のメニューとかはないのかな?」
「す、すいません。それしか……作れません。」
ありがとうの言葉で、一瞬顔を明るくし、次の言葉で、一気にシュンとする。まじ可愛いなロッテ…じゃなくて。
「今度ご飯作る時さ、僕も手伝っていいかな?」
「え、あ、アキノ様が⁉︎そ、そんなことされられません!!」
思いの外強く返ってきた。
「いや、僕料理するの好きなんだ、知らない所で、ちょっとした息抜きをさせると思って、さ。」
「で、ですが……。」
「食事事情も知りたいってのもあるし、自分の腕でどこまでアレンジできるかもやってみたい。それに、うまくできたら、ロッテにも食べてもらいたいし。作ってもらったお礼にね。
「 !!そういう事なら……仕方ない…ですよね?」
料理が好きってのは本当で、よく自炊してるし、凝った料理もちょくちょく作る。まあ、昔バイトで厨房やってた経験もあるから、人に振る舞う程度のものは作れるつもりだ。
問題は、素材と調味料、調理法だな。
「ロッテ、ガイゼルさんと、フィリアさんと話をしたい。昨日の話の続きもあるし。予定を合わせてもらっていいかな?」
「は、はい。わかりました。」
「ガイゼルさん、フィリアさん、おはようございます。お呼びだてしてすみません。昨日の話の続きと、幾つか質問がありまして。」
「おはようございます。」
「おはようございます。いえ、お気になさらず。むしろ興味をお持ちになられる方が、こちらとしては嬉しい事ですので。」
よし、じゃあまずは、アレから試してみるか。出来るか出来ないで話がだいぶ変わってくる。
「ガイゼルさん、フィリアさんから昨日の事は聞いてますか?試してみたい事があるんですが。」
「ええ、聞いてますよ。もしできるのならお願いしたいですね。」
ガイゼルさんの角に触れてみる………が、何も起こらない。
やっぱり何か条件があるのかな。なんだろう。だが、できないのであれば仕方がない。
「ん〜、ダメみたいですね。アレの条件がわかりません。……アレっていうのもなんなんで、とりあえずリンクって呼ぶようにしますね。」
「リンクするには、何かが必要なのですね。」
「幾つか質問をしてもいいですか?まずは、魔族を救うって事の範囲、または、どのレベルで考えているのか、魔族全体の意思、魔族全体の数。それから、ここの世界の地形と勢力図のようなもの、その辺りから教えて下さい。」
「わかりました。」
まず、魔族全体の数としては5000ほど。もともと個体の力が強く、寿命も長いため全盛期でも10倍ほどしかいなかったらしい。また、人間との戦争から300年ほど経っており、戦争自体を知らない魔族も多いという。ちなみに、寿命も魔力に比例し、若い姿の時期が長くはあるものの、現在の魔力では平均寿命が100年ほどで、年々減ってきているという。
全体としては、危機意識がなく、滅びるのは嫌だが、何かをしてまで変えていこうというほどでもないらしい。
この世界の地形としては、ザックリいうとオーストラリアのような形をしており、だいたい真ん中辺りから西は人間が住んでおり、真ん中から東に亜人などの人間以外の種族、東の端の辺りに魔族が暮らしているということ。そして、大陸全土にわたって魔物が生息しており、魔力のあった頃は何の害もなかったのだが、最近は襲ってくることもあり、魔力を消費する要因の一つになっているそうだ。
かわいそうな?魔族達。てか、亜人もいるんだな、この世界。ちょっと、会ってみたいかも。魔物はノーサンキュー。
昔に比べて寿命が減ったとはいえ、100年生きれるならいいんじゃないか?とは思ったが、食事をきちんとしたり、魔力を極力使わないでいた場合で、もし、何かに襲われたりすれば大きく魔力を失い、簡単に滅んでしまうとのこと。
やっぱり魔力の維持と回復が最優先だな。
「なるほど、次にセリアさんがどの程度もつのかと、魔石について教えて下さい。」
「ええ、セリアについてはもって3ヶ月程度でしょうか。」
3ヶ月、長いのか短いのか、魔石を手に入れる過程によるな。
「魔石はどういったもので、どうすれば手に入りますか?」
「魔石は魔力の結晶といいますか、濃縮された魔力の塊なのです。ただし、滅多に手に入るものでもなく、大変貴重なものです。まれに、魔物の中でも倒すとドロップするものもいるようですが、それも確率はかなり低いとされています。高確率でのドロップを狙うのであればかなり強力な魔物を倒さないといけません。」
