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旅立ちの前に



「ということで、旅にはロッテとフィリアもついて行く事になった。」


「フィリアお姉ちゃんも、ロッテお姉ちゃんも一緒なんだ!!やった〜!!」


「妾はなんとなくそんな気はしてたがのう。」


 結局は、同じメンバーという事だ。



 「さてと、しばらくはここにいるつもりだけど、その間に魔法の特訓をしたい。魔術も含めて。ツバキは狐火で……アクアは何が得意?」


「水の魔法が得意だよ、お兄ちゃん。」


 名前からしてもそうかなとは思ったけど。やっぱそうなんだな。そういえば、セリアさんってどんな魔法が得意なんだろうな。今度聞いておこう。


「で、ツバキはボタンさんの居場所と状態がなんとなくわかるってやつだな。ちょっとやってみるか………。コツとかある?」


「相手の事を思い浮かべて、どこにいるか感じようと思えばなんとなくわかる。」


「イメージと感覚か……。よし!!」


 目を閉じて集中してみる。まずはツバキ。

 ……ああ、なんとなくわかる。言葉にはできないけど、なんかわかる。

 じゃあ、他のみんなは?

 ……おお!!わかる!!

 ガイゼルさんは………わからないな。

 セリアさんは………うん、わかる。

 タツヤは?………わからない。

 なら、ボタンさんは?………わかるな。


 …という事は、リンクした人の事はわかるという事か。


「ツバキ、僕の状態とか場所ってわかったりする?」


「ん、ちょっとまっておれ……。ふむ、そなたのいる場所がわかるぞ。これはどういう事だ?」


「多分だけど、僕とツバキがリンクしてるからだと思う。僕自身も、リンクした相手の場所を知る事ができるらしい。」


「私達にはできないんですか?」


 と、フィリア。


「どうだろ。フィリア、ロッテ、アクア、ちょっとやってみて。」


 …………。


「駄目……ですね。」

「わ、私もできないみたいです。」

「ボクもできないみたい。」


 もしかしたら、できるかなと思ったんだけど。無理だったか。


「そっか、練習すればできるようになるのかな。その辺はよくわからないけど。」


(…さん………アキ……さん。)


「え?何か言った?」


「誰も何も言ってませんよ?どうしました?」


「いや、なんか声が……。」


 みんなは不思議そうな顔をしている。


(アキノ…さん。き…こえま…す…か?)


「やっぱり聞こえる。みんなは喋ってないよね?」


「だ、誰も喋ってないですよ。私には何も聞こえませんが……?」


 んー、なんだ?頭の中に直接聞こえてるのか?でも、なんか聞き覚えのある声なんだけど……。


(アキノさん…聞こえますか?ボタンです。)


「え、ボタンさん?」


「アキノ、ボタンはここにはいないぞ?そんなにボタンに会いたいか?」


「いや、ボタンさんの声が聞こえてくるんだ。」


 直接頭の中に聞こえるって事は、返事はどうやればいいんだ?

 さっきみたいに、ボタンさんのイメージをして……。念じる?語りかける?テレパシーみたいなもんか?とりあえず、やってみるか。


(えっと、ボタンさんですか?これ、通じるのかな……。よくわからないけど。)


(はい、アキノさん。しっかり聞こえてますよ。)


 どうやら、うまくいったらしい。どっからどこまで伝わるんだ?


(ボタンさん、これはなんですか?今どこにいるんですか?)


(わたくしも、初めて試してみたので、よくわからないのですが、離れた相手との会話ができるみたいですね。わたくしは、狐人の村の社にいます。)


(ボタンさんの新しい能力って事かな。でも、この能力は凄いと思いますよ。条件とかあるんですかね?)


