狐人の村とリザードマン
あれからタツヤには、さらに頑張ってもらい職業をひたすらつけてもらっている。
その間、僕らはゴブリン達に、料理を教えたり、仕事のやり方を教えたりしている。とはいえ、専門的な事は分からないため、その辺りは自分達で研究してもらわないといけない。
色々と物事を教えるのに考え方の違いや、反発もあるかと思いきや、きちんと働けば美味しいご飯が食べられるという事で、素直に言うことを聞いてくれている。
物覚えに関しても、人語をしゃべれるゴブリンに通訳してもらいながら教えているが、職業付きのゴブリンは物覚えがはやい。
とはいえ、魔族達ほど要領が良くはないが……。魔族達は色んな意味で優秀すぎる。
これで魔力があれば人間なんて敵わないよな……。
(アキノさん、今よろしいでしょうか?)
(え、あ、ボタンさん?どうしました?)
急にどうしたんだろ。いきなり頭に声が響くから、びっくりするんだよな、これ。
(最近、西の湖の辺りに、リザードマンが現れるようになったのです。)
この世界にリザードマンいるんだ。やっぱ蜥蜴人間て感じなのかな。
(今までは、リザードマンが湖の周辺にいるような事は無かったと。リザードマンてのは、攻撃的な種族なんですか?)
(基本的には住処から離れることはあまりない種族のようです。住処に入ったり、荒らしたりしなければ、襲ってこないらしいのですが……。)
(普段はあまり移動をしない種族が移動をしていると。まさか、村が襲われたんですか?)
(村は襲われてないのですが、湖に偵察に行った村の者が襲われてしまいました。怪我らしい怪我はしてないのですが、身ぐるみ剥がされて村へ戻ってきました。)
リザードマンの盗賊?
(怪我が無かったのはよかったですけど、変わった事件ですね。でも、湖に現れるのなら、村も用心した方がいいですよね。襲われてからでは遅いですし、みんなで狐人の村に向かいます。)
(そうしていただけると助かります。よろしくお願いします。)
みんなに集まってもらい、事情を説明する。
「というわけで、しばらく離れるが引き続き、ゴブリン達に職業付けを頼む。」
「わかった。そっちは戦闘になるかもしれないんだろ?気をつけてな。」
「トカゲ共にボタンが襲われるといかん、アキノよ、すぐにでも向かうぞ。」
ボタンさんの事となると、居ても立っても居られないんだな。それだけ大事だってことだろうけど。
ランナーにまたがり急ぎ狐人の村へと向かう。
もうすぐ村に着くというところで、ボタンさんから連絡が入る。
(リザードマンが村に攻めてきました。村の者が西の門の辺りで食い止めてはいますが、いつまでもつかわかりません。)
(もうすぐ、村につきます。なんとか持ちこたえて下さい!!)
遅かったか!!
しかし、なにが目的なんだ?本当に盗賊まがいの事をしてるのか?
村に辿り着き、急ぎ西門へと向かう。
……そこで見たものは、縛り上げられている村人達。ごく一部しかいないので、おそらくは西門を守っていた見張り達なのだろう。
怪我などはなさそうだが、やはり身ぐるみ剥がされている……。
縛った村人達に興味はないのか、その辺に転がされている。
なにがしたいんだ?本当に……。
村人を助けてあげたいが、まずはリザードマンを倒すのが先だ。
僕とロッテ、フィリアがそれぞれリザードマンと剣を交える。
アクアは、援護。ツバキはボタンさんの元へすでに向かっている。
正確な数はわからないが、結構な数がいそうだ。
てか、こいつら……。強い!!力が強いとかではなく、剣捌きが異常にうまい。
何度も斬りつけるが、見事にいなされる。厄介な相手だ。
見た目はリザードマンのイメージそのもの。トカゲ顏に革鎧、尻尾もあって剣は半月刀。ただ、目が大きくてクリッとしているのが、イメージとはちょっと違う。
切り交わしながら、こんな事考える余裕はあるらしい……。ロッテもフィリアも、苦戦はしていないが、決め手に欠けるようだ……。
「水よ!!」
アクアが、援護射撃をする。
見事にヒットするが、大したダメージはないようだ。が、よくよく見ると、動きが少し鈍くなってる?
「アクア!!もう一回頼む!!」
「うん、お兄ちゃん!!……水よ!!」
今度も見事にヒットする。……やはり、動きが鈍くなってるようだ。水に弱い?トカゲだからか……変温動物だから?
よし!!
「アクア!!広範囲で水をブチまけてくれ!!できるだけ冷たいの!!」
「わかったよ!!……………水よ!!」
注文通り、冷たい水が辺りに降りかかる。
………やっぱり。極端に動きが鈍くなってる。
「ロッテ!!風を!!」
「は、はい!!」
今の言葉だけで理解したのか、濡れたリザードマン達に風が吹き付ける。どんどん体温が下がっていくリザードマン達……。
動きがどんどん鈍くなっていく。その間に、リザードマン達を倒していく。
その中に1匹だけ、動きの早いのが残っている。どうやら、水を回避していたようだ……。
身につけているものも他のリザードマンとは違う。……こいつがリーダーか?
凄い勢いで突っ込んでくる!!
すぐに剣で応戦するが、他のリザードマンよりも更に早い!!
1つ1つの動作に無駄がない。まさに剣士といったところか。
我流で戦ってる自分とは違い、洗練された美しさすら感じてしまう……。
強いな、こいつ!!
だがっ!!
「光よ!!」
近距離での目潰し。向こうは剣士だろうが、関係ない。こっちはなんでもあり、勝てばいい。
そこへ、アクアの援護射撃。
動きが遅くなれば、こちらのもの。技にキレがなくなり、容易に倒すことができた。
……どうやら、他のリザードマンも倒し終えたようだ。
「なんとか、倒しましたね。アキノさん。」
「うん、なかなか苦労したけどね。……ヘックション!!」
ああ、寒!!そういや、自分達も一緒になって水被ってたわ。そりゃ寒いはずだ。
てことは、ロッテとフィリアも?
見ると、やはり2人とも濡れている。2人とも髪が濡れて妙に色っぽい……。
って、服ちょっとスケて……。
いかんいかん。
ロッテが服が透けている事に気付いたのか、顔を赤くしている。フィリアもそれを見て気付いたようで……。
「アクア、なんか羽織るもの持ってきて。2人にかけてあげて。」
「うん、わかったよ。」
極力見ないようにしないとな。
倒したリザードマン達は、村人達に縛ってもらっている。さっきと逆の状況だ。
さて、どうしたものか……。リザードマンってしゃべれるのか?そういや。
『オレサマ、オマエマルカジリ』とか?どこの悪魔だよって?ちょっとマニアックなネタだな。
「おい、お前達はなぜこんな事をしている?リザードマンは住処を離れたりしないんじゃないのか?」
「オマエ、ニンゲンカ?」
お、しゃべれるっぽいな。聞き取り辛いけど。
「そうだ。なぜこんな事をしてるのか、聞かせてもらおうか。」
「ドウセハナシテモ、ドウシヨモナイ、サッサトコロセ。オマエラハ、ソウイウイキモノダロ。」
「理由があるなら話せ、どうするかはそれから考える。」
「………カワッタヤツダナ。ドウセコロスノダロウガナ。……ワカッタ。ハナソウ。」
投稿が遅くなりました。
いつもありがとうございます!!




