雪の中での出会い2
どうやら、ネージュさんとリンクしたらしい……。気絶してる時なのか、隣で寝てた時なのかはわからないが……。
そう思えば、確かに、フィリア達と離れて、魔力が流れてこないはずなのに、少しずつ回復している……。常にフィリア、ロッテと一緒に行動してたから、それが普通になってた……。
「ネージュさん、僕と一緒にいて欲しい。」
ネージュさんとリンクしてるのであれば、しばらく休めばある程度動けるようになるだろう。
「私としては構いませんが〜。必要とされるのは嬉しいですね〜。」
あれ?なんかちょっとニュアンスが違う?
ネージュさんに、これまでの事、ここに来た理由、リンクの事を大まかに説明する。
いちいち反応してくれるのが、人の良さを表している。
自分の知らない世界を知ることに興味があったのかもしれないが。
「なるほど〜、異世界の人間さんなんですね〜。アキノさんも色々と苦労されてるんですね〜。」
「僕の場合は、自分から巻き込まれてる部分が大きいけどね。」
「そのお仲間さんと〜、氷のウロコを探さないといけないんですね〜。私も手伝いますよ〜。」
「ありがとう、でも、ほんとにいいの?何も返せないし、魔物に襲われるかもしれない。」
「あ〜、大丈夫ですよ〜。魔物の心配はしなくても〜。」
ん、どういう事だ?
外に出て、その理由が分かった。
さすが雪女と言うべきか、この吹雪の中でも、雪がネージュさんを避けている。ネージュさんの周りだけ雪が降ってこないのだ。
雪が弱くなり、魔物が現れた時も、雪の壁を作って魔物達を見えないところまで押していってしまった。
確かにこれでは襲えない。近づくこともできないだろう。
今はフィリアにかけてもらった魔法は当然切れている。が、寒さを感じなくなった。冷たいなどの温度としてはわかるのだが、寒さは感じなくなった。……たぶん、ネージュさんとリンクしたからだろう。雪女の特性?を得たのではないだろうか。
リザードマンからすれば、雪女はまさに天敵だな。
ネージュさんに僕が倒れていた場所に案内してもらい、周辺を探したが、みんなは見つからなかった……。
「山の麓にの辺りも行きたいんだけど、いいかな?」
「ええ〜、大丈夫ですよ〜。」
麓の辺りもしばらく探し回ったが、吹雪いてたせいもあり、足跡も戦った痕跡もなにも見つける事はできなかった。
ここでも見つからないとなると……。やっぱり雪崩に巻き込まれたか……。
可能性としては、雪崩に巻き込まれた。
巻き込まれはしたが、助かった。
何かしらの方法で助かった。
というところだろう。探しても見つからないという事は、すでにこの辺りにいないということも考えられる。
まず、助かったとして、フィリア達はどう行動する?
まず間違いなく、僕を探そうとしてくれるはずだ。はぐれた場所に戻るという事も考えるだろう。だが、出会わないという事は、入れ違いか、この場所にはもういないという可能性が高い……。
……魔力が少なくなって、戻るという選択をしたか?ツバキに聞けば僕の場所もわかると考えたのかもしれない……。
ならばまずできる事は、花を探して、北の地を抜け、連絡の取れる所まで戻るのが妥当か。フィリア達も花を見つけてるかもしれないが、僕がいない状況で花を探すのは考えにくい。
どちらにしても、早く戻らないと……。一度戻るか?だが、また花を探しに来るのも時間がかかる……。
「アキノさん〜、どうしますか〜?」
「この辺に氷のウロコがあると思うんだけど、できるだけ時間をかけたくないんだ。ネージュさん、なんかいい方法知らない?」
「ネージュでいいですよ〜。そうですね〜。こんな感じでどうですか〜?」
そう言うと、ネージュさん……ネージュは手を動かし始めた。その姿は舞を踊っているように見える……。そして、それに合わせて雪がフワッと浮き上がる。
「今のうちに探して下さい〜。」
舞が美しかったのでつい見とれてしまった……。確かにこれなら見つけることが出来そうだ。
ネージュに手伝ってもらいしばらく辺りを探すと、それっぽいものを見つける。
これ…か?氷の花?花びらが氷でできているように見える。ウロコにも見えなくはない……か。
「ネージュ、これが氷のウロコ?」
「私も実物は見たことないですが〜。これでいいと思いますよ〜。この辺に他に植物はないですから〜。」
なるほどな。そもそも植物自体が珍しいということか……。
「ネージュ、ありがとう。君のおかげで、氷のウロコを見つける事ができた。助けられてばかりで、申し訳ないな……。何か僕にできる事はある?」
「そうですね〜。私がやりたくてやってる事なので別にかまわないのですが〜。……アキノさんはこれからどうするんですか〜?」
「仲間と連絡を取りたいから、雪の影響がない所まで行こうと思ってる。その後は、仲間の状況にもよるけど、こっちには戻ってこないかもしれない。」
しばらく考え込むネージュ。
「ん〜、じゃあ〜、ついて行ってもいいですか〜?」
「それはかまわないけど……。もう戻ってこないかもしれないけどいいの?」
「アキノさん達は〜旅をしてるんですよね〜?私も世界を見て回りたいな〜と思いまして〜。」
「安全な旅ではないと思う……。命を失う危険もあるかもしれないよ?それでもついてくる?」
「ええ〜、ここにいてもどうせ1人ですし〜。ここで一生を過ごすのもな〜と思いますし〜。アキノさんと出会ったのも、何か意味があると思いますので〜。それに〜、雪の中では私がいた方が安全ですし〜。」
確かに、この雪の中戻るだけでも相当時間がかかるだろう……。魔物が出た時も、1人では厳しい。体力だって、回復していない。そういうのも含めて、ついてきてくれるんだろうな。ネージュは。ほわんとしてるけど、色々考えてくれてるんだな。
「わかった。改めて、よろしく!!ネージュ。」
「はい〜、よろしくお願いします〜。」
一度ネージュの家に戻り、必要なものをまとめ、家をあとにする。
北の地を抜けるまで、何度も吹雪いたり、魔物に出会ったが、ネージュのおかげで、苦労しないで進む事ができた。
ほんとに、ネージュに助けられてばかりだな。ネージュには感謝しかない。
やっと雪がない所まで戻ってこれたな。フィリア達は無事でいるだろうか……?




