雪の中での出会い3
雪のない所まで戻ってくる事ができた。
フィリア達はどこにいる?
…………。
ん、ゴブリンの街の方にいるっぽいな……。フィリアもロッテも近くにいるようだ。やっぱり戻ったんだな……。無事だったみたいだな。よかった……。
(フィリア、無事か?)
………ん、返事がないな。ロッテは?
(ロッテ、無事か?フィリアは返事がないようだけど?)
(ア、アキノさん!?よかった!!無事だったんですね!!ツバキさんにアキノさんの場所を探してもらってもずっとわからなかったんです!!フィリア様は、無理をされて街についた途端倒れられて、今休んでいます……。)
無事が確認できたからか、テンションが高いロッテ。
フィリアが倒れた……。無理をさせてしまったな。早く戻ろう。
(詳しい話はあとで話す。急いで戻るから待っていてくれ。)
(は、はい。わかりました。お気をつけて……。)
「アキノさん〜、どうでしたか〜?」
「仲間は街に戻ってるみたい。ただ、1人倒れてしまったみたいで、急いで戻りたい。」
「わかりました〜。じゃあ、早く行きましょう〜。」
ネージュは雪のない所は初めてらしく、色々なところを観察している。とはいえ、急ぎながらなので、じっくりとはいかないが……。
ちなみに、気温がだいぶ違うが大丈夫なのかと聞いてみたところ、暑いとは思うけど、問題ないそうだ。
……雪女なのに常温大丈夫なんだな。
だが、その方が助かる。暑いのが駄目であれば、そもそも北の地から連れ出す事が出来ない。
ゴブリンの街に着くと、すぐにロッテ、アクアが駆け寄ってきた。ツバキはフィリアをみてるのだろう。
「ア、アキノさん!!よくご無事で!!」
「お兄ちゃんお帰り!!」
と、嬉しそうな表情でかけ寄ってきて途中から表情が無くなる。
ちょっと寒気がするんだが……。
「……アキノさん、その人誰ですか?」
低いトーンで話しかけてくるロッテ。アクアの目も心なしか痛い。
その人とは、僕の後ろに隠れて、後ろから袖をちょんと摘んでいるネージュのことだろう。
いや、ネージュ、駄目だろ隠れちゃ。しかも袖つまむとか、ちょっとキュンとしてしまう。じゃなくて!!
いなくなったと思ったら、女の子と帰ってくれば怒るよな……。
「この子は雪女のネージュ。雪崩に巻き込まれて倒れたいた所を助けてもらったんだ。」
「そ、そう……でしたか。で、ですがなぜここにいるのですか?」
「それについてはあとで話すよ。まずは、フィリアの所へ。」
「わ、わかりました。」
「フィリア、大丈夫か?」
フィリアの寝ているベッドに駆け寄る。その傍にツバキが座っている。
「アキノよ、無事だったのか?心配したぞ。」
「なんとか……ね。危なかったみたいだけど。それより、フィリアはどう?」
「倒れてから、ずっとこの調子だ。魔力の使い過ぎと疲れのせいだろう。」
「フィリア……。ごめんね。」
苦しそうなフィリアをみて、思わず手を握ってしまう。
しばらくそうしていると、徐々に苦しそうな表情が抜けていくフィリア。
リンクの効果か?魔力が回復しているようだ。
「あれ?ここ…は?」
フィリアが目を覚ましたようだ。まだ少しぼーっとしているようだが.……。
「え、アキノさん!?なんで……。ご無事でしたか!!夢じゃないですよね……よかった……。」
ほっとした表情を浮かべるフィリア。そして、手を握られていることに気づき、少し顔が赤くなるフィリア。
「え…っと、アキノさん?手…握って?」
「ああ、ごめん。すぐに離すよ。」
いきなり手を握られてたらビックリするよな……。
「いえ、それは構わないのですが……。」
ん?構わないの?