「ということは、強い魔物を倒しに行かないといけないのですか?」
「それも一つの方法ですが、他の種族が持っているという話を聞いたことがあります。」
「強力な魔物を倒しに行くか、他種族の所で譲ってもらうかか……。どっちも一筋縄では行かない感じですね。んと、ちなみに魔石を持ってる種族は?それから魔族と交流はあったりするのですか?」
「この辺りでといいますと、狐人が魔石を持っていると聞いたことがあります。種族間同士で交流はもともとあまりないものなのですが、魔族は特に嫌われてまして。」
まあ、魔族だからな、わからないでもないか。今はいい人?達なんだけど。にしても、魔物を倒すにしても、経験もなにもないし。ましてや強力な魔物なんて短期間じゃ無理だろ。
「戦闘の経験者は?」
「私は戦争には参加してませんが、戦闘自体は経験があります。」
と、ガイゼルさん。
「私は、戦ったことがありません。ですが、軽い治療なら行えます。」
と、フィリアさん。
「あ、あの、私は魔物の駆除位ならしたことがあります。」
と、ロッテ。
ガイゼルさんは、戦争には参加してないか。どっちにしろ、魔王が動くわけにはいかないけど、フィリアさんは、治療魔法を使うって事だろうな。
驚いたのはロッテ、意外にも戦闘の経験があると。家事や雑務、魔物の駆除もメイドの嗜みってか、いや、違うか。
「他の魔族達は?」
「やはり、魔物の駆除程度ならいるのですが、本格的な戦闘となるとやはり魔力を消費するので。ほとんど期待できないかと。」
ん〜、で、昨日の話になるって事か。しかし、お姫様とメイドを連れて歩くのは……。
「お父様、私とロッテ、アキノ様で狐人の村へ行こうと思ってるんですが、お許し頂けますか?」
「現状はそれしかないが……しかし……。」
そうなるよな。普通は。てか、行くってまだ行ってないけど?
「アキノ様1人にお任せできませんし、私達もやれることはやるべきです。」
しばらくガイゼルさんは渋っていたが、ようやく許可をだした。
おーい、完全に行く流れだけど、行くっていってないから、おーい。まあ、セリアさんは助けたいから、行こうとは思うけど、一介の会社員に何ができるんであろうか。
チート能力に目覚めてサクサクっといければどんなに楽か。
「狐人の村へ行ってみるってので決まりだな。てか、ロッテ、勝手に頭数に入れられてるけど、いいのか?」
「は、はい、アキノ様が行くのであれば問題ありません。」
ん?
「フィリアさんを守るためについて行くんだよね?」
「も、もちろんです!!」
まあ、いいか。来てくれるにこしたことはない。問題は山積みだが。
「ところで、その肝心の狐人の村にはどれ位の時間がかかるんですか?」
「歩いて5日ほどかと、道という道もございませんので……。」
「え、そんなの女の子2人に行けるの?」
「私達は、アキノ様から魔力を頂けるので大丈夫かと。」
ロッテも頷いている。
「て、ことは逆に僕の方がきついかもって事か。野宿になるだろうけど、大丈夫?」
「覚悟の上です。」
「じゃあ、行き帰りの食料は?」
「私達は食べなくても大丈夫だと思いますが、アキノ様の分は準備していくか、森に自生しているものを食べて頂くかですね。」
そうか、魔力さえあれば、ご飯いらないんだもんな。自生してるのって、そんなにゴロゴロ野菜がなってるものなのか?食に対する意識がアバウトなんだな。
「そんなに森に食べ物ってなってるの?」
「そうですね、生命力が強いのか、自然に実が付いていますね。」
ロッテもこくこくと頷いている。
そういうもんなんだな。この世界は。ということは、食べ物に関する問題は何とかなりそうだな。
あとは、魔物だよな。ただの素人が森に出ていっても殺して下さいって言ってるようなもんだ。せめて、殺されない位の戦う力をつけてかないと辿り着く事すら出来なさそうだ。
考え出すとキリがない、順番に考えていくとしよう。
さて、お腹も減ってきたし、昼飯でも作るか。
「ガイゼルさん、一旦話を切り上げて、厨房をお借りしてもよろしいですか?ここの食事事情も知りたいですし、思う事がありまして。」
「厨房ですか、ええ、それは構いませんが。」
「では、失礼します。」
「ロッテ、厨房へ案内してくれる?」
「は、はい。こちらへ。」
書き溜めしているのを誤字脱字ないよう、読み返しながら少しずつアップしてます。設定とか世界観とか難しいですね。