(わたくしが、あの、アキノさんの事を思い出していたところ、アキノさんの意識がこちらに繋がったのを感じまして、話しかけてみたところ、通じたという形です。)


(ということは、僕がツバキの能力を真似てボタンさんの居場所がわかるか試した時に繋がったのか……。

 ……しばらく会ってないけど、ボタンさん、綺麗だったな……。)


(あ、あの……。全部聞こえて……ありがとうございます。)


 え!?考え事も注意してないと伝わるのか?きちんと制御できないと迂闊に変なこと考えられないな……。


(ごめん、ボタンさん。お互いが意識を向ければ意思疎通ができるって感じなのかな。今はみんながいるから、また連絡してみていいかな?他の人にもできないか、やってみてもらってもいいですか?)


(はい、わかりました。やってみます。では。)


「お兄ちゃん、1人でいろんな顔してる……。」


 しまった、みんなには聞こえないから、はたから見たら、1人で百面相してるようにみえるのか。


「ああ、ごめん、ちょっとボタンさんと話してて……。」


「ボタンさんと?この辺りにはいないようですが……?」


「新しい能力…魔法?なのかな?離れた相手との会話ができるみたいなんだ。みんなができるように練習をしておきたい。これができるようになれば、色々な面で大きな差がでてくる。」


 この世界に携帯は流石にないだろうからな。人間の住んでる所に行けば何かしら通信手段もあるかもしれないけど、こっちにはなさそうだし、使えるようになっておきたいところだ。


 その後しばらく練習をしていたが、結果としては、僕と誰かという形では会話ができたが、例えば、フィリアとロッテ、アクアとツバキでは会話ができなかった。

 そして、僕の方から繋がないと、会話ができないという事がわかった。あくまで今のところは、だが。

 ツバキとボタンさんは会話ができたようである。

 ちなみに、セリアさんにも使ってみた所、簡単に繋がり、会話することができた。しかも、セリアさんからも繋ぐ事ができるらしい。流石というべきか。『これでいつでも会話ができるわね。』と、からかわれたのは言うまでもない。







 あれから数日が経った。僕は色々な魔法を練習してはいるが、使いこなすまでには至っていない。遠距離の会話もだいぶ慣れてきて、考えが相手に伝わることはほぼなくなり、最初はノイズ混じりというか、聞き取り辛い事もあったが、今はしっかりと受け答えができるようになった。

 ボタンさんと、セリアさん以外はこちらから繋がないといけないというのは変わりがなかった。


 食事に関しては、魔族だけで狩りをし、料理を作って食べるという習慣ができてきて、当面魔力が尽きることはなくなった。最初に集まってくれた料理班のメンバーが頑張ってくれているらしく、料理の味も大幅に向上した。

 また、弱い魔物なら簡単に狩れるようになってきたため、食材が安定し、まだ一部だが、家庭でも料理をして食べるようになったとの事。


 よほど強い魔物や、他の種族からの襲撃でもない限り、魔族が滅ぶ事はないだろう。いざとなれば、セリアさんもいるし。実際どれ位強いのかはわからないが、そうそう簡単にやられはしないだろう。これで安心して?旅に出る事ができる。

 そういえば、セリアさんにどんな魔法が得意なのか聞いてみたが、『女は秘密の一つや二つあるものよ、余計な詮索はしないの。』だそうだ。よく分からん。



 ガイゼルさんの魔力を増やすためには、やっぱり魔石が1番早いだろうな。どこにあるか全く検討もつかないけど。

 あとは、タツヤの所のゴブリン達、ボタンさんの所の狐人達との交流をはかるかどうかだな。

 ゴブリン達は、比較的簡単に交流ができそうだが、狐人達は魔族…てか、他種族を嫌ってたからな。あの一件で考え方が変わったかもしれないが、逆にゴブリンとの交流は少なくともしばらくは考えられないだろう。


 ま、どれもやっていかないとどうなるかわからないけど。

 この世界は僕に何を見せてくれるのだろうか。




 


最近少しペースが遅くなってきました。3月末までしばらくペースが落ちるかもしれません。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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