ゴブリンの街と発展2
「ああ、タツヤお帰り。いつもああいう感じのものを食べてるのか?」
「まあ、そうだな。生きていく分には食べないと仕方ないしな。俺は料理全くできないし。」
「あり合わせでアレンジしたんだが、食べてみるか?」
「もちろん、こんないい匂いがするのに断る理由もない。」
タツヤに皿を渡すとまず一口。そして、そのままがっつき始める。
「なにこれ、うまっ!!こんなにうまくなるのか?」
「そんなにがっつかなくても、誰も取ったりしないから、ゆっくり食べろよ。」
「あ、ああ。すまん。久しぶりに美味いものを食べたから、がっついてしまった。これ、アキノが作ったのか?」
「まあな。ちゃんとした場所で作ってないし、肉もないから自分としては物足りないがな。発展の恩恵の1つとして、料理の味も向上するだろう。ちなみに、フィリアとロッテも料理うまいぞ。」
「マジか。フィリアさんと、ロッテちゃんの手料理……。」
「喰いつくとこ違うだろ!!」
フィリアはさんで、ロッテはちゃんか。まあ、わからんでもないが。
「すまん。食べ物がうまくなるのはありがたいな。アキノ達が教えてくれるのか?」
「そのつもりだ。魔族にも手伝ってもらおうとは思ってるが。で、どうだった?」
「ゴブリン全体ってのはさすがに話ができてないが、生活がよくなるなら反対する者もいないだろうという事になった。もともと、考えるのは得意じゃないしな。」
自分で考えないと成長しないぞ……。って、まあいいか。
「となれば話は早い。あとは、タツヤが頑張ればいいだけだ。」
「俺が!?フィリアさんと、ロッテちゃんに料理を教えてもらえるんじゃ?」
「おまえは別でやる事がある。それに、料理はできないって言ってただろ!!料理はゴブリン達に任せる。」
「いや、だってせっかくの機会なのに……。お前それ、本気で言ってるのか?」
「本気で言ってたら、こんなに楽しく……ってやらねえよ。なにフッてるんだよ。まったく。本気だよ。タツヤにしかできない事がある。」
なんか、昔を思い出すな。たぶんタツヤも同じだと思うけど。
「仲がいいんですね。ほんとに。」
フィリアが少し羨ましそうに話しかけて来る。
「まあ、昔からこんな感じだよ。」
「で、どうするつもりだ?俺にしかできないって事は、あの能力を使うんだろ?」
「そうだな、しばらくタツヤにはひたすらゴブリン達に職業をつけていってもらいたい。」
タツヤに概要を説明する。
まずはゴブリン達に職業をつけていく事、それから、この街のルールを作る事。ゴブリン達に人語を理解して話せるようになってもらう事。また、知能も高めていきたいため、学校のようなものも作りたいという事。
人手が足りなければ、魔族にも手伝ってもらうという事。その辺りをザックリと説明した。
「アキノはまた大掛かりな事を始めようとしとるな。」
「時間がかかるとは思ってるよ。タツヤの能力と、ゴブリン達の理解力にかかってるけど。構想としては、色々な施設をつくって、それらがきちんと機能するようにしていきたいと思ってる。」
「なるほど……。俺がひたすら大変だという事だな。しかし、俺の能力もどこまでできるかわからんぞ?まあ、できる限りの事はやってみるが。」
「大丈夫だろ、勇者とか戦士とかできる時点で、結構何でもありなんじゃないかと思ってる。その辺りは、要研究だな。」
「まずはなにから始める?」
「まずは、料理人、それから兵士、猟師に学者。まあ、猟師の代わりに戦闘職でもいいが。食べ物をきちんと確保して、守りを固めるところからだな。……確か、適性がないとその職業にはなれないんだったよな。そういや、勇者ゴブリン御一行は?」
「あいつらは修行の旅に出るとか言って、どこか行ってしまったよ。」
さすが勇者様。1つの場所には留まっていられないか。まあ、救うべき姫もいないが……。またここが襲われたらどうするつもりだったんだろうな……。まあ、いいタイミングでやってくるか、勇者だし。
「しばらくはタツヤに頑張ってもらうしかないな。詳しくはその都度話していく。」
しばらくの間、ひたすらタツヤに頑張ってもらった。職業付けでわかったのは、普通の職業になれるゴブリンはたくさんいた。偏りが出るかとも思ったが、なにせゴブリンは数が多い。
数打てば当たるというものだ。色々な職業に就かせる事ができている。
また、タツヤもひたすら能力を使ってるため、使いこなせるようになってきたのか、レベルアップでもしたのか、職業を付けたゴブリンにもう一度付けようとすると、才能のある職業の他に、今の職業の上級職に転職させれるようになったらしい。
ただし、上級職になるにはなにかしらの条件を満たさないといけないようだ。
レベル上げとか?タツヤの能力はRPGみたいだな。分かりやすくていいが。
神父にでも就かせたら、お告げなんかもきけたりして……。戦闘不能になれば、
『おお、ゴブリンよ、死んでしまうとは情けない。』とか言ってくれるだろうか。
さすがにないか……。
ちなみに、戦士や魔法使い等になれたゴブリンもいたが、勇者はヤツ1人だった。さすが勇者様。
だいぶ職業はつける事ができているが、本題はここからだ、能力があっても使えなければ意味がない。下手に能力だけあっても厄介なだけだ。
それぞれにきちんと仕事を覚えさせて勉強させていかないといけない。この辺りが難しいだろうな……。
異世界まで来て何やってるんだか……。自分でやってるんだけど。




