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雪の中での出会い





 ……ん、ここは?


 まだ意識がはっきりしない。目をつぶったまま、頭が冴えて来るのを待つ。


 確か、狐火を使って、その爆発で雪崩が起きて……。その雪崩に巻き込まれた…んだよな……。


 身体が重くまだしっかりと動かせない。


 ここは雪の中か?冷たく感じない。

 まさか死んだのか?

 怠いとはいえ、なんとなく感覚はある。多分まだ生きてる……。


 少し、頭が回るようになってくると、身体に何か乗っているような感覚があるのに気づく。

 動くようになった手を伸ばし、触ってみる……。


 フニュ!!


 ん、柔らかい。


 フニュ、フニュ!!


 なんだこれ?柔らかいし気持ちいい。


 ようやく、目をあけると目の前に人?


「え、あ、ちょっ!!なんで!?」


 目を開けると、横には女の子が寝ている。しかも、下着姿で……。


 え、ここどこ?やっぱり天国?

 どうしてこうなった?


 急いで距離を取ろうとして、ベッドから落ちてしまう。

 その音で、女の子が目を覚ます。


「あ、おはようございます〜。目が覚めたんですね〜。」


「え、っと、状況が…わからないん…だけど……。君は?あと、服を着てくれる?」


「あ〜、すみません〜。お見苦しいものをお見せしちゃいまして〜。」


 いや、お見苦しいも何も、こちらとしては眼福なのだが、あまり見るわけにもいかないだろう。


 女の子は服を着ると、椅子に腰掛けて、こちらを見る。僕は、ベッドに座り直し話を聞くことにした。


「まずは〜、自己紹介ですよね〜?えっと〜、雪女のネージュって言います。」


 雪女!?この世界に雪女いるの!?てかまて、突っ込みどころが多過ぎてどこから突っ込めばいいかわからない。


 目の前に座っているのは、年は見た目20前後?の女の子。確かに雪女のというだけあって、白っぽい着物の様なものを着ている。

 白いゆるふわの髪で、サイドテールに縛っている。ほわんとした雰囲気の女の子だ。ただ、肌の色が、白ではなく、褐色……。

 日焼けした雪女?自分の中のイメージでは、雪女は色白なのだが……。

 

 いや、まずは話を聞こう。


「はじめして、僕はアキノです。一応、人間です。色々聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」


「やっぱり、人間さんなんですね〜、私はじめて見ました〜。どころか、もうしっかり触れてしまってますけど〜。わかることなら、答えますよ〜。」



 雪女のネージュさんによると、散歩をしていたら、雪崩に巻き込まれて倒れている僕を見つけたので、家に運び助けてくれたそうだ。


「助けてくれてありがとう。で、えっと……さっきのは……?」


 さっきの添い寝の事である。


「アキノさん?が倒れてた時にはすでに体温が雪に奪われてまして〜、危ない状態だったので〜、温めてました〜。温めるなら人肌でっていうじゃないですか〜。気持ちよくてそのまま寝てしまいましたけど〜。」


「そっか、改めてありがとう。見ず知らずの僕になんでそこまで?やっぱり抵抗あるでしょ。それに、雪女って体温あるの?溶けたり、熱に弱いってイメージがあるんだけど……。」


「いえいえ〜。私こんなだから、雪女の村ではあまりいい扱いを受けなくて〜、村を出て1人で住んでるんですよ〜。でも〜、はっきり言って1人でこんな雪の中住んで、誰とも出会わず、私が生きる意味ってなんだろ〜、とか思うんですよ〜。そんな時、アキノさんが倒れているのを見つけまして〜。私にも人助けができるんだと思って〜。もちろん、恥ずかしかったですけど〜、助けられなければ後悔すると思って必死に温めてたんですよ〜。」


 ネージュさんの褐色の肌は生まれつきで、他の雪女の肌は白いらしい。体温は基本的には低めだが、寒さに極端に強いだけで、人間とそんなに変わりはないという事。暑さには弱いが、溶けてしまうような事はないようだ。ちなみにネージュさんは体温も、他の雪女よりも高いらしい。


 この世界も、人それぞれ、いろんな事を抱えてるんだな……。よくひねくれなかったものだ。


 状態はなんとなくわかったが……。そういえば、ロッテとフィリア達は!?


「ネージュさん、僕の他に誰かいなかった!?女の子2人と、リザードマン。一緒に雪崩に巻き込まれてるはずなんだ!!」


「いいえ〜、アキノさんしかいませんでしたよ〜。」


 いなかった!?雪崩に巻き込まれて全然違う所へ行ってしまったのか?それとも雪の中?みんなは無事か?早く助けに行かないと……。


 ベッドから立ち上がり、数歩歩いた所で、力が抜けて倒れてしまう。それを優しく受け止めるネージュさん。


「駄目ですよ〜。まだ、意識が戻っただけで体力は回復してないんですから。」


「いや、でも仲間を助けないと……。」


「駄目です!!せっかく助かった命を無駄にする気ですか〜?それは私が許しません〜。」


 ふわっとしてると思ったけど、そういうところは、しっかりしてるんだな……。って、感心してる場合じゃない。


 魔法でフィリア達の場所を探してみる……。


 ………駄目だ。反応がない。なんでだ?

 今度は話しかけてみるが、繋がらない。セリアさんにも繋ごうと試みるが、繋がらない……。

 魔力が足りないのか?それとも………。


「駄目だ、居場所が分からない。」


「アキノさん、今なにかしてます〜?」


 ネージュさんが不思議そうな顔をして話しかけてくる。


「仲間の居場所を探ってるんだけど、全然わからないんだ。会話もできなさそうだし。」


「どういう仕組みかわかりませんが〜、魔法かなんかですか〜?人間さんって、魔法使えましたっけ〜?どちらにしても、今外は猛吹雪なので〜、そういうのはできないかもしれません〜。」


「どういう事?」


「ここの雪は、魔力を微量に含んでまして〜、そういうの妨害しちゃうみたいなんです〜。」


 なるほど……。とはいえ、早く助けに行かないと、フィリア達の魔力が……。


「……分かりました。私が、アキノさんのお仲間さんを探してきます〜。アキノさんはここで、休んでいて下さい〜。」


「いや、ありがたいけど、そんなに迷惑はかけれないよ。」


「いいえ〜、今出て行って死なれるより全然いいですよ〜。私雪の中平気ですし〜。雪女なので〜。それに〜、私今すごく力が溢れてくるんですよ〜。」


 力が溢れてくる……?


「いつから?」


「はじめて人の役に立って、テンション上がってるんですかね〜。アキノさんいい人そうですし〜。」


「いつから、そう感じるようになった?」


 もしかして……。


「アキノさんが目を覚ました位からですかね〜。急にぶわーって感じで〜。」


 そういう事なのか。

 試しに目をつぶり、ネージュさんの居場所を探ってみる……。

 うん、わかるな。

 今度は、念話を試してみる。


(ネージュさん?)


 ビックリして、辺りを見るネージュさん。


「はい、えっ?あれ、今アキノさん呼びませんでした〜。」



(今、直接話しかけてるんだけど、聞こえてるみたいだね。)


「え〜、確かに口動いてませんね〜。それがさっき言ってたやつですか〜?すごいですね〜。」


 やっぱり、知らない間にネージュさんとリンクしたらしい……。





 


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