何かに気づいたのか、表情がなくなっていくフィリア。
「アキノさん……その人誰ですか?」
冷たいトーンで聞いてくるフィリア。 その人とはもちろん、後ろいるネージュの事だろう。ほっとくわけにもいかないし、一緒についてきている。
なんか、ロッテの時より怖いんだけど……。
この展開2回目……。
「あとで、詳しく話すよ……。」
うーん、この部屋の空気が冷たい……。あれ?極寒の地でも寒さには耐性がついてたはずなのにな……。この場にとどまっていられない。
「アキノさん〜、なんか寒気がします〜。」
どうやら、雪女でも寒いらしい。
少し休んで落ち着いた所で、みんなに集まってもらった。まだ、若干みんなの目が痛い……。
ここにいるのは、フィリア、ロッテ、ツバキ、アクア、シグルド、タツヤにネージュである。
「みんなに心配をかけてしまったみたいで、すまないと思ってる。特にフィリアには余計な負担までかけてしまった。ロッテもごめん。雪崩に巻き込まれた後の事を説明しようと思う。」
死にそうな所を助けてくれた事、ネージュは雪女だという事、そしてリンクしたという事を説明する。
「そうですか……。ネージュさんはアキノさんの命の恩人なんですね。アキノさんを助けて頂いてありがとうございます。」
「い〜え。ちょっと恥ずかしかったですが〜、助けることができてよかったです〜。」
「は、恥ずかしかった……ですか?」
「いや、ロッテなんでもない。それより、氷のウロコはどうだった?」
あの時の状況の説明でもされたら、みんなに白い目でみられる。なんとかごまかせたか?
「私達は魔力の事もあり、花を探す余裕がありませんでした。」
申し訳なさそうにいうフィリア。いや、僕のせいでもあるんだけどね……。
「ごめんね、無理させてしまって……。ネージュに手伝ってもらって、探してきたんだよ。氷のウロコ。ほら、シグルド。」
とってきた氷のウロコをシグルドに渡すと、大きな目をさらに大きく見開く。
「オオ、コレガコオリノウロコ……。スマナイ。コレデ、タスケルコトガデキル!!」
「とりあえず、届けに行って来なよ。この前の条件は、族長の娘さんが治ってからで構わない。しばらくはこの街にいる予定だから、どうするかも含めてまた連絡して欲しい。」
「ワカッタ。ダガ、ヒトリデイッテイイノカ?モドッテコナイカモシレナイゾ。」
「まあ、ね。早く行ってあげたいだろうし、少なくともシグルドはそんなことはしないと思うから……。その時はその時で考える。」
「スマナイ。イッテクル!!」
嬉しそうな?表情を浮かべ集落へ向かうシグルド。
「アキノよ、ずっとそなたの位置と状態がわからなかったが、あれはなんだ?」
「北の地の雪には魔力が含まれてて、そういうの遮断してしまうみたいなんだ。こっちからも、連絡してみたけど、駄目だった。」
「そうか……。」
「ツバキは、何かあったんじゃないかって、ずっとお兄ちゃんのこと心配してたんだよ。もちろん、ボクも心配してたけど…。」
「みんなに心配かけてしまったね……。」
とにかく、謝ることしかできない。みんなに心配かけないように気をつけないとな……。
「事情はわかったが、アキノお前、みんなに心配かけておいて、女の子連れて帰ってくるってのはどうなんだ?しかも、またしても可愛いじゃないか。まったく、羨ましい……。」
可愛いという言葉に、少し照れた様子のネージュ。
「羨ましいのかよ!!そこはビシッと攻めるところじゃないのか?恩人の頼みだし、事情を聞くと、連れてきてもいいかと思ってな。命の危険もあるという事も伝えたんだが、それでもついてくるというなら断れないよ。」
「ま、俺は可愛い子が増えるのは歓迎だけどな。」
相変わらずだな、タツヤ。だが、冗談半分、本気半分なんだろうな。空気を変えるためにわざわざそういう事を言ってくる。相変わらずいいやつだな。
「ん、どうしたアキノ?」
「いや、お前もいい性格してるなってな。」
「褒めてるのかけなしてるのかよくわからんが……。ネージュさんだっけ?俺はタツヤ、アキノとは、昔からの腐れ縁ってやつだな。よろしく。何か必要なものがあれば気軽に聞いてくれればいい。ゆっくりしていってくれ。」
「はい〜、ありがとうございます〜。よろしくお願いします〜。」
ほわんとした笑顔を見せるネージュ。
「あ、ああ。」
その返しに真っ赤になって答えるタツヤ。
効果は抜群だ!!
可愛いとか平気で言えるくせに、そういうのには弱いんだよな。タツヤ。
「で、でだ。これからどうするんだ?アキノ。さっきはしばらくここにいるみたいな事をいってたが?」
時間があいてしまいました。更新頻度が不安定ですみません。
いつもありがとうございます。




