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北の地2




 ふと、目を開けると、周りには雪。さっきの雪崩に巻き込まれたようだ。

 私達(・・)を避けて大量の雪がなだれ込んでいる。雪崩が起きた瞬間にロッテが風の魔法でとっさに防御壁を作ってくれたからだ。


 でも、ロッテが守れたのは近くにいた私とロッテ、シグルドさんだけ。アキノさんは離れてたから、きっと雪崩に巻き込まれてしまった。探さないと……でもどうやって?この雪の中から探せるの?ツバキさんたちの様にアキノさんの場所が分かればいいのだけれど。

 アキノさんからの魔力の供給もなくなってしまった。あまり無理はできないという事ね……。


「ロッテ、ありがとう。」


 ロッテは疲れた表情で、肩を上下させている。

 さっきの魔法でかなり消耗させてしまったみたいね。


「い、いえ。でも、アキノさんを守れませんでした……。無事……でしょうか?」


「ナダレガクルマエニ、アイツハタオレタヨウニミエタガ……。」


「フィリア様、アキノさんを探しましょう!!」


「ええ、早く見つけましょう。」


 シグルドさんは早く花を探したいでしょうけど、私達にとってはアキノさんの方が大事。花の事は、アキノさんの無事を確認してから。




 どれくらいの時間がだったのだろう。辺りを3人で探してるけど、アキノさんは見つからない。

 探してる間に雪が降ってきて、今では少し先も見えない位吹雪いてきてる……。私達の残りの魔力の事を考えると、そろそろ決めないといけないかもしれない……。アキノさんを置いて帰る事も……。


「ロッテ、シグルドさん、一度戻りましょう。」


「わ、私はアキノさんを探したいです!!」


 その気持ちは私にも痛い程わかる。私もそうだから……。


「マリョクガ、ヘッテキテイルノカ?」


「ええ、アキノさんがいない今、魔力が回復する事はありません。ここにいるだけでも魔法によって、魔力は減り続けています。魔物に襲われれば、さらに魔力を消耗してしまいます。アキノさんを見つけることができれば、魔力の回復もできますが、この状況では……全滅する可能性も出てきます。」


「フィリア様、でもそれでは、アキノさんが!!」


「わかってる。私もできることなら早く探し出したい。アキノさんの今の状態もわからない上に、こんな所に残していくなんてしたくない。」


「………もう少しだけでも、探せませんか?」


 よほどアキノさんの事が心配なのだろう。ほとんど意見を言わないロッテがこんなに言ってくるなんて……。私も助けたい、でも、全滅は避けなければいけない……。


「わかったわ、もう少しだけアキノさんを探して、見つからなければ、一度戻りましょう。ツバキさんなら、居場所を見つけれるかもしれない。」


「……わかり…ました。」


「シグルドさんも、それでいいですか?」


「ドウセヒトリデハ、ナニモデキナイ。オマエタチニシタガオウ。」





 幸い、探してる間に魔物はでなかった。でも、結局アキノさんを探し出す事はできなかった。

 アキノさんなら、私達の場所もわかるだろうし、連絡もしてくれるはず……。

 ただ、今まで連絡がこないという事は、気を失っているか、連絡が取れない状態にあるということ。

 早く戻って、ツバキさんに探してもらわないと……。


「……戻りましょう。」


「………はい。」


 大きく肩を落とすロッテ。こんなに悲しそうなロッテは今まで見た事がない……。

 私だって、魔力が尽きるまでアキノさんを探したい……。でも、きっとアキノさんなら戻れと言うはず。全滅なんて喜ばない。

 色々な感情を胸に無理やりしまい込んで、覚悟を決める。




 帰りの道も当然すんなりといくわけではない。雪も弱くはなったとはいえ、降り続いている。


 早速、魔物に出会ってしまった。白い一角ウサギ……正確に数はわからないけれど、かなりの数がいる。

 3人で、どこまでできるのか……。


 一角ウサギが一斉に飛び込んで来る!!それぞれの武器で一角ウサギを斬りつける。が、数が多くて捌き切れない。直撃こそないが、いくらか攻撃を受けてしまう。

 それはシグルドさんも、ロッテも同じ様だ。

 いつもは、アキノさんが盾役になってくれて、私達は援護に徹する事ができる……。シグルドさんの剣の腕は凄い。でも、アキノさんと一緒に戦ってる時とは違う……。

指示も含めて、アキノさんがいないとこんなに違うのだと、実感してしまう。


 思えば、アキノさんがこの世界に現れてから、行動をほぼ共にしている。頼り切ってたんだと、いなくなると気づく……。

 私が、しっかりしないと!!


 なんとか一角ウサギを倒した頃には、重症とは程遠いが、かなりの傷を負ってしまった。魔法で回復はできるが毎回これでは、魔力の消費が激しい……。


「ロッテ、まだ魔力は大丈夫?」


「は、はい。だいぶ消耗しましたが、もうしばらくは大丈夫そうです。」




 その後また雪が強くなり、視界が極端に悪くなった。当然歩みも遅くなるが、この雪のせいか、魔物にも遭遇しないですんだ。なんとか、ある程度の魔力を残したまま、雪の世界から抜ける事が出来た。


 とはいえ、すでにかなりの時間が経ってしまっている……。アキノさん……無事でいてくれるといいのだけれど。ううん、アキノさんならきっと大丈夫!!

 心にポッカリ空いた穴を誤魔化すために、絶対に無事だと言い聞かせる。




 ゴブリンの街に着く頃には、魔力もほとんどなくなってしまった。すぐにアキノさんを探しに戻るには魔力が少なすぎる。でも、すぐにでも向かわないと……。


 ゴブリンの街に入ると、すぐにツバキさん達が出迎えてくれた。


「アキノさんを早く助け…に……。」


 ツバキさん達を見て緊張の糸が切れてしまったのか、私はそこで意識を失ってしまう……。


 アキノさんどうかご無事で……。


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